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水晶の加工といえば、アクアオーラが有名です。

真空の環境で、水晶を871℃に熱し、金の蒸気を添加すしたもので、金の原子が水晶の表面ついて、虹色の金属光沢を呈します。
この加工技術には合衆国特許番号6997014(2006)が与えられています。

低温で蒸着させたゴールデンオーラや、金ではなく銀を蒸着したオーロラオーラ、インジウムを蒸着したコスモオーラなどが次々と作られ、最近では金属をまず合金としてから蒸着させることで、いろいろな色合いを出せるようになっています。

 

流通している黄水晶で美しいものはほとんど熱処理されたものです。
さざれなどで「シトリン」「レモンクォーツ」などという名前がついているものはすべて、紫水晶を熱処理したもの。

また、黒水晶も多くは放射線処理をされたものです。もともと地球上の水晶の多くが煙水晶なので、色が濃いものも中にはあるのですが、放射線処理されたものの黒さは半端ないのです。
「アーカンソー州産の無色の水晶をニューメキシコ州へ運びそこでコバルト60でガンマ線を照射して色づける」(堀秀道さんの著書より引用)そうです。この黒水晶は下の部分がとても白く、上のギラリとした黒とのコントラストが強いのでわかります。

アーカンソー州産水腫の放射線処理はかなり前から行われているので、すでに多くの人が知っていることで、ラベルにもその旨記載されているため、個人的にはこういうのもアリだと思ってはいます。

 

水晶加工については、最近、中国の水晶加工技術には目を見張るものがあり、いろいろ問題にもなっています。

有名なものがデュモルチェ石インクルージョンやルチルインクルージョン。

インクルージョンをより鮮明に見せるために水晶の表面が研磨しているものは多いのですが、研磨だけではなく、外形も多少整形してしまっているものと、もともと所有していた鉱物を入れて作ったものの区別が最近ではできなくなっています。

中国で成長している技術は「Hydrothermal Synthesis Process」と呼ばれていてもともとは破損した水晶の修復のために使われていたようです。

しかし最近ではこの技術が発達して、いわゆる合成水晶標本が作れるようになりました。

いくつかサンプル写真もあるのですが、最近書いたことがそのまま転載されているサイトがあるため、写真の著作権のために掲載は控えておきます。
観たい方はカフェで、声をかけていただければ、写真をお見せします。

 

この問題について論じたフォーラムで、いくつかのデュモルチェ石インクルージョンの写真が上がりましたが、これに関してはなんとなく「研磨加工」「水晶部分のみ修復」「すべて怪しい」の3つに区別できる気もしました。しかし、ルチルインクルージョンやガーデンクォーツ系はわかりませんでした。

しかし、美しいのです。

 

最近流行っている加工は、インクルージョンのある水晶を卵型に研磨し、その周りに卵型の水晶を成長させたもの。

よく見ると卵が二重になっています。

中の卵型自体作りもののものもありますが、これは明らかに「そりゃないだろう」と思えるものが入っているので多分区別がつくと思います。
これはこれで面白いですよ。

 

以前、取引先の鉱物業者(日本)の社長が中国から買ってきた緑色の水晶を買い取ったことがあります。
ちょうどカフェで水晶のワークショップを行う時だったので、人工的な着色を見せようと思ったためです。
大きな立派な水晶。社長は4万だか5万だかで購入したらしいのですが、よく見ると底に網目のような窪みがありました。恐らく針金で組まれた網のようなものに置かれて着色されたのだと推測できました。

この水晶は人工水晶を研究している方がひきとってくださいました。

技術は素晴らしいものであり、もっと向上させるために研究も面白いと思います。
問題なのは、加工したものをさも珍しい水晶であるかのように偽って販売することでしょう。

 

こんな水晶加工市場の中で、最近、気に入っているのがブルートップという水晶。
これは中国の技術ですが、先っちょだけ青く染めたものです。
加工の際に水晶全体に産毛のような結晶が育っていることが多く、これも面白いのです。
前述の緑水晶よりはるかに技術が進歩したようです。
よくある着色水晶とは別格。

天然のものではないのですが、逆に作っている業者は少なく少しづつ買いためています。
今後、このブルートップがたくさん作られるようになると、技術も向上し、産毛みたいな結晶は付かなくなるのかもしれません。

胡散臭くもあるのでブルートップは理解していただいた上で、それを面白いと思っていただける方へ販売します。

そろそろ第一弾が届く頃です。

 

 

 

第一弾、届きました。

 

 

背景黒くしないと色がわかりづらいですが、肉眼では美しいベビーブルーです。

色味的にはカーレトン石に近いです。

 

 

加工時に細かい水晶が育つようです。

南アフリカ Riemvasmaak のエメラルドグリーン蛍石を覆っているような半透明の衣がついています。

 

面白いことに、裏面にも結晶は伸びています。

全体を育成液に浸けているのでしょう。
本来は母岩についていて上にだけ成長していた水晶ですが、育成液の中では両錘に成長していったようです。

産毛のような羽衣のような水晶の部分は色はありません。

さきっちょだけブルーです。

加工している様子を見てみたいものです。

 

 

 

Categories: 第壱標本室

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