今季、2度目となりますプラヌラ採集ができたようなので、このページを更新します。仕切り線以下が以前のノートとなります。
3月10日(水)到着
採集者さんに成熟メスのミズクラゲを捕まえてもらって、プラヌラの採取をお願いしています。
プラヌラ水のみ送っていただきました(クラゲ母さんはリリースされました。お手数をおかけしました)。
採集地は若狭湾で、福井県浦底湾とつながっているため、プラヌラから直にエフィラがでる特殊なタイプのクラゲの可能性も高いです。きらら舎で飼育して経過はこのページにて報告します。
今回のプラヌラは大き目で、モバイル顕微鏡エッグでも十分撮影ができました。
ご購入いただいた方は、こういうものも混入していると思います。
鞭毛があり動きますが、これ自体は生物ではなく、クラゲ母さんの育児嚢の一部です。
これもまた面白いので観察してみてください。
育児嚢の破片についている受精卵なども混ざっている可能性があります。
また、FaceBookグループ「きらら舎生物部」ではこれを飼育するメンバー同士の報告などもあるかと思いますので、合わせてお楽しみください。また、メンバー半額などの優遇もあります。
なお、FBGきらら舎生物部は非公開のグループです。グループ内での会話はメンバーにしか開示していませんので、ご参加の上、お楽しみください。
>>FBGきらら舎生物部
まずは参加申請を送ってください。24時間以内に承認いたします。
ミズクラゲプラヌラの他、今回はヤドカリやアカシマモエビ(エビは死んでしまいました)も届きます。
また、きらら舎タイドプール水槽では、近日中にアカシマモエビが放仔予定です。特に親を隔離したりしないので、よきタイミングでゾエアを採集できましたら販売します。すべてきらら舎二号館の生物室での販売です。
これらの生物とメダカの卵、ピロキスティスなどの観察・撮影&販売は3月20日(土)の理科室カフェにて行います。
ツイッターで都度ご連絡してまいりますので、よろしくお願いします。
現在、プライベートのLINEアカウントではクラゲ採集仲間のグループがあり、採集してきたものをシェアしたり、採集レポートや飼育相談などをしあっています。
カフェの理科室カフェで、ミズクラゲのストロビラの観察&配布ワークショップを行っていた時から集まった生物部の仲間です。
その頃は、ワークショップに合わせてポリプを専用の施設でストロビレーションさせてもらっていたのですが、その会社もなくなってしまい、さらにコロナ禍のため、カフェでのワークショップはなかなか難しくなってしまいました。
そこで、2021年より、採集者の方とタッグを組み、採集してきた生体の販売と、飼育サポートを行っていくことにしました。
ただ、購入していただくだけでもよいのですが、できればLINE登録やFaceBookグループ「きらら舎生物部」にご参加ください。飼育の相談などもできます。
ビジネス用LINEアカウントも作りました。
ビジネス用LINEは現在はレアな鉱物の販売がメインになってしまっていますが、本来は生物飼育のサポートをしたいと思って開始しました。
FaceBookグループ「きらら舎生物部」にご参加いただけば、生物の販売や飼育方法の説明、メンバー同士の飼育相談などができます。参加しないと外から投稿内容を閲覧できないグループなので、気軽にいろいろ相談し合えます。
さて、前置きが長くなりましたが、ミズクラゲのプラヌラの販売をします。
数日(今までは5日くらい)でポリプになるので、ご注文が遅れた場合はポリプでのお届けになります(すでに変態しかかっているものもいます)。
プラヌラ1~2つをクリームケースで飼育しても観察しやすいです。
モバイル顕微鏡はEggかMijinko。
上からライトをあてます。横からあてる対象物の色がわかります。真上からあてると透過光で、内部までよくわかります。
・・・・・・って。
もしかしたら、この形。プラヌラから直にエフィラがでそうです。この話はページ末に書いておきます。
プラヌラ販売 >>ご注文
飼育容器とたれビンに入れたプラヌラ水をお送りします。
- 代引きの方へはすぐに。前払いの方はご入金確認次第送ります。
- ご注文されましたら、すぐに人工海水を作っておいてください。
- 到着したら、飼育容器を水ですすいで、たれビンの中身をすべて飼育容器に入れてください。たれビンの内壁でポリプに変態して固着してしまっているものがいる可能性があるので、中身を飼育容器に出した後、たれビンをカッターかハサミで縦に真っ二つに切って確認してください。
- ポリプが付着していた場合は爪楊枝でこそげ取り、飼育水内に入れてください。
- 飼育容器の半分以上8分目以下くらいまで作っておいた人工海水を継ぎ足してください。
