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魔女の薬草として必ず登場するベラドンナ。
発芽に挑戦するために種を仕入れました。
ただし、発芽はかなり難しいようです。

まずは、標本としてミニチュア試験管入りにしてみました。

 

ミニチュア試験管入べラドンナの種/きらら舎

ミニチュア試験管入べラドンナの種/きらら舎

 

【ベラドンナ/Deadly nightshade】

ナス目
ナス科
オオカミナスビ属
オオカミナスビ
学名:Atropa bella-donna L.
和名:オオカミナスビ、セイヨウハシリドコロ

ベラドンナは西欧で自生する多年草で、日陰で、湿気が多く、石灰質の肥えた土壌の場所で群生しています。

花期は夏ぐらいまでで、くすんだ紫色の花を咲かせ、その後に緑色の実をつけます。

大きさは1cm ほどで、黒色に熟します。

この実は甘くて美味しいといわれていますが、猛毒を含んでいるため絶対に食べてはいけません。

名前は、イタリア語で「美しい女性」を意味する bella donna の読みそのままで、古くには女性が瞳孔を拡大させるための散瞳剤として、この実の抽出物を使用したことに由来します。

全草に毒を含み、特に根茎と根の毒性が強いです。毒の主成分はトロパンアルカロイドで、摂取し中毒を起こすと、嘔吐や散瞳、異常興奮を起こし、最悪の場合には死に至ります。

ベラドンナのトロパンアルカロイドの成分は、ヒヨスチアミンやアトロピン(l-ヒヨスチアミン )、ノルヒヨスチアミン、スコポラミン等で、副交感神経を麻痺させる物質です。

不思議なことに、鳥類と鹿、ウサギなどの多くの動物はベラドンナを食べても中毒を起こしません。人間、犬猫は中毒を起こします。

ベラドンナを食べた動物を人間が食べて死に至ってしまう事故もあるそうです。

成分の強い根茎と根はベラドンナコン(ベラドンナ根)という薬品として日本薬局方にも収められています。

ベラドンナコンに含まれるアトロピンから硫酸アトロピンが作られます。ベラドンナコンの成分を水またはエタノールに浸出させたものはベラドンナエキスと呼ばれます。

また、ベラドンナのアルカロイド成分は鼻みずを抑える効果があることから以下のような多くの市販鼻炎薬に含まれています。

お持ちの方は成分チェックしてみても面白いです。

アスゲン製薬株式会社:鼻炎薬
ベラドンナ総アルカロイド 大正健康ナビ
鼻炎用薬ヒストミン鼻炎カプセルLP 小林薬品工業
スカイナー鼻炎N エーザイ

 


 

【播種・栽培】

種蒔き: 4~5月、9~10月
発芽適温: 25~30℃
耐寒温度: 10℃
耐暑温度: 30℃

種蒔きから開花までは2年かかります。

もともと日陰で、湿気が多い場所で群生している植物なので、直射日光に当てないようにしてください。

とにかく涼しい風通しの良いところで育ててください。

建物の北側か東側の日陰で、西陽には要注意です。

一般的な花と野菜の培養土に石灰を少量混ぜたもので栽培します。

 

播種
ジベレリン酸の溶液(100~200 ppm)に3~4時間浸します
真水に入れ直し、冷蔵庫に8時間入れてください。
種蒔き用の土に播種して、覆土は薄く(5mmくらい)乗せてください。
暖かい場所(25~30℃)で管理して、発芽するまで霧吹きで散水してください。

発芽まで100~180日かかります。

すご~~く難しそうですが、逆にやりがいがあります。ダメ元で播種して世話をして芽がでたらすごい!というくらいの気合でやってみようと思います。

一緒に挑戦してみる方には、時期になりましたら、ジベレリン酸をお分けします。

 

水やり
萎れてからでは間に合いません。萎れる前に水をあげてください。ベラドンナは湿った状態を好みますが、水をやりすぎても根腐れするので難しいです。

肥料
春~夏に液体肥料を二週間に一回ほど与えてください。
肥料が不足してくると株が小さくなってきます。

移植
2年ほどで連作障害を起こします。障害が起きると株が小さくなり消滅します。そこで毎年4~6月に根を洗浄して、新しい土に移植してください。

冬越し
耐寒性も低いので、10℃以下になる場合は室内・温室で管理してください。

 

Categories: 生物・植物室

About the Author

かよこ さとう ()

Website: https://kirara-sha.com/

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