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ウニのプルテウス幼生の餌は浮遊珪藻(キートセラス)です。

ウニのほか、ヒトデやナマコの幼生の餌でもあります。ナメクジウオもこれで飼育することができます。

 

 

きらら舎ではキートセラス・グラシリスのお裾分け販売をしています。

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キートセラスの培養には「静置培養」と「拡大(通気)培養」という2種類があります。

研究機関ではシーズン以外は静置培養をして株を維持し、シーズンになると、大きな容器に株を移して、エアレーションで十分な二酸化炭素と酸素を供給し、さらに光合成を活発にさせるための照明をあてます。

 

静置培養は株の維持が目的ですが、毎日振って沈殿しっぱなしにならないようにする必要があり、さらに、静置培養期間でも一か月に一度は新しい培地に植え継ぎを行う必要があります。

 

きらら舎のお裾分けはポケット飼育フラスコ1つで約30日給餌をする分です。濃度はかなり濃いのでこのまま静置培養はできません。冷蔵庫で保管し、一日一回以上よく振って管理してください。

これを種にして拡大培養する際は到着したらすぐにセットしてください。種には5mlほどあれば足ります。

 

 

 

新しくなりました!

以下は素人培養の楽ちん方法です。これでも結構いけます!

ただし、研究室などできちんとオートクレーブで滅菌したい方も、メタ珪酸ナトリウムを入れてからオートクレーブにかけないでください。メタ珪酸ナトリウムは熱で白濁します。メタ珪酸ナトリウムも完全滅菌したい場合はメンブランフィルター濾過を行ってください。

また、海水は沸騰させると変質します。80℃で20分と言われています。

 

【素人培養らくちん方法】

  1. 500mlのミネラルウォーターから200mlほどを抜いて300mlにし、コーヒーマドラーすりきり1杯ほどのメタ珪酸ナトリウム(もっと少なくても大丈夫でした)を入れて溶かします
  2. 海水の素7gを入れて溶かします。溶けたらこれにKW21 を0.3ml 入れます。
  3. ここにキートセラス種株を5mlほど入れます。
  4. ミネラルウォーターは国産軟水ミネラルウォーターを使います。
  5. 拡大培養の場合は、ペットボトルのキャップの真ん中にエアチューブが入る穴を開けます。穴はカッターやナイフの先でぐりぐり削ると開けられます。
  6. ここにエアチューブを通し、先端にエアストーンを付けてバブリングします。20~25℃(28℃くらいになっても大丈夫でした)で一日12時間以上LED照明をあててください。夜は照明を切っても大丈夫です。
  7. 急いでいる場合は、最初に入れる種株を少し多めにしてください。

静置培養の場合は、直射日光が当たらない涼しくて明るい場所に置いて、一日1~2回、よく振って沈殿したままにならないようにします。

最初の種株の色(目安は市販の十六茶や爽健美茶くらい)を覚えておき、それと同じくらいの色になったら植え継ぎます(最初と同じことを行う)。kw21とメタ珪酸ナトリウムはたっぷり入れてありますので、何度も植え継げるはずです(人工海水の素はご購入下さい)。

現在、きらら舎ではアイスコーヒーくらいまで濃く培養できています。これがMAXギリギリだと思います。

 

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kw21とメタ珪酸ナトリウムは、一般的には海水1LあたりKW21 は0.5ml(0.5~1.0ml)、メタ珪酸ナトリウムは 45mg(30~90mg)と言われています。

この範囲内で季節や環境に合わせて調整してみてください。

 

【完全培養キット】

届いたらそのまま培養できるものです。

  • 培養ペットボトル
  • エアレーション部品(チューブキャップ)
  • kw21
  • メタ珪酸ナトリウム
  • マドラー

 

ご用意いただくものはエアポンプだけです。エアポンプから培養ボトルまでの長さが足りない場合はジョイントとチューブを買って継ぎ足してください。逆にチューブが長すぎる場合はカットしてください。

