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アルテミアを飼育して夏休みの宿題にしたい方はこのページの最後をご覧ください。

 

 

クラゲ(とポリプ)を飼育していると毎日エサとなるブラインシュリンプを孵化させます。

28度で約24時間で孵化します。

保温はしていないので、冬の間は孵化に48時間かかります。

ブラインシュリンプとは、エサとして呼ばれるときに多く使われる名前で、生物としての名前はアルテミア (Artemia)です。

アルテミアとはホウネンエビモドキ科 の属名で、1科1属。所属する9種の総称です。

1億年前から変化していない生きている化石と称される生物の一つです。

 

ブラインシュリンプが孵化した水はとても汚れています。また、孵化しなかった卵や卵の殻なども混ざっているので、クラゲなどに与える際には孵化したブラインシュリンプだけを取って濾して洗って水に放ち、それをスポイトで吸い取ります。

多くの水族館でも毎日大量のブラインシュリンプを孵化させますが、2~3割は廃棄してしまうそうです。

 

下水に流されたブラインシュリンプの中で強靭な生命力を持った個体が生き延び、下水道の中で繁殖し巨大化し、人類を襲う・・・・・なんて妄想を抱くこともあり、ブラインシュリンプの残り水は、捨てずに硝子壜に入れておきます。
エサではあるけれど、一応命なので。

ハッチャ―の底に残った卵殻を多く含んだ水、これにもブラインシュリンプは混ざっています。それを投入した壜・・・・・

 

 

アルテミア/きらら舎

 

アルテミア/きらら舎

いくつかある壜のうち、最近は全く見もしていなかったものの水位がかなり減っていたので、水を足そうと持ち上げたところ、明らかに個体数が殖えています。

 

よく見ると、とても小さなものまでいます。

この壜には新しくブラインシュリンプは投入していないので、どうやら壜の中で生まれたようです。

 

 

アルテミア/きらら舎

緑色のものは卵嚢?

茶色の卵嚢のものもいるので耐久卵とそうじゃない無性生殖卵(卵胎性)では色が違うのかな。

そもそも、同じ環境下で耐久卵とそうじゃない卵ができるのか、ちゃんと観察してみようと思います。

考えられることは、ほったらかされた壜の水分が蒸発し、塩分は残り、その結果、飼育水の塩分濃度がとても高くなったことで、耐久卵を抱える個体ができたということ。

もしかすると、今回発見したタイミングがちょうど「よい環境」と「やばい環境」の境目だったのかもしれません。

 

 

アルテミア/きらら舎

右が緑の卵嚢。左が茶色の卵嚢。

 

アルテミア/きらら舎

アルテミアは孵化したばかりの時にはノープリウス眼と呼ばれる目が一つだけあります。口もありません。ノープリウス眼は光を感じることができ、光に集まってきます(走光性)。

やがて、口ができ、複眼ができ(結果的に目は3つとなります)、オスにはメスを抱え込むための大きなカギの手のようなものができます。第2触角が大きくなった把握器と呼ばれるものです。

 

アルテミア/きらら舎

メスのほうが赤みがあります。

こうしてオスはメスにしがみついて泳いでいます。

 

とにかく動きが速いので撮影が難しい・・・・・

 

アルテミア/きらら舎

アルテミア。昔はシーモンキーなんていう名前で売られていました。

小学生の頃、仲良しだった男の子と一緒に買いに行って、一緒に飼育し始めました。

これは何がなんとしても長く飼育しなければならない!とはりきったものの、孵化はするのですが、長く生きませんでした。

もちろん一緒に買いに行った男の子もシーモンキーを長く飼育することはできず、結局、興味は別のことに移ってしまったのですが、その時に長く飼育できなかったのはなぜだろうかと考えたりします。

ほったらかしは今も同じ。違うのは・・・・・塩です!

