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冬。特にきらら舎実験室の庭は屋上にあって、裏は公園、前は神社で風を避ける高い建物が隣接していないため、地上よりも過酷な環境です。
落葉樹はみな葉を落とし、常緑ヤマボウシも赤く紅葉して落ちる葉もちらほらあります。耐寒性の弱い植物は小さな温室に移動しますが、通気のせいか、あるいはそこでもまだ気温が低いからか、ダメになってしまう植物も少なくありません。
そんな殺風景な冬の庭で、花をつけたのが、スノードロップ。
夏に引っ越しさせなかったクリスマスローズは、葉が黒くなってしまっていて、だめかなあと思っていましたが、黒くなった葉が日除けになって生き延びた新芽から蕾が上がってきました。
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今日は、引き続き、古いイリノイ州産蛍石の塊たちを割っていきます。
もともとがクラックの多い塊なので、一応八面体にしたところでの販売です。
そのままでも結構いけるかな?というものもあれば、整形しようぜ!というものもあります。
2C 51.5g
小さいものは整形の練習用に。昨日の記事を参考にしてみてください。
大き目なものを揃えました。しかしクラックが多いので、小さめな八面体を量産するほうがよいかもしれません。
そのまま飾るには少し残念なのでグラム単価は安めです。
2D 16.3g
これはまあまあきれいなものたち。
もともとが赤紫色なので色的にはかなり美しく、光に翳して撮影するとさらにきれいです。
色が薄いものはピンクと呼べるくらいの色合いです。
一番小さなものは少しの整形できれいな八面体になります。
その他の2個もクラックが少な目なので、整形だけでよいかと思います。
2E 9.9g
試しに少しきれいめなものを整形してみます。
こんな感じにスライスしていこうと思います。
実は、まだ、角の一つに少しクラックが残っているので、さらに小さくしていくときれいになります。
このままでよしとすることもできます。
スライスしたチップからもさらに小さな八面体を割り出せます。
これ以上やっていると、仕事しなくなるので、この続きはお客さまに託します。チビ八面体やチップをすべて引き継ぎます。
中沸石(メソライト)と魚眼石が共存している標本を2つ。
産地はインドのマハラシュトラ州アーメドナガル。
アーメドナガルは、インドのマハラシュトラ州のアーメドナガル地区にある都市で(地区と都市の名前が同じ)、マハラシュトラ州ではプネが有名ですが、その北東約120 km の場所にあります。
プネなどよりも開発が遅れている地域で、これから新しい標本が採掘されるのを期待しています。
鉱山って水没で採掘できなくなるところも多いのですが、ここはとても乾燥している場所なので、その心配もなさそうです。
【中沸石・弗素魚眼石/Mesolite・Fluorapophyllite】
Ahmednagar,
Ahmednagar district,
Maharashtra,
India
2A 100g
透明な結晶は魚眼石です。ほんのり緑色をしていてミントキャンディのようです。
その周りのピンクのキラキラも魚眼石のようです。
メソライトは繊維状結晶が放射線状に密集しているのですが、この標本では、裏面で、それを確認できます。
2B 74.6g
シュッとした細かい結晶がたくさん生えています。
その間から立方体(頭の四角錘部分が取れてしまったのでしょう)の魚眼石が顔をだしています。
このテの標本は結晶の隙間に埃がたまりやすいので、ケースに入れて飾るとよいです。
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