- ポリプに変態するまでに、ブラインシュリンプエッグをご用意ください。
人工海水は多少割高でも小分けしてあるものが便利です。
以下の人工海水がクラゲに合っていると思います。
通常は1袋340gが10L分ですが、クラゲは少し比重が低くてよいので、500mlのペットボトルに入れた水道水に14gの人工海水の素を溶かして、一晩おいてから使ってください。一回購入すると通常海水50L分となので、当分使えます。
ブラインシュリンプエッグはたくさんはいりませんので、小さめな容器に海水を入れて、コンビニのコーヒーマドラーに半分くらいのブラインシュリンプエッグを入れて、温かい場所に置いてください。
28℃で24時間で孵化します。気温が低いと3日くらいかかる場合もあります。
プラヌラ水ご注文時に、3回分のブラインシュリンプをオプションで付けることもできます。
その後の飼育などはFaceBookグループ「きらら舎生物室」や LINE でご質問ください。
ポリプ販売
プラヌラからポリプに変態したものをクリームケースでお届けします。クリームケースのままモバイル顕微鏡で観察できますが、水交換を頻繁にしなければならないので、そのまま飼育容器に沈めてもかまいません。
プラヌラです(変な形のものは、母クラゲの保育嚢の破片です)。
昨年、モバイル顕微鏡で撮影しました。
これはちょっと特殊なクラゲでした。この時のレポートはノートにまとめてありますので、興味のある方はご参照ください。
なお、今回到着したプラヌラもこれ系かもしれません。それについてはページ末にまとめています。
プラヌラはやがてポリプになり、ポリプは無性生殖でどんどん殖えていきます。
来年の秋~冬。気温が下がるとストロビレーションを起こしてエフィラ幼生がでます。エフィラ幼生はやがてクラゲに成長します。
クラゲの寿命は半年~1年と短いのですが、ポリプを維持さえしていれば、また翌年もクラゲを見ることができます。これはお花のイメージですね。蕾ができて花が咲き、花は散ってもまた来年、花が咲く・・・・・
しかし、遺伝子レベルでは、テロメアは短くなっていくようです。
そう考えるのは、数年維持したポリプから出るエフィラの数も少なく、サイズも小さくなっている気がしたからです。
時々、プラヌラから変態したポリプを入手していくことが必要になると考えています。
水槽の中ではミズクラゲは成熟するまで大きくすることはできません(水族館レベルの大きな水槽なら話は別ですが)。成熟させられないのであれば、受精はしないし、プラヌラから育てることはできません。
そういう理由で、プラヌラを入手できる機会にはぜひ!
クラゲの生活史とショートカット
クラゲにはオスとメスがいます。有性生殖で受精卵ができ最初はプラヌラ幼生(以降プラヌラ)というものになります。プラヌラは小さな丸い粒で、時々細長いラグビーボール型になったりして周囲に生えている鞭毛で数日海中を泳ぎ、岩などに固着して、ポリプに変態します。
2019年の秋にお台場で採集したプラヌラは丸い粒から4つのこぶができ、やがて触手になりました。
2020年に京都からきたプラヌラは、かなりの確率で、エフィラになりました。
通常はポリプになって、それが伸びて、くびれができ(ストロビレーション)、それが1つ1つのエフィラになります。
今日来たのは福井からです。
福井県敦賀半島の北端に位置する浦底湾ではプラヌラから直にエフィラがでることが報告されています。
クラゲの生活史で一旦ポリプになるのをショートカットしちゃうんですね。
ここのプラヌラは大きいものはエフィラになり、小さなものがポリプになり、圧倒的にエフィラになるものが多いようです。
昨年、京都の若狭湾で採集されたミズクラゲから採取されたプラヌラが浦底湾系だったということは、福井市から採集に行って採集したミズクラゲから採取されたプラヌラもまた、同じ系列である可能性があります。
・・・・・ここから12時間後・・・・・
やはり、エフィラになってきました。
通常、ポリプがストロビレーションしてエフィラを出す時には20近くも出る場合もありますが、プラヌラからポリプになるのをショートカットしてエフィラが出るときには1つだけ出ます。
そして、ちゃんとその後にポリプになります。
まだプラヌラで泳いでいるものもいます。
その右上のものは、そろそろ変態し始めたようです。
ポリプを飼育するのは、当面は殖えることが面白いだけですが、こうして、先にエフィラがでると、ポリプ飼育と同時にクラゲ飼育も楽しめるので、ある意味、二度美味しいといえます。
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