【ベニクラゲムシ】
学名:Coeloplana willeyi
有触手綱
クシヒラムシ目
クラゲムシ科
19世紀にヨーロッパで興った博物学ブームの時代が好きで、これについては、いくつかきらら舎一号館にも書いていますが、文学と科学の狭間に位置するようなこの博物学がきらら舎の源流にもなっています。
この時代。アクアリウムの父と呼ばれるフィリップ・ヘンリー・ゴス(Philip Henry Gosse)という人がいました。イギリスの博物学者で科学作家でもあります。ゴスは採集をし、海を再現するためのアクアリウムを作りました。
底は石板で粘土や砂利を何層も敷きつめ、海藻などを植え、岩を配置しました。容量は76Lだったとゴスの本に書かれています。水槽の上に吊るした容器からは毎日12Lの海水が落ちる工夫もされていました。
ゴスは繊細な博物画も残しています。しかし、どこか違和感があります。これは、本当の海でのスケッチではなく、アクアリウムの生き物たちを描いたからだと思います。しかし、スマホやデジカメのなかった時代に、ここまで緻密な絵を描けたのはアクアリウムのおかげでしょう。
前置きが長くなりました。
カフェには60cmのタイドプール水槽があります。
ゴスのこの水槽に憧れて、カフェに水槽を設置しました。中にいる生物は素晴らしい珊瑚でもなく、可愛いニモ(カクレクマノミ)でもありません。
磯で捕まえてきたやつらたちです。
正確には母の介護やたくさんの生物の世話があり、なかなか採集旅行にはいけないので、採集者さんに頼んで採集してもらっているものがほとんどです。
海藻や岩も送ってもらいます。すると、そこに付着している生物がワラワラと水槽内に出てきます。
今朝。水槽の壁面に石灰藻みたいなものが付いていました。ごしごし擦って掃除しようと思ったら、小さなエダアシクラゲがいたので、擦るのをやめたため、石灰藻みたいなものも命拾いしました。
よく見ると、それはクラゲムシみたいでした。
クラゲムシ。他の水槽でも急に殖えています。どこからやってきたんだろう・・・・・
数か月前に投げ込み濾過のチューブに小さなクラゲムシがたくさんついていて、さかんに糸をルアーのように伸ばしていましたが、それが大きくなったのか。
こうやって水槽にわいた生物は、いつのまにか消えてしまうことも多いので、今のうちによく観察してみます。
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