イリノイ州産蛍石チップです。
10年以上前からきらら舎ではワークショップでイリノイ州産蛍石の八面体劈開を行ってきました。
イリノイ州の蛍石鉱山がすべて閉山したのが1995年秋。
それでも市場から蛍石が減ることはありませんでした。
しかし、年数を経ていくと八面体劈開片の色がだんだんと薄れていきました。蛍石は紫外線で退色しますが、そういう話ではなく、きれいな色のものの流通量が減り、鉱山稼働期には見向きもされなかったような美しいとはいえないものも売られ始めたのです。
さらに時間が経つと、そんなものさえなかなか入手できないようになりました。
その頃、ナゲットやチップはまだ売られていたので、自分で八面体に割って販売することにしました。
しかし一日で割れるのはどう頑張ってもせいぜい100。しかも、ロスもあれば、へなちょこもあり、その当時の販売価格で原価計算をすると時給100円を切っていました。
そんな無毛な労働の話をカフェでしていたところ、
「割ってくれなくていい。自分で割りたい。」
と、いう声がお客さまから上がったのです。
それで、ワークショップが始まりました。
ワークショップに参加される方は、ほぼ初体験の方ばかり。
本当は鏨で割っていくのですが、ニッパーで割ることで小さな欠片も割りやすく、方向の見極めもできるので、ニッパーでの八面体割りを始めました。
大きなニッパーだと劈開の方向を体感する前に粉々になってしまいます。
それで小さなニッパーをメインに使っています。
そんなわけで、ワークショップでは大きなチップは使われないまま残りました。
前置きが長くなりましたが、本日はそんな大きなチップの販売です。
重さの割りには価格を下げております。
12A 64.4g
大きな欠片なのですが、厚みが均一ではありません。
厚い部分からは大き目な八面体を取り出し、薄い部分からはとにかく、八面体の大量生産をする感じです。
縞模様が細かく入っていますので、袋に入れたまま、まずはハンマーで真ん中をゴツンと叩いて細かくしてから始めるとわかりやすいです。
上級者の方は、厚みのある角から丁寧に進めてみてください。
12B 25.9g
小さいですが厚みがあります。
まずはどこかの辺に平行に、厚みと同じかそれより2mmほど幅を持たせて細長く割り、角を四面体に落とす、という順番で割ってみてください。
12C 71.2g
とにかく厚みがあります。
角を四面体に落とすところから始めるとよいですが、鏨が必要となります。
袋に入れたまま、ハンマーでまずは細かくしてみるというのも手です。
ハンマーで割ると劈開面が現れますので、それを頼りに割っていきます。
ニッパーは大きなものも用意しておいてください。
色がとても濃いので、小さく割っても濃い色をキープできると思います。
12D 24.8g
厚みが均一ではない曲者チップです。
価格を下げておきます。
曲者でも細かい八面体なら比較的容易です。
目さえシャキッとしていれば、小さなほうが失敗しないのです。
しかし、その前にある程度練習をしておかないと、指の中に埋もれたものを割ることになるので、まずは、1片が5mmくらいのものから始めて、だんだん小さなものに挑戦してみてください。
小さいほうが割りやすいことに気づきます。
12E 16.6g
一応、チップとして販売しますが、割りたくない欠片です。
他のチップは大きな八面体を割った際に出た欠片ですが、これは違う感じなのです。
三角形の内部にベンツマークのような三ツ矢が見えます。
それも立体的に。
このまま飾ってもとても面白い欠片です。
12F 44.2g
三角形ではありませんが上下にきれいな劈開面が出ています。
「まずはハンマー大作戦」でいくといいと思います。
大きなニッパーで真っ二つから始めてもいいです。
色がちょっと渋いのですが、これはこれでオールドコレクションカラーです。
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