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エダアシクラゲでここ数日盛り上がっていますが、タマクラゲとムシロガイもやってみようと思います。

 

ポリプ(ムシロガイごと)のご注文はこのページ末に!

 

 

タマクラゲのポリプのことは数年前に書きましたが、おさらいを兼ねてもう一度書くことにします。

 

 

【タマクラゲ】

ヒドロ虫綱
花クラゲ目
タマクラゲ科
タマクラゲ属
タマクラゲ

学名:Cytaeis uchidae Rees

 

 

大きくなっても傘の直径は2mmほどの小さなクラゲです。遊離直後は角丸の立方体みたいな形をしていますがやがてその名の通り、玉のようなまんまるになります。

透明な丸い傘の中に胃腔があって、その周りに生殖巣(オスでは精巣、メスでは卵巣)が発達します。これは遊離直後にもすでにありますが、成長すると顕著になります。

傘の先端にくぼみがあり、胃から傘の縁に向かって縦に4本の放射管があります。栄養を運ぶ管です。

傘の縁に沿って環状管があり、傘の縁の環状管と放射管が交わる所に触手瘤があって、そこから短い縁触手が4本出ています。

 

 

タマクラゲのポリプは生きたムシロガイの殻の上でしか生きることができません。

タマクラゲとムシロガイはちょうど同じ時期にプラヌラ幼生とベリジャー幼生が生まれます。ベリジャー幼生は稚貝となり、ここにプラヌラが固着してポリプに変態します。

プラヌラは孵化してからくっつくことができるムシロガイを探して泳ぎ回ります。そしてムシロガイの稚貝を見つけて殻にくっ付くのですが、1匹のムシロガイの殻には1つのポリプしか付くことができないので、ここでも生存競争があり、勝ったポリプはムシロガイの殻にある溝に沿ってストロンを延ばし、無性生殖でポリプを殖やし群体を作ります。

 

 

タマクラゲとムシロガイ/きらら舎

タマクラゲとムシロガイ/きらら舎

もしかしたら、ポリプの間に見える赤い点のあるものはクラゲ芽かもしれません。

 

ポリプはオワンクラゲで有名になった緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein)様の物質を持ち、青色LEDやブラックライトをあてると緑色に蛍光します。

タマクラゲとムシロガイ/きらら舎

 

タマクラゲのポリプはムシロガイの殻の上でしか生きることができないので、ムシロガイが死ねばポリプも死んでしまいます。

しかし、死ぬ前にポリプはクラゲをたくさん出すのです。

ならば、無理にムシロガイの殻からポリプを取ってみたらどうなるでしょう。

これはすでに以前の実験で答えは出ているのですが、今年もやってみることにします。

 

 

 

2022年4月4日(月)

ムシロガイの殻からポリプを切り取り、クリームケースに入れました。

 

タマクラゲとムシロガイ/きらら舎

 

雑に切り取ったので、お隣のポリプの触手も切ってしまった・・・・・ごめんよ。

予想では10日くらいでストロンが延びて新しいポリプができ、一ヵ月でクラゲを出し尽くしたらポリプは死んでしまうのですが、

ムシロガイが死んでも、ムシロガイがいる水槽ではポリプは生き続けられるという説があります。

今年はそれを実験してみたいと思います。

 

  1. タマクラゲのプラヌラはムシロガイの稚貝と出会わないとポリプに変態しないのですが、ムシロガイの粘液を塗ったシャーレでは変態するという論文がありました。それならばクラゲを出し尽くしたポリプ容器の水をムシロガイの粘液の入った海水に換水したらどうなるか・・・・・
  2. また、ポリプの実験ケースにムシロガイを入れてしまうとどうなるか。

 

ポリプ容器は2つセットしたので、上記2つの実験をしてみる予定です。

 

 

4月23日(土)の生物部の日の理科室カフェ(5時からの回)では、今日セットしたものの観察と、ムシロガイの上のポリプの観察、ポリプを切り取ってクリームケースにセットするところまでをやってみたいと思います。

それまでにクラゲが遊離した場合は、(さすがに成熟していないので無理かと思いますが一応)放精放卵受精実験も。

また、(希望者は)各自持ち帰って継続観察ができます。そこで出たクラゲを持ち寄っての放精放卵受精実験も後日予定しています。

その時にうまくムシロガイが卵を産んでいてくれたらいいのですが・・・・・

 

 

写真は2019年のもの

ムシロガイの卵/きらら舎

ムシロガイの卵/きらら舎

タマクラゲ/きらら舎

2022年4月11日

クラゲ遊離しました!

タマクラゲ/きらら舎

見つけるには、かなり鍛錬されたクラゲ眼が必要です(笑)

タマクラゲがブラインシュリンプ(アルテミア)を捕食しました。

体の中心にある胃に収められました。
胃から傘の縁に向かって縦に4本の放射管があります。栄養を運ぶ管です。
消化されて栄養が放射管を流れている様子がわかります。
胃の周りにある透明な部分が生殖巣です。
透明で凸凹しているのでメスであることがわかります。
凸凹の出っ張りは卵です。

体の中心にある胃に収められました。 胃から傘の縁に向かって縦に4本の放射管があります。栄養を運ぶ管です。 消化されて栄養が放射管を流れている様子がわかります。

胃の周りにある透明な部分が生殖巣です。 透明で凸凹しているのでメスであることがわかります。 凸凹の出っ張りは卵です。

 


 

タマクラゲのポリプがついたムシロガイを販売します!

 

>>ご注文

 

飼育方法

ムシロガイは砂に潜ります。ポリプはそれでも平気ですが、きらら舎では砂は敷かないで飼育しています。

クラゲはとても小さいので、遊離しても気づかないことが多いようです。

毎日、眼を凝らして観察してみてください。

クラゲ芽ができているムシロガイを小さめな容器に入れて数日飼育してみるという作戦も有効です。

 

 

ムシロガイの餌

2~3日に1回、1匹に1尾程度、釜揚げシラスを与えます。食べ残しは当日中に除去してください。

 

タマクラゲポリプの餌

2~3日に1回、ブラインシュリンプを与えます。

適温 20~25℃

Categories: 生物・植物室

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かよこ さとう ()

Website: https://kirara-sha.com/

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