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ケヤリムシ目 Sabellida
和名:ケヤリムシ(毛槍虫)
英名:feather duster worm

 

ケヤリムシ/きらら舎

♦ ケヤリムシ

ふわっと広げた部分がイソギンチャクにも似ていますが、ゴカイの仲間。

ケヤリムシの由来は大名行列の毛槍に似ているため。

大名行列の毛槍は、槍の先に毛を付けたもので、『大原女・国入奴』の奴が大名行列の国入りの様を見せる時に使ったものです。奴は大名行列の先頭に立って、毛槍をくるくる回して毛をぱっと綺麗に広げたり、突き上げて掲げたり、下げたりして 威厳のある大名行列の先触れになっていました。

ケヤリムシは泥を分泌物で固めて作った巣(棲管)に住み、退化した前口葉が口節と癒合して発達した「鰓冠」と呼ばれる多数の触手を持ちます。これが毛槍の先っちょにそっくりなのです。

これを拡げて、呼吸をし、餌を捕らえて、付け根にある口吻で濾過摂食します。

臆病で、すぐに一瞬で棲管に引っ込めてしまいますが、しばらくすると、ふわ~~っとこっそり出てきます。

「定在目(Sedentaria)」と分類されたこともありますが、棲管を出て移動することもできます。

大きなストレスを与えると自切してしまいます。しかし、生きていれば再生します。

ケヤリムシは棲管の硬さで大きく2種類に分けられています。硬いものを特にハードチューブと呼びます。今回入荷したものはソフトチューブ。ソフトチューブは特に「ソフト」とか呼ばずに、そのまま「ケヤリムシ」「ケヤリ」と呼ばれます。

 

 

♦ 飼育

前述のようにストレスで自切するので、到着から数日は水槽で様子を見てからアップしています。水流はなくても餌が食べられないけれど、強すぎるのも嫌いです。

今回は外部濾過からの水が落ちる先なので、結構水流はあるところですが、鰓冠を大きく拡げているので、そこが気に入ったようです。

水質や比重もあまり気にしなくてOKで、サンゴのように照明も不要です。

餌はきらら舎では適当なので、他の生物用に投入しているブラインやキートセラスを食べていると思われますが、そういうものがなければサンゴ用の液体フードを週に一度くらいスポイトでふりかけてみてください。

ケヤリムシ/きらら舎

♦ 放浪中ケヤリ

時々、棲管から出て、水槽の中をうろついていることがあります。気に入った場所を見つけることができればそこに再度巣(棲管)を作ります。

ハードチューブの場合はカルシウムリアクターを入れてあげると、巣の再生を早くすることができます。

 

♦ 死んでしもたん?

鰓冠をひっこめたまま何日も経過していると、死んでしまったのかとも思いますが、結構生きている場合が多いです。さきっちょを少し切って(中にいる本体を傷つけないように注意しながら)数日すると、復活することも多くあります。

ケヤリムシ/きらら舎

Categories: 生物・植物室

About the Author

かよこ さとう ()

Website: https://kirara-sha.com/

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