『鉱物のテラリウム・レシピ』でも紹介したように、樹木の種を植える季節になりました。
『小さな博物学日記』にも書いたのですが、あちらは文字数制限している(自分で)ので、詳細はこちらに綴ります。
樹木の種屋さんはこの季節になると樹木の種を売り始めます。
小学校の頃、学校に球根を売りに来る業者がいて、あれこれ悩んで購入し、水耕栽培をしたり、東京の公立小学校は、理科の授業で学年で育てる植物が決まっているのでアサガオやヒマワリを育てた記憶は多くの人が持っているかと思います。
なんだかそういう記憶の郷愁からか、種やら球根が好きなのです。
『鉱物のテラリウム・レシピ』にも書きましたが、樹木は大きな樹の根本付近から生えてきた小さな枝は見たことがあるかもしれませんが、種から出てきた姿を見ることはあまりありません。
森に住んでいたら、どんなにか楽しいだろうと思います。
それで、ある頃から樹木を種から育てるようになりました。
どこに何の樹が生えていて、いつ頃行くと、実(種)が落ちていて、拾えるかをまず記録しておきます。
樹木の種屋さんからは、近所で拾えない種を購入します。
種によっては発芽処理が必要な種も多くあります。
近所ではカシ(帝京病院)やヒマラヤスギ(古河庭園)、ギンヨウアカシア(ご近所さん)などなどがあります。
今年は多忙なため、ヒマラヤスギは拾いに行くのを諦めました。
ギンヨウアカシアはすでに採り蒔き完了しています。
さて、カシ。
母が帝京大学病院に通院しているので、毎年、今くらいに車椅子を押したまま玄関の外に回り、落ちているどんぐりを拾います。
カシと書いたものの、実際には「樫の樹であるだろう」という程度の同定です。どんぐりの帽子に縞模様があるので、アラカシ、アカガシ、シラカシのいずれかであろうと思っています。葉っぱをちゃんと調べればさらなる同定ができるので次回、病院に行ったら葉っぱを撮影してみたいと思います。
いわゆるどんぐりは乾燥させると発芽力が極端に落ちます。
それで、どんぐりが落ち始めたらできるだけ早い時期に拾って蒔きます。
蒔くというか土に埋めるというイメージです。大きな種子は覆土多めにします。
種(実)が落ちてすぐに拾って、すぐに蒔くことを採り蒔きといいます。
今年は、どんぐりの芽を多くの方に見ていただこうと、樹木の種屋さんからもシラカシを購入しました。
1つづつポットに植えました。ご自宅でどんぐりを埋める際は横倒しがおすすめです。
どんぐりを埋める際には横倒しがいいというのは、どんぐりはとんがっているほうから根が出て、その後、同じところから芽が伸びます。
どんぐりにとっては向きはあまり関係ないのかもしれませんが、根と芽がスムーズに伸びるように、横倒しにしています。
まず、根が伸びますので、このタイミングで販売を開始します。
そのまま大き目な鉢に植えてください(そのまま植えられるポットに植えています。しばらくはそのポットのままでも大丈夫ですが、ポットには根がはみ出せるように穴が開いていますので、そこから根っこが出てきたら、大きな鉢に植えるようにします。)
種から芽が出て育った苗を実生苗とよびます。
自然に落ちて出た芽ではなく、ポットにある土と与えられた水だけで成長するので、最初は多少、面倒をみてください(土の表面が乾いたら水を与えるというだけですが)。
また、樹の種は蒔いてから発芽するまで1~2年かかる場合もあるそうです。それでシラカシは根が出たタイミング(やがて芽もでる)でお届けします。
この苗が大きな樹になるには何十年もかかります。しかし1年ほどで樫の樹の形にはなります。盆栽のサイズです。
樫のミニチュアを楽しめます。
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