ミズクラゲ実験

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クラゲを飼育し始めたのは、それほど昔のことではありません。

「ちょっとマニアックな生物飼育 きっかけ編」にも書きましたが、まずクラゲブームの余波が来た頃に、クラゲ水槽につけられて売られてたミズクラゲに出会いました。

子どもの頃に海水浴でミズクラゲを捕まえて、持って帰ろうと思ったのですが、あっという間に溶けてしまい、その時に民宿のおばちゃんに「クラゲは家では飼えないよ」といわれた言葉をずっと信じていたのです。

だから水槽の中をゆらゆら回るクラゲは魔法のようでした。

かなり欲しかったのですが、クラゲ水槽は高かった。そしてクラゲの寿命は短かった・・・・・。

 

それから何年か経って、ミズクラゲのポリプと出会うことになります。

今はもう廃業してしまいましたが、生物教材の会社が授業用に販売していたのです。

ここの方にはボルボックスの種株を売ってもらったり培養方法を教えていただいたり、いろいろとお世話になりました(廃業されたのはとても残念でなりません)。

実験で使ったミズクラゲのポリプをその後、ずっと飼育しています。

 

冬になるとストロビレーションさせてクラゲを出します。エフィラ、メタフィラ、稚クラゲと飼育をしていって、夏が来ると死んでしまいます。寿命は自然界では約1年。水槽の中では半年です。

 

 

 

 

こんなことを毎年繰り返して、少しづつ水槽内でも寿命を延ばすことができ、今年は夏を越すことができました。もうすぐ秋のお彼岸ですが、まだまだ元気で狭い水槽の中を水流に乗ってくるくると揺蕩っています。

 

ミズクラゲのポリプは分裂で殖えます。しかし、老化はするので、だんだんと元気なエフィラが生まれなくなるのだそうです。

 

そこで、クラゲの先生に、この季節ではもうプラヌラは採取できないだろうかとたずねてみました(新しいポリプを準備しようと思ったため)。

A.D.NÉELの納品やワークショップの際に、お台場でクラゲを採集し、あわよくばプラヌラを取れないかと思ったのです。

しかし、答えは限りなくNOに近いものでした。

 

「(ミズクラゲは)大体11月から12月に掛けてストロビして、3月から5月頃に成熟します、越年個体も居るようですので、ミズクラゲが見つかる事は有るかも知れませんが、プラヌラを保育している可能性は低いと思います。」

 

さらに、クラゲ先生は、わたしが飼育しているミズクラゲは7匹いるのだったら、もう少し大きくして成熟させればプラヌラを抱えるかもしれないというのです。日数の成熟以外に大きさも関係するらしいので、まずはもう少し大きくしなくてはいけないと。

このことは経験していて、餌を制限して大きさを調整していると、クラゲに流れる時間もゆっくりなのかもしれないと感じたことがありました。もちろん、元気を維持できるだけの給餌は必要ですが。

サイズが大きくなることと、成熟すること、寿命が減っていくことは比例しているのだと感じています。

 

しかし、うちのミズクラゲは同じポリプたち(無性生殖で殖えたので、もとは同じものの可能性が高い)なので、同じDNA。オスかメスかのどちらかです。有性生殖でプラヌラを抱えることはないでしょう。

しかし、クラゲ先生の家では時々水槽内にポリプができているのだそうです。

複数のクラゲを捕まえて、プラヌラを採取し、ブレンドしているからだそうです。

そこで、わたしは鬼ポリプの話をしました。

クラゲ研究で有名な柿沼先生の実験について書かれていた本か論文を読んだのです。

柿沼先生が、スライドガラスに固着させたポリプを並べると、DNAが同じポリプでは何も起こらないけれど、違うDNAのポリプを隣に置くと、鬼ポリプが出現して攻撃を始めたというのです。実際の写真も掲載されていました。

ミズクラゲのポリプは、他個体の認識が出来て、他個体を攻撃するという論文です。

だからプラヌラのブレンドなんて恐ろしいわけです。

受精卵からプラヌラ幼生になって、これが岩などに固着してポリプに変態します。ポリプになった時点で攻撃しあって全滅しちゃったら・・・・・。

 

クラゲ先生は「(柿沼先生の)実験の発表内容は間違いないと思うが実際にやってみるべきだ」といいました。

ああ、確かにそうです。しかし大切なポリプが攻撃しあって絶えてしまうことを恐れて、1水槽に1DNAを守っていたのです。

しかし、実際にクラゲ先生の水槽では雌雄が混ざって育っている。

やってみなければならない!!

 

・・・・・ということで、まず、違うDNAのミズクラゲのポリプをスライドがラスの上に固着させて、その後、それを並べて同じ容器に入れる・・・ということを実際にやってみようと思います。

サカサやタコと違って、常にクラゲを出すわけではないミズクラゲ。

冬以外は面白みがないので、生存維持の飼育しかしていませんでした。

いくつかポリプを集めて、まずは増やして、実験してみます。

 

そして、そのあと、もし、全滅しないで同じ水槽にいくつかのポリプが共存できるようになったら、ストロビレーションさせて、雌雄の混ざったクラゲを飼育してみたいと思います。

 

このことをきらら舎生物部のみなさまへも伝えるとともに、一緒に実験をしてくださる方を募ります。
実験は【実験の手順】の(6)からお願いすることになります。

違うDNAが混在している状態でポリプ維持ができていたら、そこから出たクラゲの飼育を生物部のみなさまに共有していただき、運よく雌雄混在していて、プラヌラを抱えるメスが出るかどうか、です。

 

【実験の手順】

  1. 一度にミズクラゲのポリプ(DNAが異なる個体)を集めるには購入という手段しかありませんでしたので、まず購入し、それぞれを殖やします。
  2. ある程度殖えたら、スライドガラスを投入します。
  3. スライドガラス上である程度殖えたら、同じ容器に入れます(別容器飼育も維持しておきます)。
  4. ここで、鬼ポリプの観察をしてみます。
  5. そのまま別DNAを維持できていたら(全滅しなければ)、冬にストロビレーションさせます。
  6. ここででたエフィラを配布します。

続きはまた、このノートに加筆していきます。

 

 

 

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