チューブは長め(1m)にしてありますので足りないということはないかと思いますが。

ポンプは、分岐を使ってもよいです。

 

【セット方法】

  1. 手をよく洗う
  2. 培養ペットボトルのキャップをはずし、チューブをペットボトルの下につく長さに調整してエアチューブを挿したキャップでペットボトルの口をしめる(写真4)
  3. LEDライト直下に置く(横からあててもOK)

 

キートセラス培養/きらら舎

写真1

 

 

キートセラス培養/きらら舎

写真2

キートセラス培養/きらら舎

写真3

キートセラス培養/きらら舎

写真4

 

最初はほぼ透明ですが、数日でほんのりと褐色になっていきます。

市販の十六茶や爽健美茶くらいの色になったら植え継ぎします。

 

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ここ数年のきらら舎でのキート培養状況

上記はきちんと数量を書いてありますが、実際には300mlも適当で7gも適当で、kw21もメタ珪酸ナトリウムの量も適当です。もちろん、大きくはずれることはありませんが。

ポイントは海水の素、メタ珪酸ナトリウムを溶け残りがないよにしっかり混ぜること。20℃~28℃以内は厳守。太陽光は安定しないので、LED(水槽用の赤青白のライトをすべて点けています)で、 12時間以上の間照射。

たくさんの受精卵を配布しなければならない場合は、最初の種を多めにして3日くらいで濃くなるようにしています。

チューブ&キャップは使いまわし。汚くなったり、藍藻発生しそうになったら先を切ったり、新しいものに替えます。ストローは植え継ぎ時に交換。

 

キートセラス/きらら舎

そろそろ植え継ぎしないとまずい!これがアイスコーヒー色。

種を多めにして3日でここまでになりました。隣はPSBとユーグレナ。

Categories: 生物・植物室

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かよこ さとう ()

Website: https://kirara-sha.com/

4 Replies to “浮遊珪藻(キートセラス)の培養”

  1. はじめまして。
    キートセラスを購入したいのですが、
    再販はありますか?
    あるとしたら、いつ頃になりますか?
    ちなみにキートセラスは培養できるんでしょうか?
    質問ばかりでゴメンナサイ。

  2. はじめまして。

    淡水二枚貝(ドブガイ、イシガイ等)
    の長期飼育を目指しているアクアリストです。

    質問なのですが、
    これら淡水二枚貝の餌にも良いでしょうか?
    およその給餌量はどのくらいでしょうか?
    培養液を直接給餌しても、水質に問題はありませんか?

    購入させて頂く時は、こちらの完全培養キットと、種株でよろしいですか?

    どうぞ、よろしくお願い致します🤲

    1. きーとんさん

      お問合せありがとうございます。
      わたしは、キートセラスをウニのプルテウスやナメクジウオの餌。時々生まれるゾエアに与えています。
      ゾエアには有効なのかわからないままにやっていますが。
      基本的に文系人間の素人培養なので、ロットによっては藍藻などのコンタミがあるかもしれません。
      藍藻のコンタミは抗生物質でブロックできるのですが、微量なので(そして与える分=飼育水に入る分も微量なので)気にしていませんし、今のところ問題はありません。
      先日イタヤガイを飼育されている方が、キートをご購入にいらっしゃったので、二枚貝の飼育にも有効なのかもしれません。
      しかし、わたしは二枚貝に給餌したことはないので、わかりません。
      プルテウスに与える場合は300~500mlの飼育水に対して2滴程度です。キートセラス自体生きているので水質をひどく悪化させることはありませんが、与えすぎで水が着色するくらいになるとよくないと思います。
      完全培養キットはそれだけで培養が始められます(種入りです)。
      ただし、それでも結構めんどくさいのと、うまく培養できないこともあるみたいで、多くの方は48ml(¥330)の餌用を定期的に購入される場合が多いです。

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