朝顔は真っ青なものが好きなので、毎年ヘブンリーブルーの種を蒔きます。本来は多年草なのですが、アメリカの熱帯地域原産のため、日本の冬の寒さには耐えられないので、一年草になってしまっています。
西洋朝顔は昼過ぎまで咲き、秋が深くなってもなお、咲くものがあります。
それにくらべて日本の朝顔は早朝に開き、正午にはしぼんでしまいます。
そんな理由でヘブンリーブルーだけだったのですが、今年は日本の朝顔の種も入手してみました。
団十郎というこの朝顔は、幻の朝顔と呼ばれることも多くあります。理由は、一時、その数が激減したためです。
かつては都内で江戸川区を中心にたくさん栽培されていたそうなのですが、気温の上昇により、熱帯夜が長く続くようになってきました。
団十郎朝顔は夜間の気温が25℃を超えると種ができないのです。
近年は、農林総合研究センター江戸川分場で種の増産に尽力したため、流通量が増えてきています。
団十郎朝顔の名前の由来
江戸時代に二代目市川団十郎が海老茶色の衣装を好んで着用し、その茶色が団十郎茶として流行り、その色をした朝顔なので通称「団十郎朝顔」と呼ばれたと言われています。
正式な花名は『黄蝉葉栗皮茶丸咲大輪』です。
「黄蝉葉」は黄色い(濃い緑色ではない)蝉葉という意味。斑も入りません。略して「キセ」と呼ばれます。
蝉葉というのは、葉の左右の翼片がそれぞれ1~3枚前後に裂開し長く伸び、主片の中央がふくらみ、まるでセミが翅を広げたような形状の葉のことです。
「栗皮茶丸咲大輪」は栗皮茶で丸咲の大輪の花という意味。栗皮茶が団十郎茶の色で、丸咲は花の形が丸いという意味で、大輪はそのまま花の大きさを表しています。
朝顔の花が丸いのは当たり前じゃない?って思う人も多いかと思いますが、朝顔には「采咲」とか「切咲」、「獅子咲」、「筒咲」なんて形もあります。これについてはまた別の機会にご紹介します。
団十郎朝顔には名前に記されているほかに「日輪抜け」という特徴もあります。これは花の中心部分がくっきりと白くなっているもののことです。境目がボケてグラデーションになっているものは陽光抜けと呼ばれています(団十郎朝顔ではみられません)。
実際には、黄蝉葉の「団十郎」(黄蝉葉栗皮茶丸咲大輪)は、明治末に名古屋で作出され、大正中頃に「名古屋種」として全国に広がった品種の一つ「花王」系の変化種で、戦前に吉田柳吉が選出した品種なので、江戸時代説には誤りがありそうです。
個性的な花色と団十郎人気から、いろいろな説があります。
2022年5月20日
種蒔きをしました。
ヘブンリーブルーとは離れた場所にプランターを置きました。
まずは半分をそのまま蒔いてみました。本当は種に傷をつけたり一晩水に浸したりという作業が必要なのですが、このところ雨の日が多く、気温の高低差も大きかったので、土の中で腐ってしまわないようにダメ元で、そのまま蒔いてみたものです。
2022年5月26日
土を押し上げて芽が出てきました。
小学校の時の朝顔栽培を思い出しました。
こちらは双葉。
葉が黄色っぽいです。
1週間もかからず発芽しました!
2022年8月25日
観察日記を書くのをすっかり忘れていたのですが、夏休みの間、ずっと大きな花が咲き続けました。
受粉を手助けしているものの、やはり種ができません。夜の気温は25℃を下回らないためです。
それでもここ数日は朝夕の風が透き通ってきたような、秋の気配を感じます。
でも。
実は時期を遅らせて種蒔きしているのです。
秋になってから咲くようになるため、ちょっと寂しいのですが、そちらは種のためです。
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