今年もやります、メダカの発生実験。
動植物は改良されて可愛くなったりきれいになったものより、原種が好きだったのですが、『鉱物テラリウム・レシピ』用に作った「古い柱時計をリメイクした水槽」に適していたのはベタでした。
止水で飼育できるし、写真映えもするという理由です。
撮影後、飼育することになるのですが、とても安易に交尾&産卵させてしまいました。
そのことについては以前の記事にまとめています。
交尾から産卵までかなりドラマチックで、その後の子育ても健気で、すっかりベタに興味津々となりました。興味を持つとどこまでも調べ・実験する性質です。早速、産卵&稚魚飼育を再試行することにしました。
このことから、最近ブームになった変わりメダカにも興味がわきました(さらにエビも(笑))。
それで、昨年からメダカの発生実験に変わりメダカの卵を採用するようになりました(エビも飼い始めました)。
理科の授業ではヒメダカやクロメダカの卵を使うのが一般的ですが、学校の授業じゃないし・・・・・それに、実験の後、継続して飼育してもらうにはきれいで変わっていたほうが面白いかな、と思ったためです。
ところで、日本の原種のメダカ、つまり二ホンメダカは現在キタノメダカ(Oryzias sakaizumii)ミナミメダカ(Oryzias latipes)の2種類とされています。野生ではクロメダカ、エサ用メダカではヒメダカが多く流通しています。実際はこれらも原種ではないのです。
数年前にシロメダカが一時ブームとなりました。1匹10円、20円というメダカ価格の常識を打ち破ったことで、飼育・繁殖させる人が増え、これが今の変わりメダカブームの先駆けとなったと思われます。
孵化した稚魚をより多く成魚にさせるために、実験の前に実際に卵の孵化もやっています。
稚魚が死んでしまう原因は水質、水温、エサ不足です。水質と水温は気を付ければ問題ありませんが、エサを食べないのはどうしようもありません。稚魚のエサも販売していますが、これが水を汚します。
そこで、クロレラやゾウリムシなど、人工的なエサではない稚魚のエサとなるものを十分に準備しておく必要があります。
その上で今年の変わりメダカが何を好み、どんな状態なのかを把握するためにいくつかのメダカの卵を入手して実験をします。まずは、とても青いメダカの卵を入手しました。
大会などに出品している生産者の方のもので、まずはこれを試してみることにしました。
好みのエサや状態がわかってOKであれば、今年はこれを使いたいと思っています。
3月14日(木)多分3日目(生れたのを3月12日で計算。到着日)
濃い青のメダカですが、さすがに卵は透明です。
丸い粒は油滴。
理科の授業では、油滴のあるほうが植物極で反対側が動物極だと習いますが、実際には角度によってよくわからなくなります。
この写真では左上にある透明感がなくて白っぽく見えているのが胚。
油滴もまだたくさんありますので、産み落とされてすぐ(3/12産卵?)のものを送っていただいたようです。
あと数日で胚の形が急激に変化して尾びれの素みたいなものが見え始めて、心臓が動きだします。
3月18日(月)多分7日目(生れたのを3月12日で計算。)
尾部がうっすら見えてきました。
心臓もよくみると動いているのがわかります。
普通のヒメダカだと、5~6日も経過すると眼玉もはっきりとわかり水晶体も観察でき、7日目だとヒレの動きや胚体の回転運動(中でくるっと回る)が見られるのですが、ようやく心臓が動いているかな・・・・というレベルです。
3月20日(水)多分9日目(生れたのを3月12日で計算)
昨日は多忙でゆっくり観察ができなかったのですが、2日で血流も見えるようになりました。
眼もどこにあるのがわかるようになりました。
向きがわかりづらいほうを向いているので、別の個体にします・・・・・
3月21日(木)多分10日目(生れたのを3月12日で計算)
眼玉と水晶体がわかります(上の黒い2つ)。
その間にあるうっすら赤い部分が心臓。
肉眼だと心臓が鼓動してとても早い速度で血流があることがわかります。
時々くるっと動きます。
色胞も増えてきました。
しかし色胞はすべて黒~褐色。写真ではシミみたいに見える部分です。最初の頃にはなかったので比べてみるとわかると思います。
ちなみにメダカの色胞は、黒色素胞、黄色素胞、白色素胞、虹色素胞の4つしかありません。黒色はその名の通り光を吸収して黒っぽく見えます。白色素胞は逆に光を反射します。通常の色の見え方と同じですね。
ここに虹色素胞があることで、光を散乱させて、いろいろな色に見えるわけです。
メダカはもちろん遺伝もありますが、環境によっても体色は変化します。
(詳しくは当日・・・・・)
どこから青く見えるのかが楽しみです。
4月2日(火) 孵化
卵は止水で薬品なしで維持していましたが、いくつかはミズカビが生えて孵化に至りませんでした。
一時、ミズカビが生えたものの、負けずに孵化したものもいて、結局、10個中6匹が孵化しました。
ワークショップについては、こちらをご覧ください。 >>2019メダカ発生ワークショップ概要
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