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水槽でコシダカウニが白いもやのようなものを放出していました。

そう、おそらく放精です。

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

中心の周りにある5つの孔から白いもやが出ている

 

もやをスポイトで採取して顕微鏡で観察すると間違いなく精子でした。

 

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

急いでいたので、とりあえずたくさんあったクリームケースに入れてみた

 

ウニの発生実験は1~4月にバフンウニ。6~8月にムラサキウニと、年に2シーズン行っていますが、コシダカウニは採集が難しいのでやったことはありません。

水槽のコシダカウニはたまたま採れた個体。

それでも、せっかくなので、発生実験にチャレンジしたいと思い、放精したウニ(オスと確定できている)とは管足の色ができるだけ違うように見える個体(と、いってもいくつもいるわけではないのですが)を選びました。

小さ目なので成熟しているか心配でしたが、バフンでは直径2cmに満たないサイズでも実験に使えた(放卵した)ので、とりあえず、これにアセチルコリンを注射することにしました。

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

 

磯研修でお世話になっている方からは、コシダカウニの卵は透明でとても美しいと聞いていたので、楽しみです。

 

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

出ました!

 

通常はフラスコなどに海水を満たして放卵させるのですが、急いでいたので、シャーレでいいやと・・・・・・

実は、あまりに透明で細かかったので、最初は精子かと思って一旦水槽に戻してしまったのです。

しかし、その後、塊が出たため、卵なのだとわかり、また取り出してシャーレに乗せました。

 

アセチルコリンを用いた実験は、ウニを殺すことなく放精・放卵させることができます。

 

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

放卵させられたメスのウニは、放精していたオスのウニの上に落としておきました。

この後、メスは水槽内を移動していましたが、今も元気です。

 

コシダカウニは骨格標本も美しいです。

コシダカウニ/きらら舎

 

 

 

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

卵に精子が集まり始めました

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

2細胞になりました。うっすら受精膜も見えています。

 

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

4細胞期

 

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

すっかり発生が進んでしまった

夕食の支度をしていたら、すっかり発生が進んでしまいました。
透明できれいです。

 

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

受精から20時間後。原腸期。くるくるくるくる回っています。

卵割が進んでいる時にはまだ受精膜の中に入っているのですが、これを破って出てきて鞭毛を使って泳ぎ始める・・・・・これが孵化です。

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

これはプリズム幼生。

すでに腕が伸び始めていますが、ここから腕が4本伸びて、4腕プルテウスになります。

それにしても、発生が進んでも透明感が高いです。

硝子工芸みたいできれいです。

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

4腕プルテウスになりました!

ウニ発生ワークショップ/きらら舎

腕がだいぶ伸びてきました

 

今回の受精は偶然、水槽内での放精をみつけたことで行いましたが、生物部のみんなにも見せてあげたいと思い、採集者の方に連絡を取ってみました。

多分、同じ場所の同じウニたちは繁殖期もほぼ同じだろうと推測し、あと数日内であれば卵・精子をもっている個体が存在するかもしれないと考えたからです。採集者の方はすぐに採集に出てくれて、実験に足りる数を翌日送ってくださいました。

それで再度、実験を行いました。

この写真については、参加してくれた人にゆだねたので、後日別ページを仕立ててアップします。

 

 

プルテウス飼育キットの販売

ワークショップには参加できない方へは、9/10と9/12(ワークショップ時)のいずれかに受精させたプルテウスの飼育キットを販売します。

【セット内容】
・プルテウス(260mlの培養フラスコ)
・キートセラス(餌)
・海水の素(500ml分)
・希釈用培養フラスコ

>>詳細・ご注文

 

以下はコシダカウニのデータですが・・・・・

和名:コシダカウニ
学名:Mespilia globules Linnaeus, 1758
分類:棘皮動物門>ウニ綱>ホンウニ目>サンショウウニ科

 

おそらく、これは新しく区別されたニッポンコシダカウニと思われます。

和名:ニッポンコシダカウニ
学名:Mespilia levituberculatus Yoshiwara, 1898

 

ウニプルテウスを飼う愉しみについて

友人から、ウニを受精させてどうすんの?

という質問をされました。あらためて考えたこともなかったのですが、聞かれてみると、なるほど、そう思う人も多いのだろうなと気づきましたので、「どうすんの?」の回答を書いておくことにします。

まず、受精は生命の神秘です。遺伝子情報だけを持った精子はきちんと同じ種の卵に向かって泳ぎ、1つだけが突入すると、他の精子はもう卵の中へ入ることはできません。受精膜があがるためです。

精核は卵の中にある卵核と核融合し、この瞬間に命の誕生となります。

一所懸命に泳いで結局討ち死にしたように見える精子ま無残なのですが、最初からここには命はまだなかったということで、そんなことを考えるだけでも楽しいです。

受精卵はどんどん変化します。

原腸胚、プリズム幼生、4腕プルテウス、6腕プルテウス、8腕プルテウス・・・

モバイル顕微鏡で撮影すれば完璧ですが、今、どんな感じかなということは培養フラスコの外からルーぺで見るだけでもわかります。

飼育してみなければ、観ることができない小さな生物です。

これを面白いと思わない場合は、もはや、何を言っても伝わらないのではありますが・・・

やがて、ウニに変態します。

この変化も立ち会うととても感動します。

そして、1mmに満たない小さなウニは1年で大人になります。

美しい熱帯魚が泳ぐ水槽はもちろん美しいけれど、小さなタイドプール水槽はライブロックからある日ケヤリムシが発生したり、水槽で飼っていなければわからないウニの管足やウニの移動、食事光景。海藻を体に付けたりする習性など。

毎日の変化もとても面白いのです。

Categories: 生物室

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