植物は改良された種類よりも、原種と呼ばれるものが好きです。
犬も、改良されて可愛いものではなく、縄文犬とも呼ばれる種類の天然記念物柴犬を飼っています。
水生生物にいたってはペットショップでは売っていないものばかり飼育していました。
(『鉱物テラリウム・レシピ』にはそんな生物を多く紹介しています)
そういうわけで、人間によって作られた、メタリックなメダカやベタはいかがなものかとずっと感じていたのですが、『鉱物テラリウム・レシピ』用に作った古い柱時計を改良した水槽に適していたのはベタだったのです。
止水で飼育できるし、写真映えもするという理由です。
撮影後、飼育することになるのですが、とても安易に交尾&産卵させてしまいました。
そのことについては以前の記事にまとめています。
交尾から産卵までかなりドラマチックですっかりベタに興味津々となりました。興味を持つとどこまでも調べ・実験する性質です。早速、産卵&稚魚飼育を再試行することにしました。
6月19日に産卵したベタ。
ネットの情報どおりにしたものは一か月以上経過しても1cmにも満たず、試験的に、メダカの稚魚水槽に1匹紛れ込ませたやつがすでに2.5cmのサイズでほぼ成魚と変わらないまでに育ちました。
紅子の娘なので虹子という名前にしました(後日オスと判明)。
ネットの情報どおりに飼育していた記録は ベタ稚魚その後 をご覧ください。
7月31日(火)
完全に水槽を洗いましたが、その前の飼育水を少し入れているので、すぐにグリーンになってきます。
そこでタマミジンコを投入しました。
餌としてというより、水の浄化が目的です。
大きくなったらちょうだいね。って言われていたので、再びオスとメスを一緒にしてみました。
するとすぐに交尾。
メスのほうが積極的にオスをつついて、「卵産むわよ!!」って感じです。
しかし、今回はせっかくの泡巣をオスが自分のヒレでほぼ破壊してしまいました。
泡はわずかに水槽の縁に残るのみ。
さらに落ちた卵をせっせと拾って水面の泡巣に置くのはなんとメス!
オスもだらだらと拾ってプイっと泡巣におきますが、泡が少ないのでどうもさぼり気味です。
交尾の合間に卵を拾い、また交尾・・・
卵が落ちて行っています。
メスも気絶から復活すると卵を拾って、水面縁に少しだけ残ってる泡巣にいれます。
泡巣に収納できそうもない卵を確保してモバイル顕微鏡で観たところ、結構、未受精卵があります。
メダカもそうですが、未受精卵が水槽に残ることで卵が腐敗したり水カビが生えたりして水質を悪化させるのでできるだけ除去します。
8月2日(木)
前回と同様、産卵から2日後に孵化しました。
卵の段階で採ってきたものも孵化。
8月4日(土)
オスの瑠璃太郎。以前に脱落した尾がせっかく生えてきていたのに、またそこの半分が脱落してしまいました。
孵化から2日。そろそろ稚魚は横泳ぎができるようになるので、ベタパパ@瑠璃太郎は隔離。お疲れ様でした。
8月6日(月)
前回の稚魚水槽では、やはりメダカ稚魚と同様の飼育に切り替えたところ、少しづつ大きくなってきているようなので、今回生まれた稚魚と合流させて、メダカ稚魚飼育ですべて育てることにしました。
メダカ水槽と同様、ろ過ボーイを入れます。
稚魚が吸い込まれないように排水溝ネット(ストッキングタイプ)で覆っています。
水流を弱めるため分岐を付けました。
餌はゾウリムシとタマミジンコとメダカ稚魚の餌です。
人間が改良するということ。
見た目は改良であっても寿命が短くなってしまったり、奇形が多く発生したり、トラブルを抱える個体が多くなるようでは改良とは言えません。
しかし、実際、生物にとって何が幸せなのかはわかりません。
自由な野良猫が幸せなのか、冷暖房完備だけれど去勢されて室内で生活するのが幸せなのか、時々考えますが、
そのほかの生物も、その種が棲息する本来の場所で生きるのが幸せなのか、かけあわされて小さな水槽で暮らすのが果たして幸せなのか・・・・・
考えていくと答えはまったく出すことができなくなります。
尾びれが大きく美しいベタはその分、老いてきた時に若い頃とのギャップがあるはずです。
それでも愛情を持って飼育できるかどうか。
すでに狭い水槽に閉じ込めてしまっている生物たち。
自分のできる範囲で、快適な環境とご飯を与えていくしか、できることはないので、忙しい時ほど気配りしていたいと思います。
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