以前のブログ(天氣後報 II より転記&修正加筆)
ウミホタルの季節が来ました。
ウミホタルは夜行性で、 昼間は海底の砂の中で生活しています。
そのため、採集は夜になります。
採集については『鉱物テラリウム・レシピ』に掲載しましたので、興味がある方はご参照ください。
いろいろ忙しいのでなかなか夜の海へ採集には行けないため、毎年、採集をお願いして送ってもらいます。
夏になると採集して送ってもらうのですが、今までに冬を越せたことがなく、今年こそはと!
門 : 節足動物門
亜門 : 甲殻亜門
綱 : 顎脚綱
亜綱 : 貝虫亜綱
上目 : ミオドコパ上目
目 : ミオドコピダ目
亜目 : ウミホタル亜目
科 : ウミホタル科
属 : ウミホタル属
種 : ウミホタル
学名 Vargula hilgendorfii
ウミホタルの体長は約3mm。
カフェのワークショップではこれの乾燥したものを使って発光実験を行っています。
ウミホタルの発光については「Papier de Kirara / 2018 #02」をご参照ください。
「鉱物の蛍光・生物の発光」というテーマでまとめています(博物ふぇす用)。
まだモバイル顕微鏡を持っていなかった時に鉱物用のルーペで撮影したもの。
ウミホタルは死ぬと殻が白濁してしまうので、乾燥ウミホタルを作るのはとても大変なのです。
そのため価格もかなり高価。
これを乳鉢ですり潰して水を加えると青く発光します。
ウミホタルは基本、スキャベンジャ(※)なのに数年前には実験と称してワムシやブラインシュリンプを与えてしまい、一晩で全滅させた失敗があります。
アカムシもいいとどこかに書いてあったので与えて、上手くいかなかった年もありました。
昨年はスキャベンジャ好みな餌をいろいろ試してみました。
※よくいえばお掃除やさん。わかりやすくいうと死肉喰い。生きているものを捕食するのではなく、死んだ肉を喰らう・・・・・もっともそれだけではなく、生きているものにも挑んでいる記録があるようです。
昨年、撮影したメス。
背中にたくさんの子を背負っています。
ウミホタルは成熟すると卵を抱え、背甲に卵が移り受精、そのまま胚が発生して目玉のある「子ウミホタル」をおんぶしたまま暮らし、胚発生後約1か月で放卵ならぬ放子するそうです。
さて。今年。
底面フィルターは結局、掃除しづらいのでスポンジフィルターにしましたが、はやりシラスやかまぼこなどを与えるため水の汚れは早いです。
水槽の壁にはたくさんの原生動物が付着しています。
原生動物にやられてしまわないか心配しながらも忙しいので、対応できないていたら、水面付近をせわしく泳ぐ個体がたくさんいるので、もしかしたら、それを食べるのかもしれないと、ふと思いました。
今日は水面に大きな個体のほかに細かい個体がたくさんいました。
すごく小さいです。1mm弱。
多分子供が生まれたと思われます。
同じ倍率で撮影した親。オスかな?オスだと背中の部分がもっとぎざぎざしてるし、背中に空間があるので放子したメスかもしれません。3.5mmくらい。
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