おちゃけ会第一回/ボルボックスの会

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5月5日(金・祝) ボルボックスの会

お話をしてくださったプロ:野崎 久義 先生

野崎 久義 先生について

東京大学理学系研究科 生物科学専攻 多様性起源学研究室(野崎研)を主宰し、現在東京大学と国立環境研でボルボックスの仲間の研究を継続されています。

淡水藻類の分類学的研究、ボルボックスの仲間を用いた多細胞化と性の進化の研究、全世界的調査によるボルボックスの多様性と進化化、真核植物の大系統と大進化植物の新概念の構築などの研究をされていました。

2012年には日本各地から得たボルボックスの培養株を用いて、有性生殖を誘導する方法論を確立することに成功されました。さらに、それら日本のボルボックスが2つの新種であることを明らかにされました。

国立環境研究所等で保存されているボルボックスの株に野崎先生の名前が付いているものも少なくありません。

 

ボルボックス/きらら舎

 

 

今回の内容

ボルボックスってどんな生物なのかその魅力をお話していただきました。
その前に「なぜ研究者になったのか」。

面白かったですね。ボクシングが好きで、レフリーの資格まで取得していて慶応ボクシング部の顧問時代の話はイメージと違っていたので驚きましたが、楽しそうでした。

「なぜボルボックスなのか」。

ボルボックスが好きで・・・という出発点でも、ボルボックスの進化の過程に興味があって・・・という理由でもありませんでした。単細胞生物を研究したかったけれど、当時、通っていた大学に電子顕微鏡がなく、電子顕微鏡がないと単細胞の研究は難しいと教授に言われてのボルボックス・・・・・。その結果、現在に至っているという、人生なんてそんなものなのかもしれません。

人生のターニングポイントって結構些細なことも多いのかもしれません。チャンスの神様には後ろ髪がないそうなので、わたしたちもしっかり捕まえていきたいですね。

午後3時半からのテストはばっちりだったのに、いざ、つなげようとしたら、iPadとプロジェクターがつながらないというハプニングが起こり、バタバタで失礼しました。

わたしも、いろいろ聞きたいことがあったのですが、バタバタのせいですっかり忘れてしまいました。

何名かの方に、採集のコツや培養について質問を預かっていたのですが、採集は、現地の人(上水所やダムの常勤者など)から、ボルが出た!という情報をもらって出動するようです。

それまではたくさんいたという先生の話で何度か行ってみた沼では昨年は一度もフェリシーを採集することはできませんでした。アフリカのビクトリア湖まで行ったけれどボルを捕まえることができなかったお話がありましたが、採集は空振りも多いのです。

先生のスライドでテキサス大学との交流がありました。

わたしはメインで培養しているのは V. aureusですが、V. carteri 株も長年所有していて、V. aureus の数倍V. carteri の培養が難しく、たくさんのバックアップと頻繁な植え継ぎで生き延びさせていましたが、何とかしたいと、テキサス大学から培地を買ったことがありました。

その時、生体もたくさん販売していて、その中には野崎先生のお名前が付いているものも多くありました。しかし、最近では販売をやめたようで、その話を野崎先生に話したら、

「培養は専門家に委ねないとだめなんだよ。」

と話されていました。テキサス大学は大学内で培養していた株を売っていたようですが、維持できなかったのですね。

ただ、ビタミン(特にB2)は必須だとのことです。以前、チオビタ入れるといい話を聴いたことがありますが、冗談じゃなかったんですね・・・・・

きらら舎では複合ビタミンを添加しています。

それから、きらら舎で販売している V. aureus は雌雄異体のホモタリックです。ホモタリックだからオスメスがそろっていて接合子ができていて、だめだと思っても復活するのかと思っていたのですが、そもそも強いという話もありました。

メチレンブルーで染色すると、細胞壁のようなものが見えるのです。だからなかなかつぶれないというお話でした。

あと、体細胞が残っていることについて質問を預かっていましたが、クラゲの育児嚢の断片も生きているかのように切断されても動いています。「ゾンビ・ボルボックスに生体エネルギー源であるATPを加えると、細胞は死んでいるが、鞭毛が再び運動を開始し、ボルボックスが泳ぎだす」という研究発表も以前ありました。体細胞が動いているのはそんな理由なのかもしれません(よく調べていないのでわかりませんが、次回、野崎先生に聞いてみましょう)。

後から、預かった質問は先生に送っておきます。

回答がありましたら、質問共、ここに加筆いたします。

 

ご参加くださいましたみなさま、ありがとうございました。

参加費は先生の講師代とお土産の日本酒に使わせていただきました。

野崎先生には、また来年、お話会していただこうかと思います。

 

2023年 5月6日 きらら舎 さとうかよこ

 

 

参加方法

(1) カフェ参加(きらら舎生物部員優先)

(2) リモート参加  >>ご予約

(1) はきらら舎生物部FaceBookグループで希望を募ります

 

 

 

リモート参加申し込みされると・・・・・

  1. ボルボックスが必要な方は4月30日(日)までに参加費用を振り込んでください(複数人で参加の場合も1台のPCなどでつなぐ場合は1名分でOKです。)
  2. ボルボックスは限定10名に試験管に入れたVolvox.aureusを送ります。ボルボックス不要の方は5月3日(水)中にご入金ください。
  3. 5月3日(水・祝)の 16:00から30分ほどプレ勉強会をzoomで行います
    zoomが初めての方はご都合がつけばご参加ください。
    また、参加を悩んでいる方もプレ勉強会には参加できるようにしました
    16:00~16:30
    Zoomミーティングに参加する
    https://us06web.zoom.us/j/86261219280?pwd=LzZiTStBMHlGK1VFMGNxUmRoeVAxZz09
    ミーティングID: 862 6121 9280
    パスコード: 712135
  4. 5月4日(木)までに野崎先生に質問したいことがあればこのページのコメント欄から送っておいてください(個人情報は書かないようにしてください)
  5. 5月5日(金・祝)17:00開始 17:45終了予定
  6. 一旦zoomは終了しますが、その後、18:30から呑み会会場にzoomをつなぎます(リモート呑み会のIDとPWは17:00からのzoomのチャットに記載します。
  7. 対応はきらら舎さとうかよこと生物部スタッフが行いますが、途中で水槽を映したり、店内をうろうろ中継したりします。お茶・お酒を用意して一緒に吞みながらお楽しみください。
  8. 呑み会中継は19:00終了予定です(が、だらだらとつないでいるかもしれません)。
  9. 皆さまのご参加、先生へのご質問、お待ちしております。