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カフェにお越しくださったお客さまへサカサクラゲのエフィラを差し上げることが多いので、再度、ここに飼育方法をまとめておくことにしました。

理科室クラブで飼育を始めた方もクラゲが1cmを超えたら、以下を参考にして水槽をセットしてください。

 

(1)海水を作る

カルキ抜きした水500mlに対して、14gの海水の素を溶かします。

2Lのペットボトルに水1L+人工海水の素28gでもかまいません。

海水魚は厳密に比重をはからなければならないのですが、サカサクラゲはテトラポッドなどにくっついているので、雨によって海水濃度はかなり変化する環境で暮らしています。そのためあまり厳密でなくても大丈夫なのです。

さらに海水魚より少し薄めがよいのです。

 

 

(2)飼育容器

容器は飼育用容器に入れて渡していることが多いのですが、もし、容器を替える場合は深さは不要で、平たい形のものがよいです。10cmくらいの直径で水深が7cmくらい確保できるとよいです(飼育水の量として700ml)。

 

 

(3)ブラインシュリンプを孵化させる

さきほど作った海水を小さなタッパに8分目ほど入れて、コンビニなどのコーヒーマドラーにすりきり1杯のブラインシュリンプエッグを投入し、フタをしてシャカシャカとシェイクします。

これを温かいところに置きます。ただし、直射日光が当たったりして温度が高くなりすぎると死滅します。

28℃で24時間というのが孵化の目安です。しかし、きらら舎では保温していないので、冬だと孵化まで2~3日かかってしまったりします。その場合は、2セット用意しておけば順番に使えます。

海水量に対して卵の量が多すぎると孵化してもすぐに酸欠で死んでしまうので、孵化が上手くいかない方は孵化用タッパを少し大き目にしてみてください。それでも6×6×高さ4cmくらいのもので十分です。

いくつかのメーカーがありますが、テトラのものが一番孵化率がよいような気がします。

 

 

きらら舎ではいろいろな生物を飼育しているため、ハッチャ―でブラインシュリンプを孵化させます(わかせるといっています)。

 

この容器で、直径12mmくらいのスプーンに山盛り(といっても、卵はさらさら落ちるため、てんこ盛りにはならない量です)1杯半。

それで11個の水槽および飼育壜分です。

1/3はミズクラゲ7匹で消費します。

 

 

(4)飼育水の換水

小さい容器で、止水・濾過なしでの飼育なので、1日1~2回の換水が必要です。
(飼育容器で餌も与えている場合)

まずは、給餌の際に、量が多いと粘液だけだして胃腔に入っていきません。大量の粘液でブラインシュリンプが固まっている場合は、一度に与える量が多すぎるということになります。

ごく少量を、1匹づつにスポイトで吹きかけてください。

粘液でブラインシュリンプが固まっていたら、スポイトで吹き飛ばして吸い取ってください。

体の真ん中に胃腔があります。ここがブラインシュリンプのオレンジ色に染まっていたら上手に食べているということになります。

 

クラゲはだいたい4時間ほどで消化します。口と肛門が同じなので、食べかすは口から吐き出します。そのタイミングで換水すると飼育水はきれいな状態となりますが、飼育水には食べ残りもあり、粘液も出ていると思うので、1時間くらいで一度換水してしまってもよいかもしれません。

飼育水が汚れているなと思ったら、いつでも換水。

大きな水槽の水換えは大変ですが、飼育容器をもう1つ用意しておいて、そこにきれいな海水(すでに作ってあるので楽ちんです)を入れ、本人たち(クラゲ)をスポイトで吸って移します。

また、海水は溶け残りがないようにしてください。溶け残りがあると粘液を出して縮んでしまいます。また、溶け残りがあるということは上澄みは塩分濃度が低いということでもあります。海水を溶かしたら何度もシェイクして、一晩おいて、さらにシェイクして使ってください。

それでも溶け残りがある場合は、飼育容器に海水を入れる際に茶漉しなどで濾してください。

 

 

(5)大きくなったら

小さいうちに水槽に移してしまうと、底面に敷いたサンゴ砂の隙間に入ってしまったりするので、小さな容器で飼育していました。

1cmを超えるサイズに育ったたら(※)底面濾過のある水槽を用意してあげましょう。

 

わたしが知っている中では安いセットです。

いろいろセットされていますが、この中では水槽とポンプだけを使います。

ここにセットされているカルキ抜きなどは使用しないでください。

また、濾過システムもクラゲが吸われてしまうので、使用しません(この濾過システムはまた別の生物で使いますので保管しておいてください)。

 

まず、これを水槽の下に敷きます。

そして、ポンプにつなげます。

 

その上に2cmほどサンゴ砂を敷きます。

 

 

砂は5mmほどの粒であれば何でもかまいません。

先に洗ってから投入します。

 

海水を入れて濾過をして数時間経過してからクラゲを入れます。

 

水槽飼育にしてからは、エサは水槽の中に入れてOKで、水換えも月1くらいでかまいません。

 

 

当たり前なのですが、飼育容器などを洗う際には洗剤は使わないでください。

ハンドクリームや化粧水が付いた手で飼育容器を洗って失敗したこともあります。要注意です。

 

 

※  早くこのサイズにしたい場合は、毎日十分な給餌・換水で1か月ほどでこのサイズとなります。

 

 

 

 

Categories: 生物・植物室

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かよこ さとう ()

Website: https://kirara-sha.com/

2 Replies to “サカサクラゲエフィラ飼育”

  1. こんにちは。先日、エフィラをいただく機会があり、すぐに海水が用意できなかったので、お腹が空かないようにブラインシュリンプの粉末餌をいただいた小さな容器にふりかけて、次の火水を調達しようと朝見てみたら、クラゲたちが死んでしまっていました
    やはり餌によって水が汚れてしまったことが原因でしょうか?

    1. 写真などがあると、適切な回答ができるのですが、
      どのくらいの容器で、どのくらいの数をもらってきたのでしょう。
      エアレーションや濾過がないところで給餌した場合は4時間後に全換水が必要だと考えています。
      ブラインの粉末餌というのがいまいちわからないんですが、殻なしブラインのことでしょうか。
      ふりかけたというのも、やばい感じがします。
      ふりかけただけでは、サカサはそれを食べることは、恐らくできません。
      ただ、それよりも水質悪化が一番の原因だと思います。
      ブラインは生きているものでさえ、孵化させたものをそのまま入れるだけでも、クラゲ、死んじゃいますので。

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