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自由研究用には別途ページを作っています。

 

>> 自由研究サポート/藍染め

 

 

 

 

藍は、タデ科の植物で蓼藍ともよばれ、生薬名は藍葉、藍実です。

原産はインドシナ南部ですが、日本にも飛鳥時代に中国から渡来し、染色や薬用として広く栽培されてきました。

 

 

ワークショップ参加者にはタデアイを鉢ごと差し上げますので、ワークショップ後の栽培についてはこのページ末をご参照ください。

キットでも販売しています >>叩き染めキット ご注文

 

 

 

 

 

 

【藍染め】

「ジャパンブルー」という言葉があります。明治8年に来日した英国の化学者アトキンソンが日本の藍染めの色に名付けた色名です。

 

紅茶やコーヒーでレースなどを染めたことがある方はご存知かと思いますが、染め物には色素とそれを定着させる剤が必要です。他の染料植物では乾燥して煎じ出して染め、灰汁や鉄汁、銅汁などで媒染します。しかし藍染の場合、色素であるインジゴは水に溶けません。水に溶けないということは繊維を染めることはできないということです。

 

 

まず、生きた藍の葉にはインジゴは含まれていないのです。含まれているのはインジカンという無色の物質です。インジカン(C14H17NO6)が酵素によってインドキシル(C8H7NO)という物質に変化します(※)。インドキシルはとても酸化しやすく、どんどん酸化してインジゴ(C16H10N2O2)になります。

 

※ インドキシルに変化する=正確にはインドキシルとグルコースに分解される

 

 

 

大量に染める場合は、 葉を乾燥させて葉藍を作ります。

乾燥させた葉藍に含まれるインジカンは、(インドキシルを経て)酸化によりインジコとなっています。これを水かけ発酵(腐らせていく作業)させて、染料の蒅(すくも)にします。

 

【蒅づくりの詳細な手順】

乾燥させた葉を、粉のように細かくして、水はけの良い土間に積み、水を打ち、ムシロを被せて寝かせ、何日かしたらムシロを剥いで切り返し、また水を打ち寝かせ、約100日の間にそれを17回以上繰り返して出来上がったものが「蒅」です。藍草の葉を、堆肥状にしたものと言えます。

 

この蒅を壜に入れ、アルカリ性の水溶液に溶かし、微生物の働きによりインジコをロイコ体インジコへと還元させます。

溶けているロイコ体のインジコを、繊維に吸着させた(染めた)後、空気中の酸素と結合(酸化)させることで青色に染色させることができるのです。

これを藍建てといいます。

 

 

 

【タデアイの叩き染めワークショップ】¥2200(税込)

 

参加された方(またはキットご購入された方)へは苗を1株、お渡しします(お持ち帰りいただけます。栽培方法はページの末にあります)。

 

予め、白い布モノ(ブラウス、Tシャツ、トートバッグ、ハンカチ、布)をご持参ください。叩き染めでは木綿がきれいに仕上がりやすいようです。絹のほうが色は濃く染まります。

 

新品のものは一度洗って糊を落としてください。アイロンをかけてしわのないようにしておくとよいです。

 

 

  1. マットの上に下うつりしないように下敷きを敷き、染めるモノを置きます。Tシャツなどの場合は、染める布の下に(つまりTシャツの中に)下敷き(クリアファイル)を入れます。
  2. 使いたい葉を切って、配置します。ご自分の苗なので何枚使ってもよいですが、後日、再チャレンジできるように、まずは1枚だけで試してみるとよいと思います。
  3. 配置したら上から透明テープをはって押さえ、上からハンマーで叩きます。
  4. 強くたたいて潰して形が崩れるより、あまり力を入れずに繊維をつぶしていくほうがきれいです。
  5. 慣れてきたら、葉を白い布で上下はさむと同時に2枚(2か所)染めることができます。
  6. 裏から見て、ちゃんと染まったか確認し、薄い部分をもう少し叩いてみましょう。
  7. ワークショップでは、このままお持ち帰りいただきます。

 

 

その後、ご自宅で(キットご購入された方は30分後くらい)・・・

  1. テープを剥がしてごしごしと水洗いしてください。
  2. 少し石けんをつけるとよいです(少しでいいです)。

 

 

葉っぱの色がうつった直後は緑色をしています。

洗うと葉っぱのカスや浸み込んでいた液が出ます。少しだけ石けんを付けて、ごしごしと洗うと、蛍光色の緑色の泡が出ます。

30秒くらいごしごししてから水でサッと流してください。

 

