方解石劈開片
久しぶりに透明度の高い、きれいな方解石劈開片が届きました。
今年の夏休みには透明度の高い方解石はワークショップ用に細かくしてしまったのです。
でも、最近、あまりみかけなくなったので、みつけた時には仕入れておくことにしています。
今日は、夏休みにお話したことをいくつか、書いておきます。
これは劈開片。つまり結晶ではありません。
結晶や塊を割って、劈開に沿って割れたもの。蛍石を八面体に割るのと似ています。あれも蛍石劈開片です。
方解石は一つの角が75度。対角は105度に割れます。この角度は決まっているので、大きな劈開片を割っても同じ角度の「マッチ箱がつぶれたような形」の欠片ができます。
それから、方解石には複屈折という特性があります。
方解石以外に、硫黄、白鉛鉱、苦灰石でも見ることが出来ます。
偏光板のクロスニコル・オープンニコルの名前で有名なニコル W.Nicolは方解石片で、ニコル・プリズムを作りました。
それで、方解石の劈開片は Optical Calcite(オプティカル=光学的な)と呼ばれます。
一本の線の上に置くと、線が二本に見えます。
直進してきた太陽の光が、たとえば水に入ると屈折します。それと同様に方解石に入ると屈折するのですが、2つの方向にも分かれるのです。
方解石を線の上で回すと、二本の線の幅が変化します。
あと、透明度が高いので、内部のクラックにきれいな虹が見えます。