【魚眼石/Apophyllite】
India
以前、本の撮影に使って保管していた標本です。
魚眼石には
フッ素魚眼石 KCa4Si8O20F·8H2O(正方晶系)
水酸魚眼石 KCa4Si8O20(OH,F)·8H2O(正方晶系)
ソーダ魚眼石 NaCa4Si8O20F·8H2O(斜方晶系)
の3種類があります。
流通している標本の多くはフッ素魚眼石で、今回の標本もフッ素魚眼石です。
ソーダ魚眼石は日本の岡山でみつかりました。
加熱すると葉片状に割れることから、ギリシャ語の「Apo(離れる)」と「phyllon(葉)」を合成して名付けられました。
和名の魚眼石は、英語の別名 「Fish-eye stone」の訳です。魚の眼のようにギラッと光ることで名付けられたようです。
鉱物をあまり見たことがない人だと水晶に似ていると感じるかもしれません。
区別するのは簡単で、水晶は結晶を輪切りにすると六角形なのに対し、フッ素魚眼石は四角形です。
また、条線が水晶はC軸に対して垂直(結晶の尖っているほうを上に置いた時に水平)なのに対し、フッ素魚眼石はこれと90度異なっています。つまりC軸に対して平行(結晶の尖っているほうを上に置いた時に垂直)です。
水晶には劈開がありませんが、魚眼石は結晶を輪切りにする方向に劈開があって折れやすいので注意が必要です。
奥に緑色の部分があり、アイスのようで涼し気です。
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