月光幻燈室の話
とっても前の話。
空想(妄想)と現実がごちゃまぜになった感覚が好きなので、現実のアイテムに空想のストーリーとくっつけて販売していた時期がありました。
最初、若い頃に通っていた銀座月光荘のおじさんへのリスペクトで、屋号は月光舎という名前にしました。
しかし、その後、わけあって、月光幻燈舎に改名しました。
月光の幻燈で映し出されたような不確かさで、昼の光と共に消えてしまうようなイメージです。
「幻燈」という単語は、ご想像どおり、宮澤賢治に多分に感化されたものです。
その頃、専門学校の講師の仕事を(も)していました(何足ものわらじ生活でした)。ずっと若い子と接していた後、ふとトイレの鏡にうつった己の姿が、ひどいおばさんでした。
若い子を見ていたギャップもありますが、もともときちんとメイクしたりもしていなかったこともあります。
気付けば45歳。人生の半分以上過ぎているじゃないか!と。
その後の3月末。誰かのためにやっている全ての仕事を辞めました。
その際に、鉱物を正しく販売しようと、屋号も雲母を意味するきらら舎に変更しました。
そして、現在に至ります。
カフェの改修工事後。倉庫はまだまだ片付けきれていません。
そんな中で、豆標本ブックを発見しました。
プライスシールを貼ってあった跡が日焼けせずに残っていたり、シミがあったりしますが、それもビンテージ感ということで、のちほどきらら舎BASE店にアップします。
今年の博物ふぇすは、19世紀に流行った博物学ブームにスポットをあてて、文学と美術と科学のはざまに存在した博物学仕立ての標本をセットしていこうと思っています。
それで、こんなものを作ってみました。
空想標本/月光結晶
月の光が結晶化したものです(という設定)。
結晶化しきれなかった靄を纏っています。
靄はブラックライトで光り、暗処で蓄光します。
古い木製インテルでこしらえた木箱に入れて、お届けします。