柘榴石グループについては何回かに分けて紹介しています。
今回は緑色の柘榴石の一つ。灰クロム柘榴石(Uvarovite)。
分類:珪酸塩鉱物
化学式: Ca3Cr2(SiO4)3
結晶系 :等軸晶系
へき開: なし
モース硬度: 6.5〜7.5
英名はロシアの古典学者であり政治家でもあったセルゲイ・ウヴァーロフ (Sergey Uvarov) に由来します。鉱物に関しては熱心なコレクターだったためですが、ロシア科学アカデミーのを務めたことなども関係していると思います。
柘榴石の固溶体については、前のノートにも書きました。
灰クロム柘榴石もまた、灰礬柘榴石、灰鉄柘榴石の成分を固溶体として含みます。しかし、赤色の苦礬柘榴石や鉄礬柘榴石とは固溶体をつくりにくく、理由はカルシウムイオンのイオン半径がやや大きいためです。
おさらいすると、柘榴石グループのメインを6種
現在、このグループに属する鉱物は15種類が知られていますが、代表的なものは、以下の6種類です。
鉄礬柘榴石(Almandine)・・・Fe3Al2(SiO4)3
苦礬柘榴石(Pyrope)・・・Mg3Al2(SiO4)3
満礬柘榴石(Spessartine)・・・Mn3Al2(SiO4)3
灰クロム柘榴石(Uvarovite)・・・Ca3Cr2(SiO4)3
灰礬柘榴石(Grossular)・・・Ca3Al2(SiO4)3
灰鉄柘榴石(Andradite)・・・Ca3Fe2(SiO4)3
下のカルシウムを含む3つ、また、上の3つではそれぞれ固溶体を作りますが、上の3つと下の3つでは固溶体はできづらいのです。
緑色の柘榴石は、灰礬柘榴石の緑色、宝石名ではデマントイド / Demantoid が肉眼でもはっきりと十二面体とわかるきれいな分離結晶が多いのですが、灰クロム柘榴石の多くはクロム鉄鉱の表面に皮膜状の細かい結晶として産出するものが多く流通しています。
ルーペで見ると菱形十二面体をしていることがわかります。稀に偏菱二十四面体の自形結晶となっているものもあります。
クロム鉱床に産出し、今回販売するものの産地は
Sarranovskoje,
Perm,
Ural,
Russia
ロシアの標本なので、今後の入荷はあまり期待できません。
8A
8B
8C
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