【イトマキヒトデ/Starfish】
ヒトデ綱
アカヒトデ目
イトマキヒトデ科
イトマキヒトデ属
学名:Patiria pectinifera
(Müller and Troschel,1842)
4月上旬に、テストのためにやってきたイトマキヒトデのイトちゃん。
夏に発生実験を行うとしたら、先に採集できたものをストックしておけたら楽です。
はたしてヒトデは濾過装置なしの発泡スチロール箱で維持できるのだろうか・・・・・というテストです。
2か月以上経過しましたが、水がかなり汚れても元気です。
この箱は海藻とライブロックのストック用でしたが、イトちゃん専用の水槽が用意できないので、ここに入れてあります。
ストックしている海藻も食べているようですが、もっぱらシラスを与えています。
ちょうど上を向いていたので、シラスを置いてみました。
真ん中の花びらみたいなものは、実は胃です。
胃を外に出して食べ物を取り込むんです。
気持ち悪いですねえ(笑)
受精実験はまだ未確定なのですが。
ウニは放精・放卵させればそのまま受精させることができます。
しかし、ヒトデは(多くの生物は)卵巣の中にたくわえられている卵が減数分裂の途中で一旦停止しています。つまり、そのままでは正常に受精することができません。 このような卵を 「未成熟卵」 と呼びます。
発生の実験に使うためには、未成熟卵に減数分裂を再開させることが必要です。
発生OKな状態を卵成熟 (oocyte maturation) といいます。
1969年にヒトデ類共通の 卵成熟誘起ホルモン ( 1- メチルアデニン)が発見されました。
2つのホルモンによる2ステップ機構で卵成熟は誘起されます。
まず、生殖時期になると、放射神経からペプチドホルモン (GSS) が放出され、卵の周りを包んでいる濾胞細胞に作用します。すると濾胞細胞は第2のホルモンである1-メチルアデニン (1-MeAde)を合成して放出します。卵表面の受容体に1-MeAdeが結合すると、卵内に卵成熟促進因子(MPF) が作られ、これが様々な現象を引き起こし、減数分裂が再開します。
昔は脚を切って神経細胞をすり潰して卵成熟に使っていたそうです。
今でもこちらのほうが有効だという人もいます。
ヒトデの発生実験。
そろそろ準備開始します。
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