【杉石/Sugilite】
Karahali Mn Field,
Northern Cape,
South Africa
スギライト。
わたしが鉱物標本を蒐集し始めた頃。こんなに高くなかったと思うんです。
カフェを始めた時、取引のあった雑貨会社で鉱物のタンブルを扱っていました。カフェでの鉱物売りは、それを燐寸箱に入れてラベルを貼って売ったところから。
この時、チャロアイトとスギライトもあったのだけれど、あまり人気はありませんでした。
500円を値下げして300円で販売した記憶もあります。
それが最近、やたらに高いスギライトに出逢うのです。
ラリマーが登場してからパワーストーンとかヒーリングブームが訪れ、チャロアイトとスギライトとラリマーが世界三大ヒーリングストーンとされたため、価格が上がったのかしらと考えています。
ラリマーも出始めた当時からかなり価格が上がっています。これには企業独占なども関係しているのですが、もともとトルコ石の代用だったラリマーが、今ではきちんとした地位を獲得しています。
カリブ海の海と空を映したようなラリマーは確かにトルコ石より好きではあります。
スギライト
1942年〜1944年に日本の岩石学者の杉健一さんと、弟子の久綱政典さんが瀬戸内海の岩城島で発掘した鉱物です。杉さんはこの地域の調査をしていた途中の1943年頃に肺結核を発症し、1948年に47歳の若さで亡くなってしまいました。
存命中には、その石が何であるか解明されることはありませんでした。数年の間は「未解決鉱物(ユーディアル石様鉱物)」とされていました。
1976年に、杉さんの弟子の村上允英さんがこの石の分析に成功し、国際鉱物学連合に申請して新鉱物として認定されました。村上さんはこの石に杉さんの名前をつけて杉石としました。
その後、南アフリカで美しいスギライトが発見されて、宝石として世界的に普及しました。最初に発見された日本産のものはうぐいす色だったようですが、宝石になるものは紫色のものです。
紫色はマンガンによる発色です。
宝石鉱物で日本人の名前が付いているものはスギライトだけです。
とても高いので、「お小遣いで買える価格」で販売でき、さらにその価格と見た目が納得いくものにあまり出会えないので、今回はスギライトの紹介を兼ねて、ミニチュア試験管入りを数本だけ作りました。
数本だけなのと個体差があって価格も違うので、カフェでの販売とします。選んでご購入ください。
コメントを残す