シーモンキー(アルテミア)の飼育キットに付属されていた塩が普通の塩(粗塩とか)だったんだろうと思うのです。そして、今はちゃんと海水生物用の塩を濃度(比重)を計って作っている・・・・・違いはそこだけです。

 

現在の飼育環境

エアレーションは個体数の制限をすればアルテミア自体が水を撹拌させて早いスピードで泳いでいるので、それほど必要がないかと思います。

水温は、直射日光を避けて異常に上がらないようにし、冬はヒーターシートを敷いて下がりすぎないようにし、適度に餌を与えればある程度維持ができます。

はじのころは、稚魚の餌をさらにすり潰して与えてみたり、ウニの受精発生をしていた時には、プルテウス幼生の餌であるキートセラス(浮遊珪藻)を与えてみたりしました。今は、餌をシオミズツボワムシにしています。

シオミズツボワムシをクラゲなどに与える時には濾しているのですが、アルテミアの場合は、シオミズツボワムシに餌となる濃縮淡水クロレラ(不飽和脂肪酸添加されたもの)を与えてからしばらく静置し、上澄みをスポイトで取って与えています。

クロレラ自体も餌となるかもしれないためです。

 

 

夏休みの宿題サポート

今回、いくつか疑問と考察を書いてみました。ペットとして広く流通しているものではない生物なので、飼育しているといろいろな疑問が発生します。そして、すぐにその答えをみつけることもなかなか困難です。

塩分濃度を変えてみたり、飼育温度を変えてみたり、いろいろ実験をするネタがたくさんあります。

この生物を面白いなと思ったら、一緒にけんきゅうしてみませんか?
(研究ではなく「けんきゅう」なのは内容が小学生レベルだから)

 

まずは、きらら舎二号館でアルテミア飼育キットをご購入ください。   >>購入

最初は成長したアルテミア入りの壜をお渡しします。

普通に飼育する場合は、水が減ったらカルキ抜きした水を加え、室内であまり温度変化のない部屋に置いてください。

直射日光の当たらない明るい窓辺に置き、冬の夜は断熱袋などをかぶせておくといいです。逆に夏は直射日光が当たらず、直接冷房も当たらない涼しい場所に置いてください。日中の温度が上がってしまう場合は玄関などに置いてください。

実際には低温・高温に耐えられますが、できれば10℃~28℃を保ってください。

モバイル顕微鏡 L-eye@school(¥1080)にて撮影ができます。モバイル顕微鏡ワークショップは定期的に開催していますので、そこに参加していただくと顕微鏡写真のコツを習得できます。

キットには課題をいくつか書いておきました。
飼育を楽しむだけではなく自由研究にする場合はお試しください。

 

飼育

 

(1)乾燥卵(耐久卵)を撮影してみよう
付属のシャーレに入れてモバイル顕微鏡で撮影します。

(2)吸水を観察しよう
(1)に海水を入れてフタをし、数時間置きに撮影をします。

(3)孵化を観察しよう
(2)の海水が蒸発しないように、時々スポイトでカルキ抜きした水道水を足して、
孵化まで観察を続けます。

(4)成長を観察しよう その1
(3)の海水が蒸発しないように、時々スポイトでカルキ抜きした水道水を足して、そのまま観察を続けます。
また、(2)と同じタイミングでタッパやハッチャ―でブラインシュリンプをセットしておき、
シャーレのものが途中で死んでしまった場合は、他の個体と差し替えます。

(5)成長を観察しよう その2
孵化して半日が経過したら、1L容量くらいの硝子壜に海水を入れ、ここにアルテミアを移して飼育をします。
毎日そこから1匹をスポイトで取って観察&撮影をします。

(6)成長を観察しよう その3
飼育容器の中のアルテミアを外から見て観察し、可能であれば撮影をします。
観察した状態や気づいたことなどもメモしておきましょう。

 

孵化と海水濃度

 

(1)小さなタッパか容器をいくつか用意して、そこに濃度が異なる海水を入れます。
(2)コーヒーマドラー摺り切り1杯のブラインシュリンプエッグをすべての容器に入れます。
(3)どの濃度のものがどのくらい孵化するかを実験します

 

途中で全滅した際には何度でも卵と海水を差し上げますので、チャレンジしてください。
(カフェに取りにいらっしゃれば無料です。発送の場合は送料手数料が500円かかります)

この何度も失敗するという記録も、なぜ、全滅したのかを考察するいい機会となります。

 

Categories: 生物室

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