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夏期講習用のページです。カフェでのワークショップではアセチルコリンという薬品を使い、殺さずに放精・放卵をさせていますが、自宅で実験する場合には入手しやすい塩化カリウムで放精・放卵をさせます。

今回も、磯で採集したムラサキウニで自宅で実験をする場合のテキストなので塩化カリウムを使っています。

 

【ウニのシーズン】

ウニにはシーズンがあります。一年中、卵や精子を蓄えているわけではなく、ウニのよって一定の時期にだけ卵巣・精巣に卵と精子ができます。

わたしたちが食べているのは、卵巣・精巣の部分です。

一応、ここが充実する時期が食べても美味しい(身が詰まっている)時期なので、実験に適した時期とだいたい一致しています。

 

多くのウニは夏にシーズンを迎えます。

また、産地によって若干の違いもあります。

 

 

【ムラサキウニ】

今回実験に使うのはムラサキウニ。

濃い紫色で、長い棘が特徴です。

棘皮動物門
ウニ綱
真ウニ亜綱
ホンウニ目
ナガウニ科
ムラサキウニ属
ムラサキウニ

学名:Heliocidaris crassispina A. Agassiz, 1863

 

【ウニの発生】

受精した受精卵が卵割を繰り返し、受精膜を突き破って泳ぎだす孵化までを「発生」といいます。

 

【放精・放卵】

ウニが精子を放出することを放精、卵を出すことを放卵といいます。

飼育水槽の水換えをした時や、採取して輸送中に、放精・放卵する場合もありますが、実験に合わせて放精・放卵させるには薬が必要になります。

カフェのワークショップではアセチルコリンを注射して殺さないようにしていますが、試薬の入手が難しいと思いますので、おうちで実験する場合、薬は塩化カリウム(KCl)を使います。

塩化カリウム水溶液 0.5molを作ります。

 

モル計算

塩化カリウムの質量は、Kが39.10g、Clが35.45gなので合計して74.55gです。

1Lに74.55gを溶かした水溶液が1molです。

実験には0.5molをウニ1つに付き1ml程度必要になります。

50mlの精製水に1.86gを溶かしたものを使います。

 

予め、ウニの棘をハサミで短く切っておきます。

次に、ウニの口器を取ります。

真ん中に歯があり、その周りに柔らかい部分があるので、ここに先のとがったピンセットを挿して、ぐるっと回して抜き取ります。

口器は別名、アリストテレスのランタンと呼ばれています。

 

口器をはずしたら、中の水を振って出します。

シャーレに少量の海水を入れておきます。

ウニの口器をはずした部分から塩化カリウム0.5mol液を1ml入れ中、全体にいきわたるように少し回してから、シャーレの上に口器をはずした部分が上になるように置き、待ちます。

 

少しして、持ち上げてみて、白いものが出ていたら精子なので、このままにします。

黄色く、よくみると粒が見えるものは卵なので、ビーカーかフラスコに海水を満たして、口器をはずした部分が上になるように置きます。

ウニは口器とは反対側の中心に肛門があり、その周囲に5つの孔があります。

ここから精子や卵を放出します。

ビーカーに乗せたウニの放卵は5本の線になって見えます。

 

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

 

精子と卵をそれぞれ、観察・撮影してみましょう。

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

精子

動画でも残しておくとよいです。

 

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

 

卵(らん)は受精前のものを未受精卵、受精したものを受精卵と呼びます。

 

受精は、まず、顕微鏡の上で行います。

モバイル顕微鏡はアナトミーかユーグレナを使います。

慣れないうちは倍率が高いと扱いづらいので、アナトミーを使ってください。

まず未受精卵を入れ、そこに精子を海水で希釈し、爪楊枝の先につけて、未受精卵の入っている水滴の端っこに付けます。

やがて、精子の群れが押し寄せてきます。

この時に、精子の動きで卵が回ってしまう場合は精子の数が多すぎるという証拠です。

精子が多すぎると、うまく発生が進みません。

 

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

 

最初に精子が突入したところから受精膜があがり、他の精子が入れなくなります。

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

 

 

しばらくすると、受精卵は2つに分かれます。二細胞期です。

 

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

 

しばらくすると4つに分かれます。四細胞期です。

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

 

卵割はどんどん進んで、16、32・・・やがて桑実胚と呼ばれるような様子になります。

ちょうど桑の実(ラズベリーを思い浮かべていただけると近いです)に似ているのでこう呼ばれています。

くるくると回り始めて、やがて孵化します。

その後、原腸期となります。

まん丸だった形から少しおにぎりのような形に変化してきます。

尖がっていないほうから、原腸が貫入してきます。ここが肛門になります。

貫入した原腸は反対側に到達し、そこが口になります。

そしてプリズム幼生となります。

 

やがて腕になる骨が成長し、4腕プルテウスになります。

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

このあたりから餌であるキートセラスを与えます。

餌を食べたプルテウスは体の真ん中に茶色の丸が見えます。ここが胃です。

 

腕はやがて6本になります。

4腕のどの部分が5番目6番目の腕になるのかをよく観察してみましょう。

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

 

 

 

 

 

Categories: ワークショップ

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かよこ さとう ()

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