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一日のうち、かなりの時間を生き物の世話に費やすという日々を、もう何十年も続けている。

最初は、鳥、猫、犬、りす、うさぎ、ハムスター、イモリ、らんちゅう、グッピー・・・・・

「生き物がいるから旅行も一泊が限界」という程度であった。

 

捕まえた生物もいろいろ飼った。

隣の家の池に捕まえてきたおたまじゃくしを入れておいたら、いつのまにかカエルになって、雨が降ると庭を歩くようになった(親戚だったので庭が続いていたのだ)。

ある夏には、海水浴でミズクラゲを捕まえたが、持って帰る前に溶けてしまった。

民宿のおばちゃんに「クラゲは飼えないよ」といわれて、長い間、クラゲは飼えないと信じていた。

 

 

大人になったある時、世の中にクラゲブームの余波がやってきた。

クラゲを家で飼うということを、初めて見たのがこの時である。

隣町の大きな駅の構内に背の高い円柱の水槽が展示され、それとは別に「室内でクラゲが飼える水槽(ミズクラゲ付き)」が販売されていた。多分、その場で持って帰るものではなく、パンフレットを配布し、購入したい人はそこで注文をすると後日送られてくる・・・というようなものだったと思う。

価格が当時のわたしには(今でも、だが)買える金額ではなかったので、パンフレットだけもらって、しばらくの間、展示されていたクラゲを眺めていた。

横で、大学生くらいの若者2人が、水流がないと死んじゃうから、クラゲ飼育は難しいというような話をしていた。

 

水槽にはゆったりとした水流が作られていて、クラゲたちはそれに乗って水槽内をふわふわと回っていた。青いライトが海の中に光が差し込んでいるようで幻想的だった。

こんなのが部屋にあったらいいなあ、と思いながら眺めていると、お店をいくつか経営しているという男性がクラゲの世話と水槽のメンテナンスについてパンフレットを配っていた人に質問をしていた。

会話の内容は、

「クラゲってどれくらい生きるのか」

「水槽はどのくらいのペースで洗わないといけないのか」

「餌はどうしたらいいのか」

という質問に対し、

「寿命は1年ほど」

「汚れが気になったら洗うという程度、数か月はもちます」

「餌は冷凍のなんとかかんとか(聞き取れていない)」

という回答。

わたしは「寿命1年」に衝撃を受けて、その場を後にした。

 

 

それから何年かたったある日。ネットでクラゲのポリプを売っていた。

そこでクラゲの生活史を知った。

クラゲブームの到来で、メドゥーサ(クラゲ成体)も売っていたが、「水流がないと死んじゃうから、クラゲ飼育は難しい」「寿命は1年」という、あの日に聞いた言葉が呪文のように耳にこびりついて離れなかったのと、ポリプには寿命がない(ようなもの)だと判断したため、ポリプを購入して飼育を開始した。

小さな容器で止水での飼育。ブラインシュリンプをわかして(孵化させることを、飼育者たちはこう呼ぶ)洗って、給餌して、給餌後4時間ほどしたら(ちょうどクラゲが消化して、不要なものを排出するのがこのくらいの時間なのだ)換水。

毎日、そんなことをやるようになった。

ブラインシュリンプをきちんとわかせるのが結構面倒であった。

それで、

「どうせ毎日、ブラインシュリンプエッグをセットしなければならないのなら、いろいろなクラゲのポリプを飼ってみよう」

多分、普通の考えとは逆の思い付きで、結果、ミズクラゲ、サカサクラゲ、タコクラゲのポリプを飼育することとなった。

 

ミズクラゲのポリプは最初から殖えた。

サカサクラゲは2件目の購入で定着した。

サカサクラゲに関しては止水ではなく、自己流のポリプ水槽を作った。

タコクラゲは3度失敗した。サカサクラゲに似ていてサカサクラゲよりも小さなポリプである。
飼育の難易度は高いと書いてあった。

それで、4度目の注文までにはずいぶん時間が開いたが、結局リベンジして、サカサクラゲポリプと同じやり方で現在に至っている。

クラゲは花にたとえられる。対するポリプは茎や根となる。茎や根(つまりは本体)を維持していて、時々花が咲くようにクラゲがでる。

クラゲの寿命はミズクラゲで半年から1年。サカサクラゲだと5~6年と、種類によって違いが大きい。

しかし、花が散っても本体は残り、さらに無性生殖でどんどん殖えるのである。つまり、ポリプ単位でみれば壽命はあるのだろうが、どんどん殖えているので、全体でみると永遠の命のように思えるのだ。

 

ミズクラゲは冬に一気に飼育温度を下げて給餌を止めてストロビレーションを起こさせる。

大量のエフィラがどんどん減って、たいがい、GW頃には1~2cmのミズクラゲが20匹くらいになる。

そして、少しづつ減って、夏にはいなくなってしまう・・・・・ということを数年繰り返していたが、今年は7匹が夏を越した。

 

 

サカサクラゲは一年を通して、調子がよいとどんどんクラゲを出す。クラゲはポリプ水槽から救出し、別の水槽で飼育していく。餌をどんどん与えれば目に見えて大きくなるので、餌を調節して、小さな水槽でも3cmをできるだけ超えないようにしている。

 

 

タコクラゲもミズクラゲと同様に水流が必要である。

ミズクラゲの水槽が現在ある水槽の中で1番大きいのだが、これをもう1つ増やすのはなかなかきつい。

そろそろこの水槽では限界かもしれない。

 

 

Categories: 2019年

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