屈折の魔術師【偏光の実験】
本書では、光について考える機会がたくさんあります。
まずは、ものの色。
光はいろいろな波長の光が含まれています。この波長の違いは人間には色の違いとして認識できます。
ビスマスでは酸化膜が跳ね返す光の波長が色として見えています。
白色はいろいろな波長の色が混ざっています。黒色はすべての波長が吸収されて反射する光がほぼない状態です。
蛍光のページでも光についてのお話がでてきます。
偏光板のこのページでは、四方八方、いろいろな波長で進む光を偏光板で選別して、さらにセロファンや雲母の薄い結晶を挟んで波長の異なる光を色で観察しようというものです。
2024年夏の自由研究サポート用ワークショップのために、更新しました。これに合わせて解説していきます。
SatelliteSchole/光の魔術師
動画は近日中にアップします。うっかり、本のタイトルと違うタイトルにしてしまいました・・・・(笑)
【光の魔術師・セット内容】
・コイン
・カード
・透明な板
・テープ
・小さなクリアケース
・クリアケースサイズに合わせた偏光板2枚
・偏光板2枚
・細長い偏光板2枚
・テキスト 1枚
§1 水による光の屈折 1
底が薄く、模様などのない透明なガラスのコップを用意してください。
- コップの下にコインを置きます。
- 斜め上コップの外側から、コインを確認します。
- コインを見ながらゆっくりとコップに水を注ぎます。
- コインが消えます。
コインはカフェのワークショップでお支払いのお金と混同しないよう、また、小銭を持ち合わせていない場合のためにおもちゃのものを用意しています。
これだと水に浮いてしまうのですが、実物の小銭があれば、水の中に沈めてみてください。
斜め横から見ると浮いたように見えます。
【なぜ?】
コインが見えるということは、コインが反射する光が眼に入ってるということです(光がない暗闇ではコインは見えません)。
しかし、コップに水を入れると「全反射」ということが起こって見えなくなってしまうのです。図は動画内に入れてあります。
§2 水による光の屈折 2
- カードに左右が違う(左右対称でない)絵や文字を書いてください。動画では恐竜の人形を使っています。
- 空のコップの後ろ7~10cm離してカードを置きます。
- カードを見ながら、コップに水を注ぎます。
- カードの絵(あるいは後ろに置いた人形)が反対を向きます。
§3 偏光板で雲母を観察
セットの雲母は本にも掲載されているブラジル産リチア雲母です。
雲母は薄く、光を透します。しかし、部分的に厚さが異なるので偏光板ではさむと光を分光します。
偏光板の向きはオープンニコルからクロスニコルへ、回転させながら、色の変化も観察してみてください。
§4 エアリースパイラル観察箱
クリアケースを組み立てて、外側から偏光板をクロスニコルの方向になるようにテープで貼ります。
上部分は開放しておき、偏光板は下部分の底辺に合わせ、左右の縁だけをテープでとめます。
ここに水晶球を入れます。
明るい方へ向かって箱を持ち(あるいは置き)、いろいろな角度になるよう、箱の中で水晶球を転がします。
すると下の写真のように、水晶球の中に虹色の輪が見えます。
古い画像なので、ちょっと見づらいですが・・・・・
この虹の輪が「エアリースパイラル」と呼ばれるものです。
(※ 水晶球は別売りです)
難しい説明をすると、直交偏光で水晶球を結晶軸方向からみた時に現れます。この虹の輪は干渉圏で、これの周りに4本の黒い放射状の筋が見えます。これはアイソジャイヤーと呼ばれるものです。
水晶は動画内でも説明しているように、成長軸(C軸)の周りを周りながら結晶が成長しています。偏光板によってこの輪が見えるわけです。
さらに片方に1/4波長板を入れると、巻きの方向もわかるようになります。これがエアリースパイラル観察機です。
取説動画はこちら >>きらら舎チャンネル
§5 不思議な壁が出現する筒
セットの中の細い偏光板を並べて(重ねないように)接着し、貼った境界線とは垂直に筒にします。
偏光板が硬いので、断面が滴型になってしまっても問題ありません。筒状になっていればOKです。
まず、この筒を端っこからのぞいてみましょう。もちろん、ただの筒なので真ん中には何もありません。
外側の斜め横から見てみましょう。偏光板を貼り合わせたところに黒い壁が出現します。
水晶球の販売
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