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科博の特別展『宝石』の物販に、ミニチュア試験管入標本、ミニチュア試験管立て、KENT式標本箱を納品しています。
いつもは、ちまちまと10本単位くらいで作っているのですが、科博の発注数が大量なので、きらら舎の商品アップがすっかり止まってしまっています。
合わせて、絵本雑誌『MOE』の5月号(4/1発売)で、科博特別展の企画ページがあり、その執筆を依頼されたものの期限は2週間というタイトスケジュール。
なんとかカフェでの標本撮影が終わり、原稿も提出しました。
ミニチュア試験管用に新しい鉱物も仕入れてみました。新しい鉱物はきらら舎にもアップしていこうと思います。
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まずはペルーのアンデスオパール。
【蛋白石/Blue Opal】
Acari Mine,
Caravelí Province,
Arequipa,
Peru
このオパールは、1977年に標高1600mのアンデス山中、アカリ銅鉱山から発見されました。地理的にはナスカに近いアレキパ県北部です。
鉱山といっても丘の中腹からドリルで掘られた幅2m×深さ60mのトンネルがあるだけです。石はそこから数名の鉱夫によって手作業で運びだされています。
アカリ鉱山では、黄銅鉱、赤銅鉱、珪孔雀石、赤鉄鉱、翠銅鋼などが産出されています。オパールは毎月250kgほど採れるそうです。
鉱山で採れる他の鉱物からも推測できるように、オパールの美味しそうな青緑色は銅による着色とされています。銅の含有率は最大で1%ほどで、珪孔雀石の含有物やそのほかの銅を含む珪酸塩鉱物の微視的含有物による発色です。介在物はMgを豊富に含むシャッタカイトであると推測されています。
アカリ鉱山では青色のオパールのほかに、ピンク色のものも採れます。
ピンクのほうは特殊なタイプの繊維状オパール-CTで、パリゴルスキー石が約10〜40%含まれています。
コソボ(Krizo-Praz, Trepca, Kosovo)でもアンデスオパールによく似た不透明なコモンオパールが採れます。コソボオパールは、マケドニアとの国境近くで1992年に発見されました。アンデスオパールよりも緑が強く、発色の原因は微量に含まれるニッケルと蛇紋石によります。
アンデスオパール。
頑張って砕きました。
デンドライト封入体部分の茶色や黒部分はできるだけ除去しています。
今回は、科博納品を優先させたので、きらら舎分は10本のみです。
もう1つ。ミニチュア試験管の新作。
【ベリロナイト/Beryllonite】
Elias,
Linopolis,
Minas Gerais,
Brazil
ナトリウムとベリリウムを含む、非常に珍しい燐酸塩鉱物です。
板状~柱状の単斜晶系の結晶をなし、ガラス光沢があります。一方向にへき開完全で双晶を作ることが多いようです。
原産地はメーン州ストーンハムのマッキー山で、発見者はサムナー・アンドリュースという人物。サムナーは1886年に最初の標本を採集したのですが、その時は新鉱物と思わなかったそうです。
実際の発見から2年後に再度、採集をし、鑑定に回したところ新種であることがわかりました。
名前はベリリウムを含むことによります。
今回は偶然に少しだけ入手ができました。
きらら舎には20本のみアップします。次回入荷は未定です。
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