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シオミズツボワムシ部 詳細はこのページ末に!! 

淡水ワムシはさらにページ末で

 

 

【シオミズツボワムシ/Branchionus plicatilis sp. complex】
単生殖巣綱
ワムシ目
ツボワムシ科
ツボワムシ属
シオミズツボワムシ

 

 

クラゲやクラゲのポリプにはブラインシュリンプを餌として与えています。
しかし、クラゲによっては遊離仕立てのエフィラは小さく、ブラインシュリンプを食べることができない種類も多くいます。

 

そこで、シオミズツボワムシを培養しています。

シオミズツボワムシ自体は汽水で飼育し、餌には淡水クロレラを与えます。
海産クロレラでは栄養価が高すぎて飼育水が維持できないためです。
しかし淡水クロレラで培養したシオミズツボワムシには、海生生物に必要な栄養素(不飽和脂肪酸 DHA・EPA)がないので、海産クロレラでの二次培養(栄養強化)が必要です。

 

今までは淡水クロレラと海産クロレラの両方を培養し、さらに強化(二次培養)の手間があって大変でしたが、少しコストがかかっても栄養強化できる淡水クロレラ(濃縮淡水クロレラに不飽和脂肪酸 DHA・EPAが添加されている)が開発されたので、これで培養をすることにしました。

 

シオミズツボワムシには大きくわけてS型とL型が存在します。
特に記載がなければL型でしょう。

しかし、きらら舎が飼育しているようなブラインシュリンプすら大きすぎる生物ではシオミズツボワムシもS型である必要があります。

 

たとえば、ミジンコを餌として生物に与える時には、生まれたてであればオオミジンコでさえも、稚魚が食べられるサイズです。しかし、シオミズツボワムシは1日で親と同じサイズになってしまうので、ベースのサイズがとても重要なのです。

通常、ワムシのサイズは被甲長(背甲長)の長さで表します。

L型ワムシが130~340μmなのに対して、S型ワムシは100~210μmとかなり小さなことがわかります。

 

と、いうことで、きらら舎のシオミズツボワムシはS型です。

 

シオミズツボワムシは、ヤコウチュウなどの肉食のプランクトンの餌としても有効です。
一般的にはカクレクマノミなど海水魚の稚魚にも適しています。

 

飼育水が汚れているので、まずは濾してから与えます。

 

 

この白いものがシオミズツボワムシ。濾して汽水に放ったところです。

 

シオミズツボワムシは、雌雄個体の交尾による有性生殖(両性生殖)と、雌個体単独での単性生殖をすることが知られています。
雄個体が出現して受精した卵は耐久卵となります。ミジンコと同じです。

 

しかし、ミジンコが環境悪化で雄を産み、有性生殖するのに対して、環境がそれほど悪くない飼育下でも雄が出現します。

雄の出現はワムシの代謝産物の蓄積によって誘引されるといわれているので、飼育水を頻繁に交換すれば雄の出現を抑制でき(単為生殖でバンバン殖やせる)、逆に水の交換をしなければ耐久卵の採取ができるということになります。

 

また、雌には単性生殖雌と両性生殖雌がいます。

単性生殖雌は寿命が7~14日といわれています。この間に20個前後の卵を産みます。

両性生殖雌は孵化後すぐに交尾をします。25℃で8時間以内といわれています。この間に交尾ができなかった場合は持っている卵から雄個体を生みます。

両性生殖雌は雄個体と交尾すると2~3個の耐久卵を生みます。

 

雄はおしりに丸くて大きな精巣をつけているので判別ができます。消化器官がなく、交尾をするためだけに生まれてきます。

カイコガのようで、少し切ないですね。

 

 

とても素早いので、こんな写真しか撮れませんでしたが、おしりの丸い大きなものが精巣。

 

 

 

 

 

頭から鞭毛がついたものを出してブルンブルン回して周囲の水を吸い込みます。
これは精巣がないので雌。

 

以下の動画は速度を1/4に落としています。

 

 

 

 

 

シオミズツボワムシ部

 

シオミズツボワムシS型の有効性は先に記載しました。

培養方法を変えたことも先に記載したとおりですが、ランニングコストがかかります。

できるだけお金をかけずに培養するには、淡水クロレラと海産クロレラを同時に培養し、淡水クロレラでワムシを一次培養し、餌として与える際に、海産クロレラを与えて数時間待つ(二次培養)という手順となります。

 

しかし、コストは抑えられても、培養中のクロレラは濃度がまちまちなので、結果的にワムシの餌が足りない状態になることもあります。結果的に全滅したら元も子もありません。手間もばかにならないし・・・・・。

 

それで濃縮淡水クロレラに不飽和脂肪酸が添加されたものを現在は採用しています。

 

これの使用期限は約1か月です。古くなったクロレラをワムシに与えると全滅する可能性もあるので、できるだけ期限は守ります。

しかし、海水魚のブリーダーでもないので、それほど量は使いません。といっても、少量でも送ってもらったところで梱包料と送料とクール代がかかります。

そこで、シオミズツボワムシ部を作りました。

 

初回 ¥1000(季節によってワムシとクロレラは別便となりますが送料は1便分です)

 

*シオミズツボワムシ 60ml培養フラスコ入※1
*クロレラ※2 5ml(目薬壜入1か月分 90~94滴)

 

※1 輸送のリスク軽減のため、容器が硬く、密封できる60mlの培養に入れています。
満タンに入れていますので、できるだけ早めに500mlのペットボトルに移してください。
殖えてきたら汽水を足してください。容器の8分目以下で培養してください。

