ようやく、いろいろ一段落したので、「今日のお話」としてこれから時々、カフェでお話(説明)することなどを綴っていこうと思います。
昨年の今頃は、カフェの改修工事が始まった時期でした。
45歳の頃。当時やっていたいくつかの仕事をやめて、人生の後半をできるだけ楽しく生きてみようと、きらら舎に全力投球することにしました。
カフェは60歳になったらやめようと、何となく考えていました。そして、いざその年になりました。
でも、なんか、まだまだ何かできるかも!と思い立ち、懇意にしている信用金庫の方に世間話的に話してみたところ、話がどんどん進んで多額の借り入れを起こすことになり、大規模改修工事となりました。
元来、何かをじっくり計画して進める人間ではなく、とりあえずやってみて・・・何かにぶつかったら軌道修正していけばいいさという主義です。自分では臨機応変なのさ!と言っていますが、周囲からは行き当たりばったりともいわれます。
しかし、さすがの借金まみれで、一時、暗い人になっていたりしました(笑)
今年の2月、無事にリニューアルオープンしました。
断捨離セールでだいぶ減らしたものの、カオス化した在庫を一気に新倉庫に移動させたたため、いまだに片付けが終わっていません。幸い、本の制作が3冊続いたことで、本用の(売らない)標本はずいぶん整理できました。本の撮影が終わったので販売に回したものも多くあります。
・・・・・と、いうのが現在の状況。
さて。今日はその中からシャーレに入れたイリノイ州産の蛍石トリオをアップしました。
これは、蛍石のナゲット(塊状)を劈開という性質を使って八面体に割ったものです。イリノイ州産の蛍石については過去に詳しくまとめていますので、興味がある方はご覧ください。
昔は、本当に色が濃くてキャンディーみたいなものがたくさん流通していたんです。当時は、それがいつまでもあると思っていました。しかし、いろいろな鉱山の閉山に触れてくると、どんな鉱物もいつかは採れなくなるんだと実感しています。
もちろん、毎年、いくつかの新種・新産鉱物は発見されているので、新しい出会いもあるにはあります。
さて。イリノイ州の八面体蛍石ですが、最初はイリノイ州のお土産として職人さんが割ったものが始まりです。
その頃は中国産の蛍石はきれいな八面体に整形研磨されてピッカピカしていました。ポリッシュってやつです。
中国産の蛍石が劈開片のまま流通するのはイリノイ州産のものより数年遅れています。
ある時、仕入れたもの中に、ちょっと違うものも混じっていました。イリノイ州の蛍石は透明度が高かったのですが、それとは違って、色はかわいいのですが、曇りガラスみたいな感じ・・・業者さんの話では、イリノイ州産よりも、当時は価格が低かったニューメキシコ州産の蛍石を混入させているのだろうということでした。
あきらかに違うものは抜いていましたが、透明度は高いけれど、「これは怪しいぞ」と思ったものがありました。怪しいので販売はしませんでした。しかし、きれいだったので、そのまま保管していました。その2つの八面体が今日、発掘されました(倉庫からみつかりました)。
大き目の美しい八面体です。
ニューメキシコ州としては、透明度がとても高いです。
しかし、色が、ニューメキシコ産っぽいんです。
左はピンクと水色の縞模様。虹色蛍石と呼んでいたものが採れる場所のものではないかと思うんです。
右は緑色です。南アフリカ産や中国産よりも渋い色で、これもイリノイ州と言われればそうかもと思える透明感。
カフェに飾っておきますので、イリノイ州産と比べて考えてみてください!
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