スペイン産の蛍石は青色のものが多く出回っていて、個人的に好きな蛍石産地の一つです。
直にスペインの業者から輸入すると、蛍石は Fluorita とスペイン語で書かれています。
海外から直に仕入れた時、英語圏以外だとそんなラベルを見るのも楽しいことの一つです。
今回は、2018年のミュンヘンショーで日本の業者さんが買い付けてきたものを仕入れました。
標本についている小さな鉱山名はもともとのものです。
先にラベルに書かれていた鉱山について紹介します。
Aには Jamica という産地名が書かれています。
この鉱床に見られる蛍石の結晶癖は、四面体、立方体と菱形十二面体の組み合わせ、立方体、八面体と菱形十二面体の組み合わせ、立方体と四面体、そしてその他のさらに複雑な組み合わせです。
他の蛍石鉱床では珍しいこの習慣の多様性は、この鉱山の特徴の一つです。
蛍石の色は、無色から濃い青、または紫色の色合いの範囲でほぼ黒色まで変化します。
蛍石の他には重晶石、方解石が採れます。
BとCは Collada という産地名が書かれています。ここ一帯はラ・コラダ鉱山地帯(La Collada mining area)とよばれ、鉱脈自体にもラ・コラダ鉱脈という名前がついています。
ラ・コラダ鉱山のほかにはシエロ鉱山、アストゥリアス鉱山などがこの一帯にあります。
ラ・コラダ鉱脈は、1904年に、Lieres村とGijon Port村の間の石炭列車のトラックセンターの建設中に発見されました。
地域全体に共通するのは、蛍石と方解石の共存です。他には石英(水晶)や閃亜鉛鉱も採れます。
地域内のJosefa Venerosでは、立方体と十二面体の組み合わせによる蛍石結晶の発生が特徴的で、これが北側の、La Viescaでは立方体のような単純な形が優勢です。
A
一見、水晶みたいな小さな結晶が付いています。
でも、よく見ると重晶石みたいにも見えます。
鉱山データでは石英も記載されていますが、多いものが蛍石、重晶石、方解石とあるので、これは重晶石かもしれません。
B
C
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