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科博特別展『宝石』の物販納品に合わせて、宝石鉱物のミニチュア試験管入り標本をセットしています。

その中から、今日は緑色の柘榴石のお話。

最初は灰礬柘榴石に属するツァボライト。

【緑色灰礬柘榴石/Tsavorite】

 

柘榴石というのは鉱物グループ名で、鉱物名としては灰礬柘榴石、英名はグロッシュラーです。
緑色の灰礬柘榴石の宝石通称名(※1)がツァボライト。

1967年に、イギリスの宝石・鉱物学者キャンベル・ブリッジズがタンザニアの北東地域にある山で発見したと伝えられています。しかし、タンザニア政府は海外に輸出することを禁じました。

そこでキャンベル・ブリッジズは国境を越え、ケニア側で調査をし、見事に発見することができました。

その後、1974年にティファニー社の当時社長であったヘンリー・プラット氏が、原産地にある「ツァボ東国立公園」に因んでツァボライトと名付けて、一気に世界中に知れ渡る宝石になりました。

 

宝石通称名と鉱物名が交錯すると混乱するので、まず、鉱物名で緑色の柘榴石を説明してみます。

緑色の柘榴石は、ウバローバイト(Uvarovite)、グロッシュラー(Grossular)、アンドラダイト(Andradite)に分けられます。

ウバローバイト、和名は灰クロム柘榴石で化学組成はCa3Cr2(SiO4)3

グロッシュラー、和名は灰礬柘榴石で、化学組成はCa3Al2(SiO4)3

アンドラダイト、和名は灰鉄柘榴石で、化学組成はCa3Fe2(SiO4)3

「灰」はカルシウムのことです。「礬」はアルミニウムのこと。

それぞれ連続固溶体(※2)が存在します。

 

※1 宝石通称名って何?という質問が来たので加筆します。
この言い方はきらら舎が勝手にそう言っているだけなのですが、たとえば鋼玉(コランダム / Corundum) は、鉱物名です。コランダムの中で濃い赤色をしたものをルビー、それ以外の色をサファイアと呼んでいます。
主成分は同じだから同じ鉱物として扱われていますが、見た目が全然違います。そして、その色の原因は赤色が微量に含まれるクロムイオンで、青色は鉄イオン。ここですでに違う成分が入っているわけで。鉱物を扱っている人はあえて宝石名のルビー、サファイアを使っているわけです。
さて、宝石通称名に戻ります。宝石名とせずに宝石通称名としたのは、ツァボライトという名前はルビーやサファイアという一般名詞ではない「商業名」だと判断しているからです。コマーシャルネームと呼んでいる宝石商の方もいます。

※2 たとえば、灰礬柘榴石はアルミニウム、灰鉄柘榴石は鉄を含んでいますが、その両方の成分を持っているものがあり、その比率はいろいろ連続して中間の種が存在するという意味です。灰礬柘榴石とするか灰鉄柘榴石とするかはアルミと鉄のどちらをより多く含んでいるかということです。

じゃあ、ちょうど中間のものはどうするん?と思う人もいるでしょう。

亜種としてグランダイト(Grandite)というものが存在します。この名前については、次回の緑色の柘榴石第二弾「デマントイドガーネット」の時に説明します。

 

緑色の柘榴石で特に宝石として人気があるのが、アンドラダイトに属するデマントイドガーネットとグロッシュラーに属するツァボライトです。

 

グロッシュラーというとラズベリーピンクのものが一般的ですが、ツァボライトは主成分ではないバナジウムとクロムを含有することで緑色になっています。

ただ、ピンクが一般的といっても、グロッシュラーは化学組成式どおりだと無色です・・・が、無色のものは少なく、青色以外の色はすべてあると言われるほど色のバリエーションに富んでいます。

 

まずはこのツァボライトが届きました。

 

 

 

ツァボライト/きらら舎

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かよこ さとう ()

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