カミクラゲ

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カミクラゲ

ヒドロ虫綱
花クラゲ目
タマウミヒドラ科
カミクラゲ属
カミクラゲ S. saltator
学名:Spirocodon saltator
和名:カミクラゲ

 

カミクラゲは青森〜九州の日本沿岸に生息する日本固有種のクラゲの一種です。12月から5月にかけて、結構各地で採集することができます。

図鑑などでは太平洋岸湾内と書かれていますが、日本海でも採集できています。

たくさんの長い触手が髪の毛を連想させることからこの名がつけられました。

触手はいくつかの束になっていて、その束の根元には赤い眼点があり、そこで光を感じ取ることができます。

飼育下で受精卵は簡単に得ることができるのですが、それをポリプに変態させることができたという成功例は知られておらず、野外からもポリプの世代は未発見です。これだけ各地で毎年、たくさん採れるのに、本当に不思議なことです。

その原因はタマクラゲとムシロガイのような特定の他の生物と共生生活を営んでいる可能性が考えらるのですが、それにしても、カミクラゲが採集された付近に棲息する生物は研究されているはずなので、実は、ポリプは沖の深い所にいるのかな・・・とか考えています。

 

とりあえず、ポリプにできずとも、そのプラヌラは観察してみたくないですか?

 

カミクラゲはヒドロ虫綱に属するクラゲです。これに属するクラゲの多くは、光状態の変化(光刺激)が引き金となり、放卵・放精が誘起されます。きらら舎でもエダアシクラゲとカギノテクラゲで毎年、実験をしています。

光刺激を受けると、MIHという物質が放出され、卵巣内の一次卵母細胞に直接作用し、卵成熟を開始させ、卵成熟を完了した卵は卵巣上皮を破って海水中に放出されます。

光刺激に関しては、一部のエダアシクラゲを除き、多くは暗刺激で放精・放卵します。

カミクラゲでもこれを試してみようと思います。

 

明日到着予定なので、夕方に撮影して実験してみます。

Categories: 生物・植物室