5月18日未明に採集されて、翌日到着したメスのミズクラゲ。
到着の時の写真、プラヌラを採集した様子などは前回の記録をご参照ください。
>>ミズクラゲ倶楽部/01 プラヌラ
5月19日
前回の記録にも書きましたが、プラヌラを採取した水に透明で粒々が無数についた物体がいました。
よくみるとアメーバーのように動きます。
なんだろう・・・・・・
なんと、これはミズクラゲママの保育嚢の破片でした。
鞭毛がついているので動くのだそうです。
こんな破片もいました。
最初は細長く伸びていましたが、じっとみているとくるくるとトグロを巻き始めました。
洗濯機の排水ホースのような見た目です。
受精卵とプラヌラがついている保育嚢破片もありました。
下の薄い褐色のものはプラヌラ。
上の細長いものは未熟なプラヌラ。
右のほうが色がついてるので成長は進んでいるのでしょう。
真ん中あたりにある、透明な丸いものは受精卵だと思います。
5月21日
2日後、2つに減っていました。
5月22日
翌日。みな巣立ったようです。
ところで。プラヌラ採取時にすでに元気に動き回っていたプラヌラはポリプになり始めたようなのですが、その中に違う形のものがいました。
これ、ポリプっぽくないのです。
ね。
一番右のやつ。どうみても遊離直線のエフィラです。
特別に注目して観察していきたいと思います。
5月23日
プラヌラを飼育しているみなさまからも、エフィラ遊離のご報告をいただきました。
通常、ミズクラゲはオスとメスの有性生殖で受精卵ができ、それがメスの保育嚢の中でプラヌラ幼生となります。
プラヌラは数日海中を泳いで岩などに固着してポリプに変態します。
iPad mini ×モバイル顕微鏡エッグで撮影しています。
エッグはiPac mini用アダプターをさくりに作っていただきました。
Seria のクリームケースがちょうど、4cmシャーレサイズなので、短い期間であれば、そこでいろいろな生物を飼育しながら観察できます。
ただ、ちょっと画像精度は落ちます。
プラヌラたちは容器の縁にそって固着しています。
上の4つは触手が伸びているので、ポリプになったようです(下の1つは違うかも)。
通常はプラヌラが固着して丸い粒になって、そこから触手が生えてくる・・・・・のです。
しかし、こん棒みたににゅっと伸び、先が平たくなってきたものが多くあります。
そして、こん棒の柄の部分がどんどん細くなり・・・・・
エフィラになりました。
通常であれば、今の時期に生まれたプラヌラがポリプになり、それが冬にストロビレーションして細長くなってくびれができ、くびれが1つ1つのエフィラになってやがて、さきっちょのエフィラから拍動して遊離していきます。
しかし、プラヌラからいきなりエフィラになったものは、1つだけ。
拍動してやがて、遊離しました。
多くのクラゲは、プラヌラからできたポリプより、プラヌロイドで殖えたポリプのほうが大きいという特徴があります。それと同様に、ポリプがストロビレーションして出たエフィラより、プラヌラからいきなりエフィラになったもののほうが小さいように思えます。
しかし、この特殊なミズクラゲ。
大きなプラヌラがエフィラとなるようなので、そこそこちゃんとしたサイズもいます。
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