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ルーチカ
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ルーチカ手帖についてはルーチカのWEBサイトをご覧ください。


星巡りの手帖

東京の夜空は年々明るくなっているので、見える星の数はだんだん減っています。
天体に関する理科の授業は本や星座盤の上……よくてプラネタリウム。
それでも、夕刻、三日月に寄り添う金星や、木星、一等星の恒星などは見つけることができます。 流星群の極大の夜などは未練がましく屋上でグラス片手にでぶ猫と天体観測……。運がよければ一晩で10個くらいの流星を観ることができます。

明るい都会の夜空でも見つけられる星のめあてや、その星座にまつわるギリシア神話、 見えないけれど、季節の天の河の位置など。
残業の帰り道、ふと見上げた空に浮かぶ星の名前がわかるといいな、そんな初心者的星巡りのめあてを季節ごとにまとめました。

(掲載はルーチカ手帖6)

ルーチカ手帖6に掲載した「冬」の項目にふたご座とぎょしゃ座を追加して小さな豆本に仕上げました。


理科豆本シリーズ第3巻 /星巡りの手帖~冬~

1050円

在庫数  



【ペルセウス座流星群】7月20日~8月20日
ペルセウス座流星群2011年の極大は8月13日15時 。
極大が日本時間では昼なので、観望は12日の夜半から13日の明け方にかけて、あるいは13日の夜半から14日の明け方です。
今年は満月に近い明るい月が一晩中夜空を照らしているので、流星観察の条件としてはあまりよくありません。 通常、ペルセウス座流星群のピーク時には1時間あたり50個くらいの流星が見られますが、月明かりで見えない流星もたくさんあると 推測されるので、新月の時に比べれば見られる数は少ないと思いますが、 それでも明るい流星も多いので天気がよければぜひ観察してみてください。
放射点はペルセウス座のペルセウス王子が振りかざす長剣の柄のあたり。ペルセウス座は見つけにくいので、その左上にあるカシオペア座のW字を目印にするといいと思います(13日未明には北北東から上がり、北極星を反時計回りでまわるように動きます。カシオペア座はMの形で見えますので、この左から3番目と4番目、Mの谷間の星と右の低い山の上の星を結んだほぼ延長にペルセウス座流星群の放射点があります)。13日の0時頃はまだ放射点は低いのですが出現が多いかもしれないといわれています。 それから明け方にかけて放射点は北極星をまわるように高くなり、13日の3時23分に薄明が始まるので、これまでの間がチャンスです。
月明かりを背にして広い範囲で夜空を眺めるのがポイントです。
母天体は、太陽のまわりを約130年かけて回っているスイフト・タットル彗星(109P/Swift-Tuttle)です。

【10月りゅう座流星群】10月8日~9日
国際流星機構で「りゅう座流星群(学術名:Draconids)」とされていますが、母天体の名前をとって「ジャコビニ流星群(Giacobinids)」とも呼ばれています。1月と10月に観察できるので、区別して10月のほうは10月りゅう座流星群と呼びます。
母天体のジャコビニ・チンナー彗星の回帰を2012年にひかえているので、今年は活発な出現が期待されています。 対地速度が遅いのが特徴でふわっとゆっくり流れます。りゅう座の頭あたりが放射点で極大は東京で9日の2時53分。ただし満月直前の月が一晩中夜空にあるので観察にはあまりいい条件とはいえません。

【おうし座座流星群】11月上旬~中旬
放射点はプレアデス星団の近くで南群と北群の2つが出現します。
北群はおうし座のV字の右の線上で上のほう(プレアデス星団の近く)。南群はやはりV字の右の線上でVの谷に近いところ。
数は少ないのですが、期間が長く、明るいものが多いので、運がよければ火の玉のようなものを観ることができます。
極大はあまりはっきりわかっていないのですが、南群は4日で北群が13日頃と推測されています。

【しし座流星群】11月10日~11月23日
しし座流星群2011年の極大は11月18日12時 。
流星群は彗星が撒き散らしたチリの中を地球が通過する時に観られます。「○○座流星群」というのは その流星がしし座のγ星の方向から飛び出してくるように見えるものが多いということで、そう呼ばれています。しし座流星群の母彗星は テンペル・タットル彗星といいます。この軌道を地球が横切る時にチリの密度が高くなって極大となります。 特に、過去に彗星が回帰した時に撒き散らしたチリの密度が高いまま帯状に残っていることがあってダスト・トレイルと呼ばれています。 今年は極大が正午なので17日と18日の夜の2晩の観測が必要です。18日の月齢は22日。放射点のすぐ近くに下弦の月があって観測のじゃまになりそうです。

【ふたご座流星群】 12月7日~12月17日
極大:12月15日2時。
極大が深夜なので観察にはいいタイミングなのですが、この日は満月過ぎ下弦前の月がじゃまをします。14日の月の出は東京で午後8時04分なので、7時くらいから観測するのがいいかもしれません。
下の図は2010年12月15日午前零時のcafeSAYA上空。放射点の参考にしてください。ふたご座を探す場合は北東の低い処にある北斗七星を目印にします。ひしゃくが立っている向きなので、その尖端の星から真っ直ぐ天頂に視線を移動したあたり。金色銀色の星が2つ並んでいます。これがふたご座の兄星カストル(銀星)と弟星ポルックス(金星)。カストルのほうが白っぽく見え、この近くが放射点です。
ほとんどの流星群は、彗星の尾が軌道上に残したチリですが、ふたご座流星群は小惑星に起源を持ちます。ふたご座流星群は尾を見せない小惑星ファエトン(小惑星番号3200番)。
ふたご座流星群

【しぶんぎ座流星群】 1月3日~1月5日
極大:1月4日10時。
しぶんぎ座流星群は、8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群と並ぶ三大流星群のひとつです。 今年、予想されている極大は1月4日の10時ごろなので、この日の日の出前が観測に最適です。
流星の観測にじゃまな月もこの日は新月なのでチャンスです。
しぶんぎ(四分儀)座という星座は現在は存在せず、実際にはりゅう座ι(イオタ)星付近が放射点となります。
目印としてはこぐま座をみつけ、そこから水平に右に移動し、下にこと座のベガの明るい星がある上あたりです。 ただし、放射点をあまり気にせず、北東の空を中心に夜空を眺めているのがいいかと思います。