浮遊珪藻(キートセラス)の培養
ウニのプルテウス幼生の餌は浮遊珪藻(キートセラス)です。
ウニのほか、ヒトデやナマコの幼生の餌でもあります。ナメクジウオもこれで飼育することができます。

きらら舎ではキートセラス・グラシリスのお裾分け販売をしています。
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キートセラスの培養には「静置培養」と「拡大(通気)培養」という2種類があります。
研究機関ではシーズン以外は静置培養をして株を維持し、シーズンになると、大きな容器に株を移して、エアレーションで十分な二酸化炭素と酸素を供給し、さらに光合成を活発にさせるための照明をあてます。
静置培養は株の維持が目的ですが、毎日振って沈殿しっぱなしにならないようにする必要があり、さらに、静置培養期間でも一か月に一度は新しい培地に植え継ぎを行う必要があります。
きらら舎のお裾分けはポケット飼育フラスコ(250ml)1つで約30日給餌をする分です。濃度はかなり濃いのでこのまま静置培養はできません。冷蔵庫野菜室(4℃)で保管し、一日一回よく振って管理してください。
これを種にして拡大培養する際は到着したらすぐにセットしてください。種には2mlほどあれば足ります。
メタ珪酸ナトリウムのこと
メタ珪酸ナトリウム、あるいは珪酸ソーダ。これは珪藻の体を作る上で必要な成分です。しかし、海水に入れるとちょっと濁ります。
たとえば、水ガラス。これも同じ成分なので培養に使えます。粉状のメタ珪酸ナトリウムよりも溶けやすいかなあと思って、水ガラスで作ってみたことがあります。もちろん、水あめ状の水ガラスは水に良く溶けます。ケミカルガーデンなどでは同量の水に溶かしたりすることもありますが、きちんと溶けます。
ですので、キートの培養に必要な水ガラスなら、あっという間に溶けちゃうんです。しかし!!ここに少量の海水を入れてみると、一気に白濁します。
ですので、「溶け残り」・・・これは気にしないで大丈夫です!
原因は海水に含まれるカルシウムイオン(Ca²⁺)。これがNa₂SiO₃に反応して、不溶性の沈殿(白い粒)を作るのです。
新しくなりました!
以下は素人培養の楽ちん方法です。これでも結構いけます!
ただし、研究室などできちんとオートクレーブで滅菌したい方も、kw21を入れてからオートクレーブにかけないでください。kw21は熱で白濁します。完全滅菌したい場合はメンブランフィルター濾過を行ってください。
また、海水は沸騰させると変質します。80℃で20分と言われています。
【素人培養らくちん方法】
- 500mlのミネラルウォーターから200mlほどを抜いて300mlにし、海水の素7gを入れて溶かします。溶けたらこれにKW21 を0.2~0.3ml (0.3がMAX)入れます。よく振って溶かします。塩の溶け残りがなくなったら耳かき1杯ほどのメタ珪酸ナトリウム(20mg)を入れて溶かします(上記「メタ珪酸ナトリウムのこと」を参照)
- ここにキートセラス種株を2~3mlほど入れます(多ければ早く培養完了します)。
- ミネラルウォーターは国産軟水ミネラルウォーターを使います。
- 拡大培養の場合は、ペットボトルのキャップの真ん中にエアチューブが入る穴を開けます。穴はカッターやナイフの先でぐりぐり削ると開けられます。
- ここにエアチューブを通し、先端にエアストーンを付けてバブリングします。20~25℃(28℃くらいになっても大丈夫でした)で一日12時間以上LED照明をあててください。夜は照明を切っても大丈夫です。
- 急いでいる場合は、最初に入れる種株を少し多めに、照明時間を長めにしてください。
静置培養の場合は、直射日光が当たらない涼しくて明るい場所に置いて、一日1~2回、よく振って沈殿したままにならないようにします。
最初の種株の色を覚えておき、それと同じくらいの色になったら植え継ぎます(最初と同じことを行う)。kw21とメタ珪酸ナトリウムはたっぷり入れてありますので、何度も植え継げるはずです(人工海水の素はご購入下さい)。

現在、きらら舎ではアイスコーヒーくらいまで濃く培養できています。これがMAXギリギリだと思います。
培養キットには種はついていません
ウニの受精実験が重なったり、飼育ウニの放精・放卵が続いたりすると餌用の販売を休止しているので、その間に種用だけでも販売してほしいというリクエストがあったので、種の販売を開始しました。
kw21とメタ珪酸ナトリウムは、一般的には海水1LあたりKW21 は0.5ml(0.5~1.0ml)、メタ珪酸ナトリウムは 45mg(30~90mg)と言われています。
この範囲内で季節や環境に合わせて調整してみてください。
【完全培養キット】
届いたらそのまま培養できるものです。
- 培養ペットボトル
- エアレーション部品(チューブキャップ)
ご用意いただくものはエアポンプだけです。エアポンプから培養ボトルまでの長さが足りない場合はジョイントとチューブを買って継ぎ足してください。逆にチューブが長すぎる場合はカットしてください。
チューブは長め(1m)にしてありますので足りないということはないかと思いますが。
ポンプは、分岐を使ってもよいです。
【セット方法】
- 手をよく洗う
- 培養ペットボトルのキャップをはずし、チューブをペットボトルの下につく長さに調整してエアチューブを挿したキャップでペットボトルの口をしめる(写真4)
- LEDライト直下に置く(横からあててもOK)

写真1

写真2

写真3

写真4
最初はほぼ透明ですが、数日でほんのりと褐色になっていきます。
市販の十六茶や爽健美茶くらいの色になったら植え継ぎします。
完全培養キットで培養された後、人工海水に別売りの培養キット(kw21とメタ珪酸ナトリウム)を加えて、種を少量加えて植え継ぐことができます。
しかし、人工海水を作るのはメンドクサイ、培養キット買うなら完全培養キットのボトルだけ欲しい!という方のために、チューブなしのボトルだけ販売しています。
届きましたら、現在培養中のボトルを交換してください。
その際、チューブやキャップの裏側の汚れは丁寧に拭き取り、ストローは洗ってください。交換していただければなおよいです。
ここ数年のきらら舎でのキート培養状況
上記はきちんと数量を書いてありますが、実際には300mlも適当で7gも適当で、kw21もメタ珪酸ナトリウムの量も適当です。もちろん、大きくはずれることはありませんが。
ポイントは海水の素、溶け残りがないようにしっかり混ぜること(それでも前述のように不要性の白い粉は残ります)。22℃~28℃以内は厳守。太陽光は安定しないので、LED(水槽用の赤青白のライトをすべて点けています)で、 12時間以上の間照射。
たくさんの受精卵を配布しなければならない場合は、最初の種を多めにして3日くらいで濃くなるようにしています。
チューブ&キャップは使いまわし。汚くなったり、藍藻発生しそうになったら先を切ったり、新しいものに替えます。ストローは植え継ぎ時に交換。

そろそろ植え継ぎしないとまずい!これがアイスコーヒー色。
種を多めにして3日でここまでになりました。隣はPSBとユーグレナ。
