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アフリカヤマネの「セレン♀」に、昨日お婿さんが来ました。名前は「テルル」。

小動物の名前に元素名を付けていることを知っている方は、セレンの婿と聞いたら、テルルだなと気づいたかと思います。

 

アフリカヤマネ/きらら舎

 

セレン(♀)は尻尾の先だけ白い子です。

わたしがアフリカヤマネを始めて買った時の価格から考えると、今はすっごく値上がりしてて。

セレンのお婿さんには、本当は真っ白い子が欲しかったのですが、買える価格じゃなく、ブチの子にしました。

 

アフリカヤマネ/きらら舎

 

でぶっちょに見えますが、カメラの角度のせいです。

 

セレンはSelenium。原子番号34、元素記号Se。

語源はギリシャ語の「Σελήνη(Selēnē)」=月。

命名者はスウェーデンの化学者 ベルセリウス(Jöns Jacob Berzelius)。1817年に、ベルセリウスがセレンを発見したとき、似た性質を持つ元素テルルがすでに知られていて、「地球(地)」に由来する名前だったため、対になるように「月」にちなんでセレンと名付けられました。

元素周期表で似た性質のものは同じ列に並びます・・・つまり、月の下に地球があります。

 

テルルはTellurium。原子番号52、元素記号Te。

語源はラテン語の「tellus」=大地/地球です。

最初に発見した人は、オーストリアのミュラー(Franz-Joseph Müller von Reichenstein)。1780年代に発見し、のちにドイツの化学者クラプロート(Martin Heinrich Klaproth)が再発見して命名しました。

「地球に由来する」ものとしてラテン語の「tellus」から「テルル」と名付けました。

 

テルルはテルと呼ぶことにします。よく見ると地球儀のようなブチ模様なのでぴったりの名前となりました(笑)

 


この記事を読んだ小学生から質問がきました。

なんで最初に発見した人は元素に名前を付けなかったのですか?

答えはこうです・・・

1782年ごろ、ミュラーはトランシルヴァニア(今のルーマニア)の金鉱山で金鉱石を調べていて、その中に「見慣れない金属」を発見しました。でも、この新しい物質が既知の元素の不純物なのかそれともまったく新しい元素なのか自分でもはっきりと断定できなかったんです。

当時は今みたいな精密な元素分析装置なんてありませんから、
性質(たとえば、光沢、重さ、溶け方、反応性など)だけで新元素かどうかを判断しなきゃいけなかった。
だからミュラーは「これは何か新しいかもしれない・・・でも確信は持てない」と判断を保留してしまったんです。

18世紀の科学界では、「新元素を発見した!」と認められるためには、ちゃんと論文にまとめて、正式に学会などで発表する必要がありました。ミュラーは分析の途中で迷ったり、はっきりしない部分があったため、公式発表もしなかったんです。

だから、「命名する」という次のステップにも進めなかったわけですね。

Categories: 生物・植物室

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かよこ さとう ()

Website: https://kirara-sha.com/

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