※2 濃縮淡水クロレラに不飽和脂肪酸などを取り込ませたもので、これで培養もでき、強化の二次培養も不要というクロレラです。

翌月から・・・クロレラ¥200+送料&保冷剤(¥350)

 

クロレラ 10ml(500mlペットボトル2本分を1か月維持できる計算です。180~190滴)
ワムシがさらに殖えている場合は、クロレラ 10ml×2本を¥350+送料&保冷剤(¥350)で送ります。

 

 

このクロレラの量はある程度ワムシを餌として消費している場合(※)です。培養量が殖えた場合はクロレラも多く必要となります。

 

※ 500mlペットボトルに350~400mlの培養水を入れて培養している場合、およそ1日に1~3滴です(3滴は密度MAXの場合なので、3滴が24時間で消費される場合は植え継ぎが必要です)。
ただし、クロレラは水質を悪化させますので、少量ずつ頻繁に滴下することが望ましいです。

500mlペットボトルに350~400mlの量であれば、一日1回、軽くシェイクすることでエアレーションは不要ですが、飼育容器を大きくするとエアレーションが必要になります。

また、殖えすぎると酸欠になり、あっという間に全滅します。目安は800個体/mlです。

 

※シオミズツボワムシS型は酵母菌も食べることがわかりました。と、いうことはゾウリムシと同様に強力ワカモトやエビオス錠でも培養できることになります。

 

生体のみ(送料は店頭受取の場合はかかりません)

 

最初と同量・・・¥500(+送料350円)

種株のみ・・・・¥0(+送料350円)一年以内にフルセットをご購入されている方のみ

種株のみというのは、タレびん にワムシを入れたもの。
500mlのペットボトルに300mlほどの汽水を入れてクロレラを2滴入れて種株を入れます。
餌として与えるには1週間ほど培養して数を増やす必要があります。

 

 

 

培養方法

*1日1回(以上)、軽くシェイクして飼育水に酸素を補給します。

*フタを開けてボトルを揺らして空気の入れ替えをします(おまじない的ですが)。

*飼育水の緑が減っている場合、クロレラを1~2滴入れます。

 

*緑が消えたらクロレラを滴下してください。

 

茶色は培養している間にペットボトル内に付着した汚れによります。汚れが多いと茶色が濃くなります。

この茶色の中にも栄養分やワムシが食べる微生物がいるかもしれないので(勝手な想像です)、頻繁には交換しませんが、外側からルーペでのぞいた時に、ワムシの生存が容器の汚れで確認できないくらいになったら、容器を交換しています。

 

*餌として与える場合は少量を濾して、きれいな汽水(※)に放ってからそれをスポイトで与えてください。
すぐに与える場合は、海水の濃度は問いません(飼育水より濃くならないようにしてください)。

 

*毎日使って培養液が減ってしまうと酸欠の原因になるので、3日に1度くらい、使った分の汽水を足しておくとよいです。

 

*1~2週間に1度、静置してうわずみだけをまず新しいペットボトルに移し、きれいな汽水()を足してください。

 

*残った水は捨てますが、そのまま維持しても面白いです(雄が増え、沈殿物に耐久卵が混じります。ただし水質悪化していっるため、全滅しやすいです)。

 

*定期的に餌として消費することで密度を保てますが、殖えすぎると酸欠で全滅しますので、殖えすぎた場合は容器を大きくしたり増やしたりしてください。

 

※汽水の比重は 1.018~1.020 適温25℃

 

 

>>ご注文


 

淡水ワムシ

シオミズツボワムシは海水魚の餌として多方面で多く採用されていますが、淡水ワムシって実はあまりメジャーではありません。

ワムシは日本では約400種程度いるとされていて、そのほとんどが淡水に生息しています。
つまりは、淡水ワムシはどこにでもいます。
メダカ水槽などの水を顕微鏡でみれば必ずワムシがいます。

ヒルガタワムシ、サヤワムシ、フクロワムシ、ツボワムシ・・・・・

これも培養しています。

ただし、餌として採用するのであればゾウリムシのほうがよいと思います。

 

ツボワムシは汽水産のものと似ています。

 

クマムシ培養にはヒルガタワムシが適しています。

 

 

池の水からはテマリワムシを採集できました。

 

うまく培養できると面白いのですが・・・・

一応クロレラを食べるようです(上は食べる前、下の写真が食べた後)。

 

Categories: 生物・植物室

About the Author

かよこ さとう ()

Website: https://kirara-sha.com/

7 Replies to “シオミズツボワムシと淡水ワムシ”

  1. 今もワムシの初回千円というのは売ってるのでしょうか?あれば買いたいのですが通販サイトなどあるのでしょうか?

    1. お問合せありがとうございます。
      記事へのコメントだと大量のスパムに紛れてしまうことが多いので
      以降、メールでご質問いただければ幸いです。

      販売ページ
      https://kirara-sha.net/?pid=145429424

      送料は全国一律350円ですが、普通郵便なのでポスト投函となります。
      気温が高い時期にはゆうパックでご注文ください。60サイズ実費(大阪は970円)です。

      きらら舎

  2. こんにちは、淡水ワムシを培養していますが、海水魚の稚魚のために
    シオミズツボワムシに挑戦してみたいのです
    よろしくお願いします。

    1. ご注文はきらら舎二号館からできます。
      ただ、きらら舎でシオミズツボワムシを必要とする生物がいない時は維持培養。
      たくさんいる時もお分けできる量がなかったりするので安定供給はできません。
      予めご了承ください。
      https://kirara-sha.net/?pid=145429424

  3. シオミズツボワムシを購入希望です。可能でしたら注文方法を教えて頂けますか?

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