12月2日(土)は「INNOVATE AQUARIUM AWARD(通称イノアク)」に参加するために、カフェはお休みです。
イノアク参加のテーマなどについて
生物は、本来はそれが棲息する場所で観察することが正しいのでしょう。しかし、飼育しなければ観ることができないものもあります。
そんな言い訳を掲げて、毎日、生き物の世話をしています。
「INNOVATE AQUARIUM AWARD」なのでアクアリウムというところで、自分で決めているあるテーマに合わせて、生物はクラゲとウニにしました。
実際にはボルボックスやミドリゾウリムシ、グリーンヒドラ、ミジンコ各種、エビやメダカやプラナリア、変形菌、ヒメウズラ、カエル・・・・・いろいろいます(笑)
夏に参加した博物ふぇすてぃばるでのガクタメのテーマと同様になりますが、部屋の中の小さな海(水槽や容器)で、クラゲやウニを卵から育てることの布教活動です(笑)
もともとは19世紀の博物ブームとその中でアクアリウムを作ったフィリップ・ヘンリー・ゴス(Philip Henry Gosse)の影響が大きいです。
前述の「言い訳」に戻りますが、クラゲを棲息地で観察するとき、観ることができるのはメデューサと呼ばれる成体のみです。プラヌラ幼生やエフィラは小さすぎて出会っていたとしても、気づくことはないでしょう。
さらに、きっと多くの人がクラゲの生活史の中の「ポリプ世代」を知らないでしょう。知っていても、プラヌラからポリプ世代をショートカットしていきなりエフィラを出す「直達発生型」のクラゲの存在は知らないかと思います。
ウニでは、棘を持った成体の姿は誰もが知っていても、プルテウス幼生の姿を知る人は、学生時代に発生の実験をしたことがある人くらいで多くの人は見たことはないと思います。
また、学生時代に発生の実験をしたことがあっても、プルテウス幼生をきちんと飼育して稚ウニに変態させたことがある人はほぼいないと思います。
きらら舎ではクラゲとウニで、人間とは違う生活史を持つ生き物がいること、しかし、それらは人間と同じ発生をすることを知り、命について考えてみよう!・・・・・という活動をしています。
同時に海の環境の変化も考えることになります。
クラゲ活動(クラゲプラント)
クラゲはミズクラゲ、サカサクラゲ、タコクラゲ、アカクラゲ、アマクラクラゲ、エダアシクラゲ、カギノテクラゲ、タマクラゲのポリプを飼育しています。
それから・・・時々、水槽にハイクラゲが出現します。
エダアシクラゲとカギノテクラゲでは春に放精・放卵、受精実験を行います。
タマクラゲのポリプはムシロガイの殻の上でしか生きることができません。では、殻から剥がしたポリプはどうなるのか・・・・・そんな実験もしています。
クラゲプラントとしては、特にミズクラゲの家庭での飼育容器の開発と通年、メデゥーサを飼育できることを目標にしています。クラゲは動物ですが、植物的でもあります。ポリプは無性生殖で殖え、ある時クラゲを出します。クラゲの寿命は限られていますが、ポリプは植物の茎と根のようで、これを維持していれば、植物に花が咲くように、クラゲがまた出るのです。
そこで、プラントというわけです。
ポリプの飼育だけでは地味であまり面白くもないでしょう。わたしはこれだけでも楽しいのですが、やはりクラゲポリプを飼育する醍醐味は、ある日クラゲが出ること。
そこで、一番最初に、ストロビラを提供したいと考えています。ストロビラはポリプがクラゲを出すために変態するスイッチが入ったもののこと。小さなイソギンチャクみたいだったポリプが伸び、触手がなくなり、先端からくびれができ、体全体にくびれができると赤く色付き、やがて拍動を始め、くびれの1つ1つはそれぞれ一匹のクラゲとなって海中に泳ぎだしていきます。
この泳ぎだしたクラゲの赤ちゃんをエフィラ(エフィラ幼生)と呼びます。
ストロビラはクラゲを出し切ると、また触手を出してポリプに戻ります。
エフィラは成長してメタフィラとなり、やがて稚クラゲとなります。
クラゲは水流がないと飼育できないため、難しいとされていますが、案外お手軽な容器で飼育することができるのです。
生活史別の容器や飼育の仕方のサポートをしたいと思います。
ウニ
ウニについては、お茶の水大学が行っている「全国一斉ウニの発生体験」の二次拠点として活動しているほか、採集者さんからウニを買って受精発生実験をしています。
しかし、本当にやりたいことは、ウニが自主的に放精・放卵をするのを観て、受精させて、受精卵の発生の観察と孵化後にプルテウスを飼育し、稚ウニにしてそれを大きく育てることです。
2024年は、飼育しているウニで夏~秋に、ウニの自主的放精・放卵からの発生ワークショップを行っていこうと思っています。
カフェに来られない場合も、リモートで見ることができるようにしながら、ウニ飼育を広められたらと思っています。
ゲッチョ先生いわく、子供はみんな生き物好き。しかし大人になると卒業してしまう・・・・・。大人になっても生き物が好きな人を生き物屋という。生き物屋にはさらに、虫屋、爬虫類屋などがいる・・・。
今回のイノアクでは「クラゲ屋」と「ウニ屋」を広めてきます。
イノアクを見学したい人へ
参加しない場合、会場への入場はできませんが、最終発表会を観たいという方は、申し込むと、リモートで視聴することができます。
以下、イノアクWEBサイトからのコピペです。
「以下のボタンからメールアドレスをご登録いただくと、「最終発表会の様子をリアルタイムで視聴いただけるURL」と「審査員のコメント付きイベントレポート」をお送りします(状況の変化により、リアルタイム配信を録画に切り替える可能性もございます。あらかじめご了承いただけますと幸いです)。今回は日程が空いていない、来年の参加を検討したいという皆様、ぜひご登録ください!
ゲスト審査員は「ザ!鉄腕!DASH‼」などでおなじみの桝太一アナウンサーと幼魚水族館館長の鈴木香里武さん。
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