(2017.05.01 Monday 20:36 以前のブログ『天氣後報 II 』からの移植、2022.04.14 リライト)
個人的な趣味で飼育・培養していたいろいろな生物。
少しづつカフェでお披露目しています。
大人の方は撮影をしたり、生態の観察をしたり、飼育そのものを楽しんだり。小学生はテーマを決めて自由研究をしてみてください。
タイトルが赤い字の項目は自由研究用です
【グリーンヒドラ】
刺胞動物門 Cnidaria
ヒドロ虫綱 Hydrozoa
花クラゲ目 Anthomedusae
ヒドラ科 Hydridae
ヒドラ属 Hydra
学名:Hydra viridissma
そもそもグリーンヒドラって何?
刺胞動物でクラゲの仲間です。
ヒドラとは海外版ヤマタノオロチ。
触手のにょろにょろした感じと、切っても再生するところからそんな名前が付けられました。
実際に幹細胞で自分の体を更新し続けることにより「永久の生命を持つ」ことが研究によって解明されました。
緑色は細胞内に共生させているクロレラ( Chlorella vulgaris)の色です。
2~3mmの緑色をしています(伸び縮みするので、だらけて伸びてる時には10mmくらいのもいます)。
飼育してみよう
グリーンヒドラは淡水飼育です。研究室では試薬を用いてきちんと飼育水を作っていますが、一般家庭ではミネラルウォーターでOKです。
カルキ抜きした水道水でもかまいませんが、塩素が苦手なのでちょっと奮発してミネラルウォーターを買ってあげてください。
生物用にミネラルウォーターを買う時には、かならず成分表をチェックしましょう。グリーンヒドラにはpH7.0前後のものを選んでください。
きらら舎で購入された場合、クリームケースに入って届きます。当面はそれでもよいのですが、さすがに小さいので5cm角くらいの容器を用意してください。
100円ショップでいろいろ売られていますので、好きなものを選んでみてください。透明であればなんでもかまいません。
1~2匹をクリームケースに残しておけば、このままモバイル顕微鏡で観察することもできます。
タブレットやスマホで撮影するので、動画も撮れます。
餌はブラインシュリンプが便利です。自然界ではミジンコなどを捕食していますので、ミジンコを与えてもよいです。ミジンコを与える時にはオオミジンコやタイリクミジンコでは小さな子供ミジンコを与えます。タマミジンコであれば成体でもOKです。
ブラインシュリンプを餌とする場合は、海水の素が必要です。比重は結構適当でも問題ありません。
海水の素15gをカルキ抜きした水500mlに溶かしておくと便利です。
小さなタッパなどに耳かき1杯(コーヒーマドラーにすりきり半分くらい)のブラインシュリンプエッグを入れ、海水を入れてよく混ぜて、あたたかいところにおいてください。
28℃で24時間で孵化します。
時々容器を振って混ぜると孵化しやすくなります。
ブラインシュリンプが孵化したら当日中に与えます。
与える時にはスポイトで動いているブラインシュリンプを吸い取り茶こし(※)で濃してミネラルウォーターに放ちます。
※ ティーポットなどに入っている透明なアミのもの(セレックVフィルター)が便利です
これをスポイトで吸い取ってグリーンヒドラに吹きかけます。
4~6時間後くらいに食べ残しをスポイトでとって1/4ほど換水します。
汚れてきている場合は、白い容器に全部の飼育水を捨てます。さらにミネラルウォーターを少しいれてくるくる回し、容器の下に残っているブラインシュリンプを浮かして再度捨てます。
そして、ミネラルウォーターを入れます。
白い容器にほうに、グリーンヒドラが入っていないか確認して、いたら救出して飼育容器に戻してください。
餌は週に1回くらいでかまいません。直射日光の当たらない明るい場所に置いてください。
観察 その1
獲物が触覚に触れた途端、獲物の動きが止まります。
これは触手から刺胞が発射されて毒でブラインシュリンプなどの動きを止めたのです。
グリーンヒドラの体の真ん中がオレンジ色をしているのは先に食べたブラインシュリンプの色です。
グリーンヒドラは消化中にだら~と伸びていることがあります。
その時にオレンジの部分がどこにあるか観察してみましょう。
体の上部にあることがわかります。
観察 その2
無性生殖は、体の横にこぶができ、それが伸びて枝が生えるみたいにもう1匹ができます。
横からこんな感じで出芽して殖えます。
観察 その3
グリーンヒドラ。買おうとすると結構高いのです。これは無性生殖のいい教材だからのようです。
雌雄同体で自家生殖します。
出芽で殖える無性生殖と有性生殖の両方を同じ個体で観察することができます。
温度が下がると自家生殖をして卵を抱えます(この卵は耐久卵です)。
しかし、卵を作ったヒドラは死んでしまう説もあります。
尖った部分が精巣です。
実験 その1
クリームケースに1~3匹のグリーンヒドラを入れて、冷蔵庫の野菜室に入れて毎日観察します。
何日目で精巣ができるか。
何日目で卵ができるか。
卵ができると本当に死んでしまうのか。
容器を再び室温に戻して、卵が孵化するのを観察してみましょう。
実験 その2
グリーンヒドラは体内にクロレラを共生させています(このクロレラとの共生について、いろいろ調べてみても楽しいです)。
サカサクラゲは体内に共生させている褐虫藻に効率よく光合成をさせるために逆さまになっていると言われています。
ボルボックスは光合成をするために光のあるほうに回転して移動します。
それならば・・・・・グリーンヒドラは共生クロレラに光合成させるために移動するのか!
9cmのシャーレ(きらら舎で販売しています)に10匹のグリーンヒドラを入れて半分をアルミホイルか黒い紙などで覆い、1時間後、2時間後の様子を観察します。
明るい所、暗い所、それぞれ何匹いるかを記録します。
実験 その3
切断されても再生するといわれています。
本当か?
実験してみましょう。
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