ウニのシーズン(ここでいうシーズンとは食材としての旬ではなく、産卵のシーズン)は、バフンウニが12月下旬から4月上旬。ムラサキウニが6月下旬から8月。
実験のしやすさとウニになった後の飼いやすさを考えて、毎年バフンウニメインで実験を行っています(ムラサキウニは博物ふぇすに合わせて行います)。
今年(2019年)は 2月23日に第一回のウニ発生実験を行いました。
二回目は4月7日(日)に行いました。
第一回目グループ。
早いものは、だいたい4週くらいでウニ変態間近となっていたのですが、通常は5週(35日)という目安に合わせて、変態セットをしました。

プルテウス幼生

プルテウス幼生

プルテウス幼生
変態セット・・・なんだか怪しいですが、つまりは水を少量にして、変態のトリガーとなるものを入れて環境を変えるということです。
メインは20cm水槽に浅く水をはり、軽くエアレーションして、ライブロックと生きている海藻を入れました。ウニは小さいのでなかなか肉眼で探すのが難しいため(※)とりあえずはここでしばらく飼育します。
※ポケット飼育をされている方には、変態間際まで維持できている場合はずっと観察できる変態キットをご用意しますので、ご連絡ください。
実験用には、メカブの切れ端、ワレカラ水槽の海藻の切れ端、ライブロックのみ、甲状腺ホルモン(チラージンを水に溶かしたもの)にそれぞれ変態間近のプルテウスを入れて観察しました。
スーパーのメカブは取り出しが遅れたたため水質が悪化してしまいました(1時間くらいでいいかも)。
甲状腺ホルモン錠剤は純粋にチロキシン以外の粉が混入したたため水質悪化。
ワレカラ水槽の海藻の切れ端のものとライブロックのものが変態を開始しました。
4腕プルテウス → 6腕プルテウス → 8腕プルテウス と成長し、三角形だったからだはだんだん丸っこくなり、やがて腕が短くなってきます。
そのうちに第一管足が出ます。
上の写真で上のほうににょっきりしているものがそれ。
タコクラゲのポリプが混入したかと思うくらい、ポリプ感があります。
そのうち、管足がたくさん出てきて、腕がほとんど退化します。
今までは表面に生えていた鞭毛で海中を楽しそうに泳いでいたプルテウスが、管足でゆっくりと移動するだけになります。
やがて、だんだん均整の取れた丸形になってきて、幼生型の棘が伸びてきました(2019/04/02)。
大人の棘も出てきました。
体部に五角形が見えてきました(2019/1/15)
さて。ウニ。
発生実験は高校でやった方も多いと思いますし、今回、きらら舎の理科室カフェでは、まず発生(受精して卵割してプルテウスになる様子)を観察したいと参加された方が多いと思います。
個人的にはプルテウスを飼育して成長を観察し、その後もウニ飼育を行っていっていただきたいと思っています。
タイドリウム
『鉱物テラリウム・レシピ』にも掲載しましたが、わたしの机周りには小さなタイドプールがたくさんあります。それは小さな壜のこと。それぞれに、いろいろな生物が生活しています。
ミジンコなどは壜ですが、エビやクラゲ(成体=メデューサ)は17~20cmの小さな水槽です。
ウニも20cmくらいの小さな水槽で飼育をします。タイドリウムと呼ばれるものです。
底面フィルターでサンゴ砂を敷いたもの。
砂は目の細かいものを使う場合はウールマットをかませるとよいのですが、面倒なので、水槽の半分くらいの底面フィルターを置き、5mmくらいの粒子のサンゴ砂で覆い、底面フィルターのない部分にだけ目の細かいサンゴ砂を敷きます。
ここに、海藻を植えて、ライブロックを配置し、海水を半分くらい入れて、浅瀬(タイドプール)のジオラマを作ります。
ウニは目視でウニとわかるサイズ(3mm)くらいになってからこれに加えます。
タイドリウムを作っておくと、海で採集したヤドカリやカニ、ヒトデなどを飼育することができます。
有孔虫もここで飼育できます。
部屋の中に小さな海辺の風景があるのは和みます。
ワレカラはたくさんの海水の中に海藻の森を作って、水流をしっかりしないとだめなので、残念ですが別水槽です。
ただし、海藻の森のタイドリウムを作っても楽しそうです。
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