クラゲポリプ水槽を3か月に1度、リセットします。
その際、殖えたポリプ、水槽壁面&底面に固着しているポリプ、そして出ているエフィラをお好きなだけお持ち帰りいただけます。
昨日は、海水初心者の方がいらしたので飼育のおさらいをまとめておきます。
【海水】
小分けされている人工海水の素を購入してください。
塩分濃度は海水魚より少し低めにします。
2Lのペットボトルにカルキ抜きした水(※)を入れ、サカサクラゲでは人工海水の素56g、タコクラゲでは65g(厳密でなくてもかまわないので、60gを入れたものを作り両方に使ってもよいです)をキッチンスケールで量り、投入し、キャップをして振ってよく混ぜてください。
一晩おいて、完全に溶けてから使うようにします。
溶け残りがある場合は、飼育容器にできるだけ入らないようにしてください。
※ ペットボトルに水道水をくんで、キャップをしめずに一日放置しておけば楽です。カルキ抜きは使いません。
【サカサクラゲ】
飼育適温は25~27℃です。20℃を下回らないないように真冬は保温してください。
真夏は30℃を超えないようにします。
保温といっても熱帯魚用のヒーターではなく、爬虫類用の保温マットを水槽の下に敷き、温度が上がりすぎるようであれば、隙間に紙などをはさんで調節してください。
段ボールなどの空気を含む紙を敷くとかえって温度があがる場合もあります。
また、保温マットの下がスケスケ(網状の棚やラックなど)だと、センサーが狂いますので、下に何か敷いてから保温マットを置いてください。
水槽の下に空間のある容器の場合も、温度調節が難しいので、頻繁に水温チェックをしてください。
これが面倒という場合、また、温度が上がりすぎで死んでしまう事故もあるので、保温はしなければしないで大丈夫です。
ただ、夜の水温が10℃を下回るようであれば、下に断熱材や発泡スチロールを敷いたり、夜だけ、断熱材をかぶせてみたりしてください。
ポリプはプラヌロイドで殖えますので、水換えはできるだけしたくない(プラヌロイドを一緒に捨ててしまう)ため、スポンジフィルターでの飼育をお勧めします。
スポンジフィルターで濾過するので、水の汚れが少ない上に、プラヌロイドがスポンジに吸い寄せられて、そこでポリプになるので、効率よくプラヌロイドの確保ができます。
餌は週1くらいでも大丈夫です。
毎日与えると殖えすぎてしまうかもしれません。
エフィラはポリプ水槽で飼育してもかまいませんが、ポリプ水槽は限界まで洗わないため、水質悪化でエフィラが死んでしまう場合もあります。
エフィラを別で飼育する場合は、底面フィルターの水槽で飼育するのがよいです。
ボトムフィルターともいいます。
底面フィルターを置き、その上に砂を敷きます。
粒が5㎜くらいのものがベストです。
止水でも飼育ができます。
直径10cmくらいの容器に入れて、フタはしててもなしでもかまいません。
ただ、真冬、暖房の効いた部屋に置いておくと水が蒸発して飼育水の塩分濃度が上がりやすいので、フタをしておくほうがよいです。
止水の場合は同じ容器をもう一つ用意しておき、餌を与えたら必ず全換水します。
エフィラに餌を与えるときには、容器の中を軽くかき混ぜて水流を起こし、それにブラインシュリンプを乗せるようにします。それでも、粘液が出すぎて大量のブラインがくっついてしまっている場合は、スポイトで除去してください。
ちゃんと餌を食べることができたエフィラは真ん中がブラインシュリンプの色(オレンジ色)に色づきます。
これを確認するために容器は透明なほうがよいです。
真ん中のオレンジ色が消えた(消化した)ら、別のきれいな容器に新しい海水を入れ、エフィラを移します。
【タコクラゲ】
今回はポリプだけお持ち帰りいただきました。
飼育はサカサクラゲとほぼ同じでかまいません。
餌をやるときのスポイトはサカサクラゲとタコクラゲと分けてください。
【餌】
ブラインシュリンプエッグを孵化させて与えます。
飼育しているものの数によって孵化させる量も変わってきます。
昨日は、結構たくさんお持ち帰りされたので、500mlのペットボトルで孵化させましょう。
ペットボトルに7分目ほど、海水を入れて、そこに、付属しているスプーン摺り切りで1/3ほどのブラインシュリンプエッグをすくって入れてください。
キャップをしてよくシェイクします。
ブクブク(エアレーション)をするとさらに確実ですが、なくても大丈夫です。
28℃で24時間で孵化すると書かれていますが、これからはもう少し時間がかかるかもしれません。温かい場所においておくようにしましょう。
孵化した水は汚れているので、茶こしなどで濾して使います。
スポイトでブラインシュリンプを吸い取り、これに入れます。
別の容器の上で、茶こしをさかさまにして水をかけ、容器内に落とします。
これをスポイトで与えます。
面倒な場合は光をあてて水面付近にブラインシュリンプを集めて、できるだけ飼育水や卵が入らないようにして与えてください。
海水やブラインシュリンプをめんどうと思う気持ちと、クラゲを面白いと思う気持ちのどちらが勝つかで、クラゲ飼育が決まってくると思います。
まあ、すべての生物がみなそうですが。
ただ、慣れてくるとあまり面倒と感じなくなることも事実です。
ぜひ、みなさまの生活の中にクラゲが当たり前にいるということをお愉しみいただければ幸いです。
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