イトマキヒトデ/Patiria pectinifera
磯で、よくみかけるヒトデです。
関東だと水色にオレンジの模様があり、きれいなヒトデです。
2019年7月22日
このヒトデの幼生をいただきました。
19日に受精させたものだと思うので、これで4日目。
やがてブラキオラリア幼生となり、幼生器官が吸収されていって、1か月くらいで稚ヒトデになるのですが、どこまでいけるかなあ。
イトマキヒトデの受精法は、大変だと聞いていたのですが、詳細は知らなかったので、調べてみることにしました。
まず試薬が必要です。
1 mM 1-methyladenine 溶液100ml
分子量149.15
1-methyladenine15gを蒸留水100mlに溶かしたもの
イトマキヒトデの精子の単離は・・・・・
「オスのヒトデの腕の外皮にハサミを入れ、ピンセットで挟みだすようにして精巣を取り出し、
3 mlの海水が入った試験管に、取り出した精巣の一部を入れ、これを混ぜて海水を懸濁することで、精子を海水中に遊離させる。」
ヒトデは、雌雄異体で、その生殖巣は各腕の体腔に1対ずつ存在するそうです。
イトマキヒトデの卵の単離は・・・・・
「メスのヒトデの腕にハサミを入れ、卵巣を取りだし、2腕分の卵巣を海水が入ったビーカーに入れる。」
(うわずみが濁っていた場合、その部分を捨てて新たな海水に変える)
「これに1 mM 1-methyladenineを10 µl加え、良く攪拌し、15~20分おく。」
「海水が入ったシャーレに卵巣をピンセットつまんで移し、ハサミで細かく切断する。」
・・・・・メスで切ってもいいかな。うっかり卵も切断しそうだからハサミのほうがいいのかな・・・
「卵巣から出てきた卵を観察し、卵核胞がなくなっている事を確認し、卵懸濁液を試験管に移し、手回し遠心機を用いて卵を集める。うわずみを捨て、新たな海水を入れてで未受精卵を懸濁した後、一回り大きなビーカー(500ml)に移す。」
受精法・・・・・
「精子数滴を 未受精卵懸濁液に加え、よく攪拌し、
受精膜を確認した後、未授精卵の体積1mlあたり、200-300mlの海水を加えて懸濁し、攪拌培養する(20 ℃, 30 rpm)。」
20℃の温度条件で
64細胞期4時間
胞胚16時間
中期原腸胚24時間
後期原腸胚は36時間
ビピンナリア幼生60時間
ウニと同様に、実験には卵巣が充分に成熟した親個体を準備する必要があって5~7月は関東、9~12月は東北のイトマキヒトデが実験に使用できるそうです。
2019年8月4日(受精から15日目)
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