染まった部分は葉の中にあるインジカンという成分です。もともとは無色ですが、葉が傷ついたり枯れるとインジゴという青い色素に変化します。

 

過程としては、

インジカン(無色)が酵素と出合って分解されて インドキシル(無色)になる

これが酸化されてインジゴ(青色)になる

 

タデアイ叩き染め/きらら舎

タデアイ叩き染め/きらら舎

 

 

 

ジーンズなどのインディゴブルー・・・・のインディゴ(インジゴ)ですね。

 

前述の藍染め(藍建)では蒅というものが必要でしたが、生の葉を使うことで、インドキシルの状態のまま布に移し(染め)、空気で酸化させてインジゴに変化させることができるのです。

 

 

【タデアイの叩き染めキット】¥1500(税込1650)

 

>>ご注文

 

  • タデアイ 抜き苗(根付き)3本
  • ハンマー
  • クリアファイル
  • 透明テープ一巻き

 

 

(1)

新聞紙やマットを敷きます。マットが柔らかすぎる場合は厚紙をのせます
ゴムハンマーの場合はなくてもよいです。

 

タデアイ叩き染め/きらら舎

 

 

(2)

葉を摘みます

 

タデアイ叩き染め/きらら舎

 

 

(3)

下にクリアファイルを敷きます。Tシャツやトードバッグの場合は間にはさみます。

 

タデアイ叩き染め/きらら舎

 

 

(4)

葉を配置します

 

タデアイ叩き染め/きらら舎

 

 

(5)

テープで留めます(葉がはみでないようにします)

 

タデアイ叩き染め/きらら舎

 

 

(6)

叩きます。角を使うといいです。木槌もよいです。足のつぼ押しの棒なども使えます。

 

タデアイ叩き染め/きらら舎

 

 

(7)

繊維に染み込んでいるのはなんとなくわかります。

 

タデアイ叩き染め/きらら舎

 

 

(8)

裏から見てみます

 

タデアイ叩き染め/きらら舎

 

 

(9)

薄いところは再度叩いたり、爪でごしごししちゃったりします。

 

タデアイ叩き染め/きらら舎

 

 

(10)

叩き終わり

 

タデアイ叩き染め/きらら舎

 

 

(11)

30分くらいたったらテープをはがします

 

タデアイ叩き染め/きらら舎

 

 

(12)

せっけんを付けてあらい、よくすすぎます。

 

タデアイ叩き染め/きらら舎

 

 

(13)

日陰干しで乾燥させます。

 

タデアイ叩き染め/きらら舎

 

 

タデアイは水耕栽培でも、土に植えてもかまいません。

育て方はこのページの下のほうに書いてあります。

 

 

【タデアイの生葉染めワークショップ】

5~7月は理科室カフェ「植物の化学」の中で、叩き染めをします。

8月は生葉染めに挑戦します。

ワークショップでは生葉をミキサーにかけたもので染めます。

 

タデアイ生葉染め/きらら舎

種取り用の株を残して、葉を収穫しました

タデアイ生葉染め/きらら舎

 

タデアイ生葉染め/きらら舎

葉っぱの部分だけを取っていきます

タデアイ生葉染め/きらら舎

夏の暑さで葉焼けしてしまっている部分もありますが、このくらいならよしとしましょう

 

タデアイ生葉染め/きらら舎

ミキサーにセット

 

タデアイ生葉染め/きらら舎

水を加えます

タデアイ生葉染め/きらら舎

ギュイーン!

タデアイ生葉染め/きらら舎

濾します

タデアイ生葉染め/きらら舎

ジップロックに入れてもみもみ

タデアイ生葉染め/きらら舎

バットに出して空気に触れさせます

 

 

 

 

タデアイ生葉染め/きらら舎

30分以上経ってから水で数回すすいで、陰干しして完成!

