No Comments

 

 

何十年も前から、いろいろな生物を飼育・培養しています。微生物では、ゾウリムシやミカヅキモ、ミジンコ、ワムシなどいろいろいます。しかし、ボルボックスはなんどチャレンジしても全滅させていました。

学習塾をやっていた頃には、ボルボックスを生物教材の会社から購入したりもしました。

採集したものは目視とパスツールピペットで数個抜き取り、洗浄してから培養をしましたが、どうしてもすぐに他の藻が発生してしまいます。

生物教材会社は、最初から観察用に純粋培養したものを販売していますので、コンタミはないのですが、それでも1か月が最長で、実際には1週間程度で植え継ぎを余儀なくされていました。生物教材会社の方が、親切に培養方法も教えてくれて培養キットまでくださったのですが、その方法ではまったく維持することができませんでした。

それで、再度、自己流に戻して今に至ります。さらに日々試行錯誤しています。

 

 

 

以下青文字は2019春の記事(現在はまた更新しているため、内容が古く、その下に新しい記事を加筆しています)。

殖えた時には単なる植え継ぎではなく、バックアップを増やします。
こうして、常に数本のペットボトルを管理しています。

光が少なくても減っていきます。かといって明るい場所に置くとすぐにペットボトル内に藻が繁殖し、ボルボックスが駆逐されます。

でも・・・かなり藻が殖えてきてもボルボックスが負けない時もあります。

 

ボルボックスは培養液に栄養分がなくなると小さくなって消えてしまいますが、栄養は他の藻の養分にもなります。兼ね合いが難しいのです。

 

 

赤玉土を使った培地。
石灰石とハイポネックスだけの培地。

・・・・・いろいろ試した結果、現在は試薬の培地をいくつか使っています。

 

ボルボックス/きらら舎

 

最近、ボルボックス容器に変なものが発生しています。

コンタミというより、ボルボックスが死んで固まった感じなのですが、通常の培養だと小さくなって消滅しまうことが多く、死んだボルボックスが塊になることはありませんでした。

培養液は常に試行錯誤を続けていますが、そのせいもあるかもしれません。

 

 

 

ボルボックスのルーツはクラミドモナスという単細胞藻類だといわれています。

約2億年前から多細胞化が始まり、わずか10μmほどの単細胞クラミドモナスから、シアワセモとも呼ばれる(※)4細胞のテトラバエナ(20μm)に進化します。そして細胞数8または16のゴニウム(50μm)、16または32のユードリナ(60μm)、64または128のプレオドリナ(200μm)、そして細胞数500以上のボルボックス(300μm)と進化しました。

ボルボックスは以前はクラミドモナスの集合であると考えられていましたが、現在では別のものとされています。

ボルボックスは各細胞が全体の部分として機能する構造を持っています。これは多細胞生物の特徴です。発生過程で分裂直後の娘細胞同士はパイプ状構造(原形質間架橋)で互いに連絡しながら多細胞体を形づくることも解明されています。

 

※命名はボルボックス目研究の第一人者である新垣陽子さん。新垣さんが大学院生の頃、約2億年前に4個の細胞が統合され、そのまま現在まで幸せにも生き残ったテトラバエナを生きた化石として「シアワセモ(和名)」と命名しました。

 

専門的なゲノム解析での研究は専門家に任せておき、自分の興味のあるところだけを突き進むと、結局は、安定した長期培養と、楽しい観察、きれいな写真の撮影というところに行きつきます。

 

2019年10月10日

ボルボックス一個体の寿命は48時間です。
その間に条件がよければ16個の娘細胞を放出します。

単純計算では 1週間 24×7=168時間 168÷48=3.5 なので3回の娘細胞放出が行われるとして、

1×16×16×16 = 4096

1個体は約4000個体となるわけですが、実際には環境がよいと約 5 倍といわれています。

夏の間は温度の上昇にさえ気をつければ、特に問題なく殖えていきますが、朝夕の寒暖差が大きくなると一気に増殖が止まります。

エアコンをつけなくても日中過ごせるようになり、朝夕に窓を開けると肌寒く感じる・・・・・という時期が危険です。

今年もうっかりしていて、気づくと増殖が止まっていました。

 

