蛍石の八面体割ワークショップのこと
蛍石の八面体割りワークショップ。
もともと八面体はイリノイ州のお土産として、職人さんが鏨で割って販売していたものです。その当時はニューメキシコ州産のもののほうが、透明度が低かったので安かったため、ニューメキシコ州産でも透明度が高いものが、イリノイ州産として混ざっていることも多くありました。
そもそも、アメリカ人にとって八面体劈開片は女子供の玩具であり、正規の鉱物標本ではなかったのです。
同時期、中国の八面体蛍石といえば、その得意な技術できっちり八面体に研磨されたものが主流でした。
やがて、中国でも「多少歪でも、劈開を利用して割ったもののほうが、人気があるらしい」と気づき、ただ、割ったものが多く作られるようになりました。
しかし、中国産蛍石はどうやっても粉をふくのです。洗ってもだめ。そこで、油を塗ることを思いついたようです。最近では業者によっては油を塗らないところもありますが、結構、こんなメッセージ付きでやってきます。
with nice smelling oil
・・・・で。本来は鏨で割っていたものを、誰でもその方向を見極めながら(比較的)安全に割れるように、きらら舎ではニッパーで割るということを始めました。
小学一年生の、思わず「巨匠」と呼んでしまった少年が、八面体を量産できたのは、握力がなかったので、方向が違っていると割れなかったため、結果、劈開に沿って割れたためです。
もちろん、巨匠なので、その方向を見極める能力、空間認知能力も高かったと思います。
長い間、イリノイ州産のチップでワークショップをやってきましたが、現在はほぼ在庫はなくなりました。
それで、初心者の方には中国産の八面体蛍石を2つに割ったものから、劈開割りをしていただいています。
ベテランの方は、塊から割っていただきます。
先日、そのワークショップがありました。
参加者の方の写真をいただきました。
ワークショップでは基本参加料(ニッパー、防御袋、壜、サンプル用蛍石)¥550の他に、割る石を別途ご購入いただきます。
買った石の価格を、こうして自己申告で書いていきます(笑)
今回は700円でも結構楽しめたと思われます。
まずは半分に割ります(鏨)。
八面体を作る際に出たチップと違い、最初から角が八面体の角になっているので、わかりやすいです。
どの頭(角)を生かすか決めて、どこかの辺に平行になるようにして割っていきます。
この方のように、三角形の薄い破片がたくさん出るのは上手な証拠なんです。
さらに、この薄い欠片。2mmくらいまでであれば小さな小さな八面体を作ることができます。
次回は3月下旬を予定しています。
鏨の特別な使い方もお伝えします。
オンラインでも行いますので、お楽しみに!!