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ステルクララという空想のパラレルワールドにある球体研究所。
ここでは所長のヴォーレンダング氏が、世界中の成分をマーブル化する研究をしています。
写真はまた、新しく商品をセットできたら撮影します。

AUTUMN TREE
ステルクララにある球体研究所の前には大きなプラタナスの樹が、研究所の窓に心地よい葉陰を落としています。
秋になると陽の当たる部分から、暖かい色に染まっていき、やがてブローチのような実を付けます。
今年もそんな季節がやってきたようです。
ヴォーレンダング氏は研究所の二階の窓から身を乗り出し、特別な収集網を振り回し、プラタナスの色づいた葉やとげとげの実や、やがて訪れる冬に備えて緊張気味の細い枝の周りに踊る色や光を集めました。
時折、窓の下を子供が通ると、わざと網で実をはたき落としてみせます。
突然振ってきた実に子供たちは驚き、落ちた実を拾って歓声を上げます。
宇宙で仕事をしていた時は地球との交信以外、ずっと独りで、誰かと話すこともなかったので、 子供たちの笑い声は、不思議な音楽のように、ヴォーレンダング氏の耳に響きました。
こうして、採集壜いっぱいに集めたところで、マーブル化させます。
鮮やかなオレンジの筋は紅葉の色。
ちょっと黒っぽい筋は実か枝の色です。
ただ、実を落として遊んだり、鳥たちが枝で休もうとやってきた時はかなり遠慮しながらの収集だったせいか、 たくさんの秋の透明な空気も取り込んでしまったようです。

About the Author

かよこ さとう ()

Website: https://kirara-sha.com/

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