48時間の寿命ですから、増殖が止まれば48時間後には全滅になります。

慌てて保温をして、なんとか持ち直しました。

 

 

 

ところで、ペットボトルで培養している理由は、コンタミ防止です。

開けたてのボルヴィックを使っています。

500mlと1500mlのペットボトルではなぜか1500mlのほうが維持が難しいのです。

生物は飼育する水が多く、水槽が大きいほど安定しますが、ボルボックスは例外のようです。

そういえば、先人は試験管で培養している人が多かった・・・・・と、いうことに倣い、試験管でも培養を始めました。熱湯や煮沸滅菌ができるのも利点です。

また、試験管に満タンに水を入れることで輸送時の振動も緩和できます。
そういう理由で販売は25mlの試験管に入れたものに変更しました。

ボルボックス/きらら舎

ボルボックス/きらら舎

培養水が少ないので、個体数も多くありません。そこで販売価格を下げました。

(殖えている時には試験管内の個体数もかなり多くなっている場合もあります。発送時にその旨ご連絡します。)

殖えてきたら植え継ぎまたは希釈をしてください。

通常、植え継ぎは新しい培地にパスツールピペットなどでボルボックスを移します。古い培養水ができるだけ入らないようにして数個体を移動させます(1個体だけという場合もあります)。

さらに、慎重に行う場合は、ボルボックスをきれいな水で洗う場合もあります。

希釈というのは、雑なやり方ですが、楽ちんです。

まず、新しい培地を用意し、そこに古い培養水ごとボルボックスを少量入れる方法です。

 

簡単な培地は試験管1本にボルヴィックを入れて、火で炙って滅菌した石灰石(5mm程度のもの)を1粒とハイポネックス1滴加えるものです。

きらら舎で使っている培地は試験途中ですが、これで培養してみたいという場合は、滅菌した試験管を持参していただければカフェにてそれに培地を入れますし、試験管で販売しているものは最新培地での培養です。

 

2019年11月11日

一か月ほど前、ボルボックスの増殖のスピードが一気に落ちたので、保温を始めました。

また、植物用ライトを買ってみました。

照度計アプリを購入&インストールしました。

 

保温してもボルボックスエリア容器内は今朝、22℃まで下がっていました。昨夜、雨を降らせた雨雲がまだ低く垂れこめていて、カーテンを開けてもそれほど明るいと感じなかったので、いつもならばカーテンを開けると同時に保温のスイッチを切るのですが、今日はそのまま様子をみることにしました。

やがて日差しが出てきたところで保温スイッチは切りました。

正午近くになると日差しは強くなり、ボルボックスエリアは10000ルクスを超えました。

温度は27℃(培養ペットボトル水温は24.8℃)まで復活。29℃になった時点で遮熱カーテンを閉めます。

・・・・・・・・・・・・

29℃(エリア室温)になったので遮熱カーテンを閉めました。

この時の培養ペットボトル内の水温は26℃。

以前、水槽用のライト(海藻用に白色と青色が混在するLEDライト)で培養したボルボックスはあっという間に全滅したので、今回購入したものは苔などの培養に使う白色のものです。しかしMAXで1000ルクス。
ボルボックスに適切な照度は1000~5000ルクスと言われているので、1000ルクスは最低ということになります。

しかも、培養ペットボトルすべてを照らすことはできません。

ここ一か月、温度をみながら保温したり切ったり、カーテンを開けたり、ライトを点けたり切ったりしていましたが、東京の窓越しの太陽光くらいなら、温度さえ上がらなければ明るければ明るいほど増殖スピードはアップするとわかりました。
そして太陽の光に勝るものはないと実感しました。

液肥は他の藻の繁殖も助けます。弱いボルボックスは他の藻に、すぐに駆逐されてしまいます。栄養より光というスタンスで培養したほうがよいのかもしれません。

ボルボックス/きらら舎

娘細胞はまだひっくり返っていない(インバージョン前)。

ボルボックス/きらら舎

娘細胞はひっくり返った後(インバージョン済)。

 

 

 

 

 

 

 

Categories: 生物室

About the Author

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です