ミジンコは体が透明なので、体内の臓器や卵から発生の観察がとてもしやすい生物です。
先日、いろいろなミジンコをモバイル顕微鏡の白根さんに渡したところ、面白い画像を送ってくれました。
タイリクミジンコの卵です。すでに卵割が進んでいます。
だんだん形が変わってきます。ごにょごにょ動いて腕(第2触角)が出来上がってきて、ある瞬間、ピッ!と開きます。
上の6枚は動画から抜き出しました。
頭が尖っています。
だんだんと・・・・頭の尖がりは少なくなっていき、だいぶ丸くなりました。
以前、カブトミジンコがいた頃、採集してきた時には頭がとんがっていて、カブトだねってわかったのですが、1か月維持しているうちに、頭が丸くなってしまったのです。
当時は、違う種類が混ざっていたのだろうと軽く考えていたのですが、いろいろミジンコを飼ったり調べたりしてきて、短期間でカブトミジンコが頭の形を変えたのだとわかりました。
カブトミジンコは捕食者の有無で頭の尖がり具合が変化するのです。
環境の良し悪しは別として、ジャムびん(飼育容器)の中には捕食者がいなかったため、頭の尖がりがなくなってしまったものと考えられます。
カブトミジンコだけなく、捕食者を感知するとマギレミジンコも頭を尖らせるようです。
また、フサカの幼虫を入れるとフサカの発するカイロモン(化学物質)に反応して、後頭部にネックティースと呼ばれるトゲを作ったりします。
人間の新生児が産道を通る際に頭が伸びることがありますが、なんだかそんなのを見た気持ち。
タイリクミジンコの発生直後の頭の尖がりは、発生段階の形状変化なのか、小さくて捕食されやすいことを多少なりとも回避しようとしているのか・・・・・調べてみたいと思います。
オオミジンコ、タイリクミジンコを持って帰られた方は、育房に卵を背負った個体を見つけたら、つぶさない程度に押して卵を出して観察するとよいでしょう。
親の育房の中にいるものを比較観察するだけでももちろん楽しいです。
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