きれいな白藍色(しらあい)に染まりました。

 

今回は安い中国産のシフォンストールで実験しましたが、次回は毛糸やブラウスを染めてみたいと思います。

【シーズンオフのタデアイの生葉染め】

タデアイの葉は枯れると葉の組織が破壊されて、含まれるインジカンは酵素に触れてインドキシルとなり、酸化してインジゴに変化してしまいます。しかし生葉を電子レンジで乾燥させるともともと生葉に含まれていたインジカンの90~93%が保持できます。

(電子レンジは水分子に直接働きかけるので、葉の組織が壊される前に水分が蒸発して、熱に弱い酵素のみを失活させて、熱に強いインジカンを残したまま乾燥できたためである。高木 豊「藍の生葉染め基礎知識入門」、染織α No182、18-23(1996))

 

しかし、インジカンがインドキシルになるためには酵素が必要です。

電子レンジ乾燥葉の中には酵素は無くなっています。

そこで、自然に枯れた葉の中の酵素を加えて染料とします。

参考資料:川崎充代、牛田智 「いつでもできる藍の生葉染め-藍の生葉の保存と染色方法」染織αNo246、p69-72 (2001)<2001年9月号>
牛田智、川崎充代 「インジカンを保持した状態での藍の葉の保存とその染色への利用」
日本家政学会誌、52巻、1号、p75-79(2001)

 

 

叩き染めは叩くことで布に移していきましたが、生葉染めでは浸けるだけなので、染める繊維の分子が、絹、羊毛などのように電気を帯びていることが必要です。木綿や麻などは電気が少ないのであまりよく染まりません。

生葉染めでは絹を使います。

木綿や麻を生葉染めしたい場合は薄めた豆乳や牛乳でタンパク質を予め染み込ませるとよいです(呉汁染め)。

 

藍染めの仕組みや歴史を調べてまとめれば、夏休みの自由研究にもぴったりです(サポート付です)。

>>詳しくは「きらら舎の2021夏期講習」をご参照ください。

 

そのまま乾かせば(空気中の酸素によって)青く変色するのですが、わざと「オキシドール」「レモン」「酢」を使って酸化させてみたらどうなるんだろう・・・・

なんて、いろいろ試してみましょう!

 

【タデアイの栽培】

5~7月のワークショップ(キットでは根付きの抜き苗)ではタデアイを鉢ごと差し上げます。

採りたての葉っぱで叩き染めを行うためです。

また、そのまま栽培していただき、夏の間も染めを楽しんでください。

★ 水やり

土の表面が乾いたらたっぷりと水をやります。6月中下旬から勢いよく成長し、同時に根張りもよくなります。湿気を好むので水切れを起こさないように注意しましょう。

 

★ 肥料

9月に入ったら液肥を所定の倍率に希釈して2週間に1回程度施します。

 

★ 置き場所

日当たりのよい場所を好む植物です。日当たりが悪いと徒長して、風で倒れてしまうこともあります。

 

★ 種の採取

染めに使う場合は花が咲く前に葉っぱを刈ります。

8月中旬から10月中旬くらいが開花期です。一年草なので、秋にタネがこぼれる前に種を採取しておきましょう。

 

 

 

 

タデアイ生葉染め/きらら舎

タデアイの花

 

 

★ 種蒔き

3月の大安に蒔くとよいとされていますが発芽適温は18~25℃なので、最高気温が18℃を超えてきたら蒔く・・・という目安がいいと思います。

個人的にはソメイヨシノが満開になった時がベストだと感じています。

種は3月頃に販売します。

 

【生葉染めセット】

インジカンを残してレンチン乾燥させた乾燥葉と自然乾燥させた葉とコーヒーフィルターのセットです。

オプションでシフォンのストールもつけられます。

 

  1. 500mlの水を鍋に入れてわかし、80℃~90℃になったら(湯気が立ち始めたら)そ電子レンジ乾燥葉パック(6g入)を入れ、5分から10分煮出す。
  2. 抽出液を30℃程度にまで冷ます。
  3. その間に自然乾燥葉1gを、手で揉んで粉々にし、充分にさめた電子レンジ乾燥葉抽出液に入れ、1時間ほど置く。
  4. コーヒーフィルターで漉し、絹のハンカチなどを入れ、軽くかきまぜながら、好みの色になるまで染色する。
  5. 充分に空気酸化してから、中性洗剤で洗って、その後水洗いをして干す。

 

Categories: きらら舎 Schole

About the Author

かよこ さとう ()

Website: https://kirara-sha.com/

2 Replies to “タデアイ染めワークショップ”

  1. 小学生の娘と一緒に、夏休みの自由研究に向けて藍染めのワークショップに参加したいのですが、7月で参加できる日程はございますでしょうか?

    1. 日曜日であれば4人以上で貸し切り承ります。
      2名様がワークショップをされれば貸し切りできます。
      ワークショップ2名分+ドリンク4名分の計算なので、その分高くなってもかまわない場合は人数が少なくても大丈夫です。

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