CHAPTER➌ P.130
落花生人、きたる!【落花生の人形づくり】
落花生(オオマサリネオ)は、今年も播種完了しました。
この落花生、実がなる所をぜひ観察していただきたい植物の一つで、本に掲載しました・・・・・が! メインは落花生人になってしまいました。
スタジオ・ポーキュパイン川嶋さんの
「落花生人形を作るのだ!」
という一言から、落花生人形を作ることになりました(笑)。
もちろん、観察日記や実の成り方もちゃんと説明していますが、メイン写真は落花生人!
落花星からやってきた小劇団的のイメージです。ロケットは夜の森に着陸して、早速、舞台のリハーサルを行っています。
落花生人。大勢作ると楽しいですよ。本当はシマエナガも作ってみたりしました。
シマエナガリースはカフェの13:00と15:00の回でキットご購入で作れるように準備しています(7月29日くらいから)
栽培についてはきらら舎一号館のノートをご参照ください。 >>落花生
以下、フォローページとして落花生について掲載しなかった分を記録しておきます。
夏休みの自由研究などにも栽培ページと合わせてご利用ください。
本書お買い上げの方はフォローページにて自由研究のサポートを行います。ご質問などあれば、コメント欄にお書きください(個人情報は書かないようにしてください。個人情報が必要な場合はLINEなどへ、やりとりご案内いたします)。
落花生
マメ目
マメ科
ラッカセイ属
ラッカセイ
学名:Arachis hypogaea
スーパーマーケットで殻付きの落花生が売られていました。
ピーナッツがそれほど好きというわけでもなかったのですが、殻付きの姿が可愛らしく、わざわざ殻をむきながら食べるという行為も楽しそうなので買って帰ってきました。
真ん中が凹んでいるので箸置きにもなりそうだと考えながら食べました。
硬い殻には凸凹した網目模様が走っていて、なんとも素敵なデザインです。中の薄い皮も茶色も素敵な色・・・・・。その時に、以前、この豆をドーハッセンと呼んでいた人のことを思い出しました。そこでまずはどんな呼び名があるかを調べてみました。
名前
ピーナッツは、英語の名前です。
日本では落花生。
しかし、地域によっていろいろな呼び名がつけられていました。このような呼び名を地方名といいます。
沖縄:地豆(ぢまめ、ジーマーミ)、唐人豆(とうじんまめ)、異人豆(いじんまめ)
鹿児島県:だっきしょ(落花生)、ドーハッセン
長崎県:ローハッセン(落花生)
その他各地:南京豆(なんきんまめ)
落花生という名前の由来
そもそも、「落花生」という名前もよく考えるとなんとも奇妙です。その由来を調べてみました。
落花生は、夏に黄色の花を咲かせます。
早朝に開いた花は夕方にはしぼみ、子房柄(しぼうへい)という茎を地面へ向かって数日かけて伸ばします。
子房柄は地中に潜り込んで実をつけます。
花が受粉後落ち、地中で実ができることから「落花生」と名付けられました。
このように地中で実ができることを「地下結実性」といいます。
本にはそのイラストも描いておきました。
落花生はなぜ土の中に種を作るのか
植物は子孫を残すために、種をできるだけ遠くへ分布させる工夫をしています。
しかし、落花生は土の中に種を作ります。これでは、虫も鳥も種を食べる(消化されずに運ばれた先で、糞と一緒に排出される)ことができません。それなのに、なぜ土の中に作るのかが疑問でした。
その答えは落花生の原産地の環境と関係がありました。
原産地はアンデス山脈のふもとの乾燥地帯です。ここでは時々まとまった大雨が降ります。
大雨が降ると、濁流が発生して土をえぐり、落花生も流されるのです。落花生の莢(さや)は、皮が固いので濁流に飲み込まれたくらいでつぶれることはありません。また、中が空洞で空気を含むため、水に浮かんで流れて遠くまで運ばれるのです。
栽培してみましょう
落花生の名前の由来はわかりました。でも、どうやって土に潜っていくのか、実際に見てみたいと思い、種を植えて栽培して確認してみることにしました。
栽培方法は本書に掲載しましたのでご覧ください。本の発売前に栽培を始めたい!という方は、きらら舎の落花生栽培のページをご参照ください。
【開花】
夏に、蝶のような形をした、黄色い花を咲かせます。早朝咲いた花は、夕方にはしぼんでしまいます。花がしぼんだ後、子房が伸び始め(子房柄)、数日かけて土に潜ります。
時々、これがプランターの外に出てしまっていることがあるので、みつけたら、ちゃんと土に潜れるように先を土の上に置いてあげましょう。
どうやって潜っていくのかをしっかり観察しましょう。
【花の観察】
落花生の花をよく観察してみましょう。気づいたことはありますか?
実は花粉がないのです。
マメ科の栽培植物の多くは昆虫の媒介なしに受粉することができます。
花が開く前に受粉が済んでいるのです。これを自動自家受粉といいます。
【収獲】
種蒔きから2ケ月半くらい経ったら、地中に伸びた子房柄の先を2~3個、そっと掘ってみます。
ほぼ網目模様ができていたら収獲です。引っこ抜きます!
ただし、土が硬くなっていて子房柄が切れてしまうようであれば、丁寧に全体を鉢から抜き、新聞紙の上などに広げます。
莢を観察してみましょう
落花生の莢の表面にはでこぼこした網目模様があります。なぜでしょう?
これは、これは地上から栄養や水分を送るための管です。莢自体も地中でカルシウムなどの土の養分を吸収しています。
【食べ方/塩ゆで】
収獲した日に塩ゆでをして食べるのが一番美味しいと言われています。自分で栽培したからこそ、収獲したてを食べることができます。
- 収獲したら新鮮なうちにゆでる。泥がついている場合は、よく洗う。
- 水1リットルに対して、塩大さじ2を目安にゆでる。塩分濃度では3~4%。
- ゆで時間の目安は20~30分。落花生が浮いてくるので落しブタをする。
- 大きさによってもゆで時間が変わるので、落花生の香りがしてきたら、1つ食べてみて、まだ硬いようであればもう少し火にかけるなど調整して、できあがり。
- ざるにあけて湯をきる
- 保存したい場合は、粗熱が取れたらフリーザーバッグに入れて冷凍する
【食べ方/炒り落花生】
ステンレスか鉄鍋で乾煎りします。
フッ素コーティングの鍋を長時間乾煎りすると、フッ素加工樹脂がはがれたり有害物質が発生する恐れがあります。
ヘラで混ぜながら弱火で約30分煎ります。
【食べ方/ピーナッツバター】
ただ、フードプロセッサーにかけるだけです(笑)
砂糖や塩など、お好みで入れてください。
作っておくと、胡麻和えの代わりのピーナツ和えにしたり、お菓子に入れたり重宝します。
本をご購入いただいた方とのサテライトカフェについて
ご用意いただくもの・・・本をご参照ください。
本には書かなかったけれど、発泡スチロールの板とかダイソーで売ってる塗装したものを挿しておける段ボールなどがあると便利です。
自由研究にするには、落花生の栽培も添えると充実しますので、ぜひ栽培もしてみてください。
その際に、花が咲いたら「花粉がない」ことを確認(観察・撮影)。子房柄が土の中に潜るのを観察(撮影)しましょう。
栽培写真日記を冊子や大きな紙にまとめて、落花生人形を添えて、楽しい自由研究にしましょう。
大人は、栽培と収獲を楽しみ、落花生人形を作ってリースにつけたり、玄関に飾ってみてください。季節によって背景を替えてみるのも楽しいです。
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