山奈は、日本や中国の香道や薬用に用いられる香料の一つです。特に、甘みとスパイシーさを併せ持つ香り が特徴で、お香の調合や漢方に活用されてきました。
1. 山奈の原料
山奈の主成分は、アルピニア(Alpinia officinarum) というショウガ科の植物の根茎です。
別名 高良姜(こうりょうきょう) や ガランガル(Galangal)とも呼ばれます。
インドや東南アジアでもスパイスや生薬として用いられています。
2. 香りの特徴
ピリッとしたスパイシーさ(ショウガに似た刺激)
甘みを含んだ温かい香り(シナモンやカルダモンにも似た甘さ)
ほのかなウッディさ(沈香や白檀と相性が良い)
この独特の香りが、お香の調合で香りのアクセントとして活かされます。
3. 香道やお香の用途
* 香道
日本の伝統的な香道では、山奈は「合香(ごうこう)」の一つとして調合されます。
香りに「温かみ」と「奥行き」を加える役割を持っています。
* お香調合
練香(ねりこう)や塗香(ずこう)に少量加えると、スパイシーで温かみのある香りが生まれます。
沈香や白檀と合わせることで、上品で深みのある香りになります。
*薬用
昔から漢方薬としても使われ、胃腸を温める 効果があるとされています。
ショウガに似た作用を持ち、血行促進や消化促進の働きがあると言われています。
4. お香調合での使い方
ワークショップでお香を調合する際に、山奈を活かすブレンド例です
① 温かみのある落ち着いた香り
山奈 + 白檀 + 桂皮(シナモン) + 龍脳
→ 甘さとスパイス感が絶妙に調和し、リラックスできる香り
② 深みのあるスパイシーな香り
山奈 + 沈香 + 丁子(クローブ) + 甘松(かんしょう)
→ 少し刺激のある、オリエンタルな印象の香り
③ フレッシュで爽やかな香り
山奈 + 零陵香 + 白檀 + かっ香(パチョリ)
→ スパイシーさの中にほんのり甘さを加え、爽やかさもある香り
5. 使い方のポイント
山奈は香りが強いため、少量ずつ試すのがコツ!
温かみやスパイス感を出したいときに加えると、香りに深みが増します。
白檀・沈香・零陵香と相性が良く、バランスを見ながら調合するとまとまりが出ます。
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